夏の夜空の下輝く社交界
夏の夜空の下、社交界デビュタントが行われる本日
王国の中で歴史があるホールを舞台に爵位の低い子息令嬢達から会場入りを始める。王国の中でも爵位の高いガルシア公爵令嬢ということでルイスとルファティナは最後の会場入りとなっている。
「ルイス、私の格好変じゃない?」
「大丈夫、とても綺麗だよ。なんならこのまま逃げ出して誰にも見せたくないくらいだ」
「もう!ルイスってばまたそんなこと言って護衛を困らせたんじゃないの?」
「いやだな、今日はそんなことしないよ。ティナをエスコート出来る初めての日なんだ。そんな大切な日に逃げ出すなんて考えられないさ」
「今、今日はって言ったわよ。普段から逃げ出そうと企んでたこと白状したわね」
「あーあ、やられた。ティナに釜かけられる日が来るなんて思わなかったな」
「もう!ふざけるの禁止ね。もうすぐ入場する時間よ」
「ああ、分かってるよ。では、行こうか」
「ええ…」
緊張気味のルファティナはルイスの腕に手を添えて扉の前に立つ
「大丈夫、僕がついてるから心配しないで」
「うん、ありがとう」
『ガルシア公爵令嬢、ルファティナ・ガルシア様とルイス・イースター殿下のご入場です。』
入場紹介と同時に大きな重厚な扉が開く、中から大きな歓声が聞こえてきた
《ガルシア様とルイス殿下のお衣装お揃いだわ!とても素敵ね》
《きゃー、これが本当の王子様とお姫様だわ、眼福出来て幸せ》
《今日のガルシア様は一段とお綺麗だ。隣にいるルイス殿下が羨ましい》
《ガルシア様、ダンス申し込んだら手を取ってくれるだろうか》
《いやいや、無理だろう。ルイス殿下が許すわけないだろう。ここで目をつけられたら今日で人生終わるぞ》
「ルイス、みんなの目線が痛いほど此方に向いてるわ」
「それはそうだろう。ティナがこんなにも美しいんだから皆見惚れているんだよ」
「まあ、ルイスこそいつも以上に素敵だから見惚れているのでしょう」
「あらあら、どちらも同じぐらい視線を集めているのに気づいていらっしゃらないのかしら」
「…アンナ、いつの間に目の前にいたのよ」
「ずっと見ていたよ、ルイスとルファティナ様。今日もお熱いやり取りご馳走さま」
「…兄上。居るなら早く話しかけてくれたらいいのに」
「いやいや、君達の周りの反応を見るのが楽しくてね。アンナと静観していたよ」
「そうよ、今日の注目の的はやっぱり貴方達ね。それより今日の衣装とても素敵ね。二人の色が使われていてよく似合ってるわよ」
「ありがとう、アンナ」
「アンナ嬢どうもありがとう」
~♪︎♪︎♪︎
「ほら、アンナ。私と一緒に踊ろう」
「ええ、ケイン様喜んで…」
ダンスホールに人が集まって行き各々曲に合わせてダンスをしていく。ケインとアンナも続くようにダンスホールに消えていった
それに続くようにルイスがルファティナにダンスを申し込む
「…ティナ、僕と踊って下さいますか?」
「ええ、勿論。喜んでお受け致します」
ルイスの手を取ってルイスとルファティナもダンスホールに消えていく
「人前で踊るのは初めてだから緊張するわ…」
「僕もそうだよ。凄く緊張してる。顔には出てないけどね」
「ふふふっ、本当にそうね。凄く涼しげな顔して笑ってるわよ。私は上手く笑えているかしら?」
「うん、大丈夫。ティナも楽しそうに笑えているよ」
「それなら良かった。ルイスとのダンスが本当に楽しいからだわ」
「僕もティナと踊れて楽しいよ。そして物凄く幸せだ」
「ええ、私もとても幸せに感じてるわ」
「次も僕と踊ってくれるよね?」
「ええ、勿論よ」
「それなら良かった。ティナが次、他の子息と踊りたいなんて言ったらどうにかなりそうだったよ」
「もう!お願いだから嫉妬も程々にして頂戴。ご子息方に失礼よ」
「そんな言ったって嫉妬してしまうんだから仕方ないだろう。心配で仕方ないんだよ」
「…私だって心配してるのに表に出さないように我慢してるのよ。ルイスこそ私と踊り終わったらご令嬢達に囲まれてダンスを踊る羽目になるわよ。…今日は逃げずに頑張ってね。逃げたらお仕置きして差し上げますね」
「ふふふっ、ティナからのお仕置きだったらして欲しいぐらいだ。やっぱりこのまま逃げ出して仕舞おうか」
「もう!ふざけるの禁止って言ったじゃない。本当に逃げたらルイスと絶交しようかしら。婚約破棄も考えないといけないわね…」
「ええ!そんなこと言わないでよ!冗談だって!お願いだから本気にしないで、ね?ティナお願いだ」
