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父と子の内緒話(2)


コホンッと咳払いが聞こえてから数秒経過した


この数秒が1時間、2時間の様に長く感じる


僕はこれから何を言われるのだろう…


頭を垂らしたまま居ると向かい側にいたお父様が

僕の隣に腰かけて来たと思ったら


頭に大きな手を乗せられ、くしゃくしゃと撫でられる



…………!?

な、なんだ?

どうすれば良いんだ?


チラッとお父様の顔を見ると優しく笑っている


え?なんで笑ってるの?なんか怖いよ…


どうしよーどうしよう…


うーん、どう切り抜こうと頭をフル回転していると『ふはははッ』と笑い声が聞こえてきた


お父様が壊れた…

予想以上に混乱させて可笑しくなっちゃったよ…


僕は顔が真っ青になりながらお父様を見た


「あーー、ごめんごめん。びっくりしちゃって…。

正直あり得ない話だと思うよ、普通は。

でも、ホォルが真剣な顔して話すもんだから

嘘は吐いてないと思ったかな。

私達がいる世界が他の世界の人々によって作られた世界とは…考えた事もないからさ。

いやー、そうなんだとしたら面白いな」



「…信じて…くれるの?僕の事、病院に連れて行かない?」



「なんで病院に連れて行かれると思うんだ?私は大切な宝物が嘘を吐いてるか吐いてないかは見極められているつもりだよ」


「…うっっっ……信じてくれて、ありがとう…」


信じて貰えたと安心したのか僕の目からボロボロと大粒の涙が零れ落ちて革のソファーに涙の跡がついていく


お父様が涙をハンカチで拭ってくれるけどそれも追いつかないぐらい顔がぐちゃぐちゃになっていく


「大丈夫、大丈夫だよ、ホォル。

私は君の絶対的な味方だからね。

これからどうするかは2人で考えよう。

この物語が現実になるなら娘が幸せになれるように変えていかないとね」


「っうん、っうん!姉上は絶対幸せにならないとダメなんだ。僕は姉上を悲しませたくないっ」



「そうだね、私も悲しい顔は見たくないな。

さて、どうしたものか…」


お父様は何か思い当たる様に呟いた



「ッズッズズズ…、もう、泣き止んだから大丈夫…」


10分程お父様の胸を借りて泣いていた僕はやっとこさ落ち着きを戻していく


「じゃあ、話を戻して良いかい?」


お父様は僕の顔を様子見ながら問いかける


「うん、大丈夫だよ。」


「実はね、5日後に第一王子殿下の誕生日パーティーがあって家族で招待されている。ホォルが倒れてそれ処じゃないと断ろうと思ってたんだが、陛下の命でギリギリまで返事を待つから考えてくれって言われているんだ。まだ返事はしてないよ。ホォルの体調が大丈夫なら今日中に王家に返事をしようと思う。どうしたい?」


「僕が決めても良いの?お母様や姉上は?」


「もちろん、話をしたよ。

ホォルが行けそうなら行こうと二人も言っていたよ」


「わかった、僕も行く!」


「そうかい、なら返事を出そう。

それとね、表だっては誕生日パーティーという名目だが

実際は第一王子殿下の婚約者候補を探す目的もあるみたいなんだ。

だから陛下も命を出してまでも来て欲しいんだと思う」


「…そっか、やっぱり目的はそっちなんだね。」


「こればかりは本人同士会って気が合うかどうかにも選るからな…」


「僕が王子様と仲良くなってみる!

将来下臣として仕えることになるなら

今の内に見極めないと!」


「はっははは、ホォルは歳の割に大人っぽいし賢いから

頼もしいが呉々も無理はするなよ」


「はい!!」


お父様に頼って貰えて褒められてとても嬉しくて

キラキラと満開の笑顔を見せた



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