お姉様とお買い物
学園の長期休みが終わり一月経った秋晴れが続く休日
ガルシア公爵邸にホォルティオの婚約者ラピアネがルファティナに会いに来た。ルファティナの部屋でソファーに向かい合いお茶をしている。
「ルファティナお姉様、お願いがあるの!」
「どうしたの?」
「あともう少しでホォルティオの誕生日が来るでしょう。誕生日プレゼントを選びたいんだけどどんな物が良いか分からなくて一緒に考えて欲しいの!」
「そういう事なら任せなさい。良い店知ってるわよ」
「え!本当に!?」
「ええ、早速この後予定がないから行ってみましょうか?」
「うん!行きたい!ルファティナお姉様とお買い物しに行きたいわ」
コンコン
「姉上、ラピアネが来てるって聞いたけど姉上といるの?」
「ええ、居るわ。入ってきて良いわよ」
「ラピアネ、僕じゃなくて姉上に用事があったの?」
「ええ、そうなの!ルファティナお姉様とお買い物に行こうと思って訪ねてきたのよ」
「そ、そうなんだ。楽しんできてね!それじゃ僕は剣術の訓練行ってくるよ。ラピアネ、またね」
「ええ、行ってらっしゃい。ホォルティオ訓練頑張ってね!」
「うん、ありがとう!姉上、ラピアネをよろしくお願いします。」
「ええ、心配しないで大丈夫よ。行ってらっしゃい」
バタンと扉が閉まりホォルティオは部屋を後にし訓練場に向かった。部屋には、はぁーと溜め息ついた2人がいた。
「いきなりホォルティオが来たから吃驚したわ…」
「本当ね、話は聞こえてないと思うから大丈夫だと思うわ。今のうちに買い物行きましょう!」
王宮のラピアネ専属護衛騎士 リオネル・コーデルとガルシア公爵ルファティナ専属護衛騎士ヘンリー・イーゼルと共に町へ買い物に来た。
「ルファティナお姉様、どんなお店に行くの?」
「行ってみたら分かるわ。着くまで内緒よ。あそこの角曲がったらあるわ」
ルファティナが言ったように大通りの角を曲がったら小路に入ったその時、重厚そうなシックな店構えをした建物が建っていた。
カランカラン~♪︎
「いらっしゃいませ~。おや、ルファ様じゃないか!久しぶりだな~」
店から声が聞こえた方を見ると体格が良く顔の頬に傷がある40代の男性がカウンター越しに立っている。
「ヨルダンさん、お久し振り。今日は弟の婚約者と来たのよ」
「おお、ラピアネ様お久し振りでございます。元第一騎士団所属ヨルダン・クリスタでございます。退団後、此方で刃物屋を営んでいます。」
「あら、ヨルダンお久し振りですね。突然の退団で心配してましたのよ。そう、元気そうで良かったわ。素敵なお店ね!」
「ありがとうございます!ここは元々クリスタ家が受け継いでいる店になります。生活用品の刃物から騎士が扱う剣まで取り揃えております。今日はどういった物をお探しですか?」
「ホォルティオの誕生日プレゼントを探しに来たのだけど…。ルファティナお姉様、もしかして剣をプレゼントしようと提案したの?」
「ええ、そうよ。最近新しい剣が欲しいみたいなの。ホォルも成長して今の剣じゃ軽くなって扱いにくいみたいでね。と言うことでヨルダンさん、15歳ぐらいから大人まで扱いやすい剣ってあるかしら?」
「そういう事なら少々お待ちください。」
ヨルダンさんが奥の部屋に商品を選びに行った。
お店を見渡すとハサミ、包丁からガーデン工具、短剣などがショーケースに並べてある。
「ここはガルシア御用達のお店なのよ。今ホォルが使ってる剣もここで誂えて貰った物なの。最近、剣を見に来た時に試し構えしたから大体どれくらいの剣が合うかは分かっているわ」
「そうだったのね、それが少し不安だったから安心したわ」
「お待たせしました!此方にある剣がホォルに合う物になります。長剣から短剣までありますよ」
「長剣は自分で選びたいだろうから短剣はどうかしら?オーダーメイドで誂えたら喜ぶと思うわ」
「まあ!それは良い案ね!誕生日迄に間に合うかしら?」
「ええ、大丈夫ですよ。ラピアネ様のお願いなら少し無理してもお作りします」
「ふふふっ、ヨルダンありがとう!では、このタガーナイフの形でポンメル(柄頭)とガード(鍔)は金色でグリップ(握り)は鮮やかな青色にして貰えるかしら」
「畏まりました!ラピアネ様のお色ですね。いつも一緒にいると言う意味では喜ばれると思いますよ」
「そう言葉にされると恥ずかしいわ。でもその通りね、どんなことがあってもホォルティオと共に寄り添いたいと思っていますもの」
「ふふふっ、ホォルもこんなに愛されて幸せ者ね」
「あはは、ホォルの喜ぶ姿が目に浮かびますな。心を込めて誠心誠意お作り致しますのでご安心下さいませ!」
「ええ、楽しみにしていますわ。よろしくお願いしますね」
「では、出来次第王宮にお届けに参ります。よろしくお願い申し上げます。」
「それでは、ホォルの誕生日プレゼントも決まったことだしお茶でもしに行きましょう。」
「はい、ルファティナお姉様!!」
「ヨルダンさん、今日はありがとう。この辺で失礼するわね」
「ヨルダン久しぶりに会えて嬉しかったわ、ありがとう」
「いえいえ、ルファ様とラピアネ様に会えて嬉しゅうございました。また会える日を楽しみにしております。ありがとうございました。」
ルファティナとラピアネはヨルダンに挨拶して店を出て護衛の二人と表通りに戻っていった。