「ふふふっ、そんなに慌ててどうしたの?ルイス殿下様?」
「あーもー、ティナの意地悪な顔久しぶりに見た…。意地悪されても嬉しいなんて僕は本当にティナじゃないと無理だ。お願いだから僕から離れていかないでよ」
「分かっているわ。私の隣はルイスしか考えられないもの。ほら2曲目も終わったわよ。ずっと2人で居たら誰も話し掛けられないわ。少し離れましょう。また後でルイスに会いに行くから、ね?」
「分かった…。何かあったら絶対僕の所に来てよ、約束して」
「ええ、分かったわ。ほら約束ね」
小指を絡ませて指切りをしてルイスとルファティナは離れていった。ルイスと別れて直ぐルファティナは子息令嬢に囲まれていた。
《ガルシア様、今日のお衣装とても素敵ですわ!入場してきた時は女神様が現れたと勘違いしたぐらいでしたのよ》
《ルイス殿下とのダンスも歌劇を観ているようで皆様うっとり魅了されていましたわ。ガルシア様方とデビュタントを一緒に参加出来たことこの上無い光栄で御座います。》
「ふふふっ、皆さんありがとうございます。皆さんも素敵なお衣装とてもお似合いですわ。こうしてお話しできて私も楽しいのよ」
『…あの、ルファティナ様、俺と踊って頂けますか?』
「あら、クロード様!私で良いのですか?」
『ええ、ルファティナ様にお願いしております』
「分かりました、喜んでお受け致します。皆様、少し失礼致しますね」
~~♪︎♪︎♪︎♪︎
周囲の人々に一礼して、ダンスホールにクロードと消えていく
『ルファティナ様、俺と踊って下さりありがとうございます。』
「私はてっきりアンナにダンスを申し込むと思っていましたわ。それなのに私と踊るなんて拍子抜けしてるのよ」
『あ、ははっ、ルイスとルファティナ様には隠し事出来ませんね。そんなに俺分かりやすいですかね?』
「ずっと一緒にいると分かるぐらいの微妙な変化ですね。アンナは気づいてるか微妙だけれど。でも気まずそうじゃない所を見ると気付いてない可能性が高いと思いますわ。この事はルイスと私、クロード様の秘密にしましょうね」
『ありがとうございます。分かっているんですよ、思いを寄せててもどうにもならないこと、でも直ぐに消せる程軽い気持ちじゃないことも。時間は掛かりますがちゃんと決着は着けますから見守っていて下さいませんか?』
「勿論、そのつもりでいますわ。クロード様は大切な友人ですもの。慌てなくともゆっくり解決出来たらそれで良いのですよ。また、新しいご縁に恵まれると信じていましょう」
『ルファティナ様ありがとうございます。今日のルファティナ様はとても綺麗ですね。ルイスが子息に目を光らせてるのが分かりますよ』
「ふふふっ、ありがとうございます。クロード様にもルイスの態度はバレバレですわね。あんなに嫉妬深くて彼は疲れないのかしら。私だったら滅入っちゃうと思うのよ」
「今も俺を睨み付けるように見ていますね。親友にも警戒するなんて信用されてないなぁ。俺から見てもルファティナ様は素敵なご令嬢ですが、流石に親友の婚約者を奪い取るほど女性には困っておりませんのに。ルイス自身も気持ちをコントロール出来ずに苦しそうに見えますね」
「本当に困ったものね。一緒に踊っているご令嬢が可哀想だわ。彼女とても気まずそうだもの。あれではこの後踊るご令嬢も嬉しくないわよね。そろそろ助けてあげないと行けないかしらね…。クロード様には悪いけどルイスが踊り終わった後のご令嬢のお相手お願いできるかしら?」
「あははっ、ルファティナ様のお願いですから引き受けましょう。ルイスを沢山慰めてやってください。そうじゃないと折角楽しいデビュタント会場が冷え凍ってしまいます。」
「ふふふっそうね、楽しい社交界が台無しになっちゃうわ」
「…終わりましたね。ルファティナ様と踊れてとても楽しかったです。ありがとうございました。ルイスの元へ行ってあげて下さい」
「私もクロード様と踊れてとても楽しい時間でした。ありがとうございました。では、失礼致します。」
曲が鳴り終えてクロード様の手を離し一礼してその場を離れてルイスの元へ向かうルファティナを呆れた様に見送るクロードだった
「…お姫様に気を遣わせるなんて本当に困った王子様だな…。ルファティナ様に感謝するんだぞ、ルイス」
思いの外、話が長くなりました。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
次回も楽しみにしていてください。




