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特別の日になるように


学園は夏の長期休みに入っていた。今年の夏はルファティナ達の社交界・デビュタントが行われる。


今、ルファティナはルイスと一緒に当日身に纏う衣装、シューズ、アクセサリー選びに人気の衣装サロンへ来ていた。ここは普段着からパーティー衣装まで取り揃えておりオーダーメイドも仕立てて貰うことも出来る腕のいい婦人が営むお店だ。


「…ルイス、こんなに沢山ドレスやアクセサリーがあると迷ってしまうわ。どうしたらいい?」


「確かにそうだよな。今年は初めてティナをエスコート出来るんだ。既成の物じゃなく一からオーダーメイドで作って貰おうか。ドレスの形や色合いから好きなように選べるよ」


「えー!そんなルイスに負担掛けたくないわよ」


「負担なんか思ってない。僕がティナに贈りたいんだ。大切な日の記念にプレゼントさせてほしい。ティナにとって僕からの贈り物は負担になるのかな?」


「…いいえ、ルイスからの贈り物はいつも嬉しいわ。本当にいいの?我が儘言ってもいい?」


「ああ、勿論いいに決まってる。どんな我が儘でもティナの願いは叶えてあげるよ」


「あのね、ルイスが恥ずかしくなければなんだけどね…。衣装をお揃いにしたいの。色合いとかデザインとかそういうの合わせたら素敵かな…なんて…ダメかな?」


上目遣いをしてルイスの顔を見つめる。

なんか困ってる?顔、耳、首下まで真っ赤になってる

目線を逸らされた。

やっぱり嫌よね…。恥ずかしいわよね…。

反応出来ないぐらい戸惑ってるのかしら…。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



やばい…ティナの我が儘可愛すぎる…

僕のお姫様はなんでこんなに可愛いんだ。

恥ずかしそうに僕を見てくるなんて反則だ。

思考停止してしまった

言葉にしたいのに出てこない。これじゃ誤解されてしまう

ちゃんと言葉にするんだ僕


「…ティナの可愛い我が儘叶えよう。僕もティナとお揃いで社交界に出たい。ティナは僕の婚約者だって知らしめたい!」


ルイスの言葉に真っ赤になってるルファティナは両手で顔を覆っている


「もう!ルイスってば嫌で言葉が出ないのかと思ったじゃないの!不安になったわよ」


「あはは、ごめんごめん!ティナが可愛すぎて言葉が出なかったんだよ。それでは婦人に頼むとしよう」


『ルイス殿下、相談は終わりましたか?どのように致しましょうか?』


「ああ、待たせて悪かったね。僕とティナの衣装をオーダーメイド仕立てで頼みたい。お揃いでデザインも決めたいんだが大丈夫だろうか?」


『ええ!勿論大丈夫ですわよ。ルイス殿下とルファティナ様の衣装を作れるなんてとても光栄ですわ。気合いを入れて作らせて頂きますよ。では、まずルファティナ様から寸法を図りますのでこちらへどうぞ』


「行っておいで、ティナ」


「ええ、ルイス待っててね」


『ルイス殿下、お待たせしました。私が殿下の寸法を図りますのでこちらへどうぞ』


「…ネイン子爵、この度はマークを受け入れてくれてありがとう。これから彼が貴族としての生き方に困惑するだろうがゆっくりと見守って欲しい。」


『ええ、勿論で御座います。ルイス殿下のお陰でマークと再会出来たこと感謝申し上げます。このご恩を忘れずにお力になれるよう今後も努めて参ります。私達夫婦にとっても大切な息子で御座います。ネイン子爵子息として恥ずかしくないよう教育し大切に育てていくことをお約束します。』


「ああ、よろしく頼むよ。僕にとっても第二の弟のように思っている。将来僕の下で働いて貰いたいと願っている。」


『はい、マークからも殿下のお力になれる人になりたいと聞いております。将来が楽しみで御座います。』


『ねぇ、貴方、殿下の寸法にそんなに時間が掛かっているの?』


『ああ、すまん。もう終わったから待ってくれ』


「話し込んでしまったな、ネイン子爵すまない」


『いえいえ、私もゆっくりし過ぎましたね。では、戻りましょうか』


『もう、貴方ってばなんでそんなにゆっくりしてるのよ!ルファティナ様をこんなに待たせて可哀想でしょう』


「いえ、婦人大丈夫ですよ。カタログ見て楽しんでましたから」


『あらまあ、ルファティナ様はなんてお優しいのでしょう。心遣いありがとうございます。』


「ティナ、待たせてすまなかったね」


『いいえ、なんだか話し込んでた様だったから仕方ないわ』


『ルファティナ様、改めてご紹介させて頂きます。私、リオネル・ネインと申します。彼女はエリーナ・ネインと申します。』


『この度、マークを息子として受け入れた子爵夫婦で御座います。私達は服飾専門で仕事をさせて頂いております。マークを見つけていただき気にかけて頂いたこと感謝申し上げます。』


「ええー!そうだったのですね。もう!ルイスってば前もって話してくれなかったわね。ネイン子爵夫妻これからマークのことよろしくお願いいたします。私にとって2番目の弟だと思ってるの。これからも夫妻共々仲良くして頂けると嬉しいですわ」


『勿論で御座います。マークが邸宅に住むようになったら是非ご招待致しますわ。では、話を戻して衣装打ち合わせを行いましょう』


『こちらのカタログを参考にイメージを教えて頂けますか?』


「うーん、色合いはこれにしてデザインはこんな風にしたらどうかな」


「うん!とてもいいと思うわ。ルイスのセンス素敵ね」


『それならこんな風にしてみたら素敵ね!2人にピッタリな衣装になるわ。きっとその日の注目は独占するでしょうね』


「ああ、きっといい日になるだろうな」


「ええ、ルイスと一緒だもの。忘れられない日になるでしょう。とても楽しみね」


「ああ、今から楽しみだな。」


『では、このように作らせて頂きます。デビュタントの一週間前には出来上がると思います。出来次第ご自宅までお届け致しますね』


「ああ、お願いするよ。この度は急な願いで時間を作らせて申し訳なかったね。ティナと打ち合わせして楽しかったよ」


「ええ、私も楽しかったわ。ネイン子爵夫妻にもお会いできて嬉しかったです。ありがとう御座いました。よろしくお願いいたします。」


『また、遊びにいらしてね。ルファティナ様とお話しできて楽しかったわ』


「はい!是非また寄らせていただきます。失礼致します。」


「では、帰ろうか。ティナ、家まで送っていくよ」





「今日はありがとう、ルイス」



「どういたしまして。当日楽しみにしてるよ、僕のお姫様」



手の甲にそっと口付けをして馬車に乗り帰っていく二人


ネイン子爵夫妻は見えなくなるまで見送っていた

微笑ましく寄り添う影が見えた








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