最後の夜、大切なこと
孤児院で子供たちと掃除して色々なお話した後、ルファティナ以外の3人は外でノア、ハント、ムートが疲れ果てるまで鬼ごっこ、隠れんぼ、長縄跳びなどで遊んでいた。
その様子を見ながらルファティナはマークと沢山話していた。
生まれて直ぐ孤児院前に置き去りにされていたこと、一通の手紙が入っており、中には母親らしき女性が作った御守りの組糸が入ってたこと母親は身体が弱くもう長くないと分かってこの施設に来たこと。この子の名前はマーク・トレインと言うこと。
トレインとはこの町の隣町にあるトレイン準男爵の事を示している。だが、トレインは準男爵を剥奪されて、敷地返上されており戻る場所が無いこと。この子には念のため身元を隠して育てて欲しいとお願いした旨が記されていた。
こんな大切なことルファティナに話して良かったのと聞いたらルファには知ってて欲しかったと、ルイスにも話して大丈夫だからとマークは少し複雑な表情をしていた。
まさか、爵位を一度受けていた身の子供だったとはルファティナも想像していなかった。
トレインはどんな理由で爵位を取り上げられたのかはマークも施設長も知らないと言う。
この事をルファティナが知った以上調べないと行けなくなった。
いつか施設を出てルイスに会いに来るにも徹底的に身元調査を行う必要があるから、それがただ早まっただけ…。
この子が生まれる前に爵位を無くしたならマークの人生の足枷にさせてはいけないだろう。
「ルイス、どう思う?」
「そうだな、まさか、マークが元貴族だったとは思いもしなかったな。取りあえず、王宮に戻って陛下に聞いてみよう。どんな闇黒い事があっての没落だとしても生まれる前のあの子は関係していない。安心してルファティナ。僕もマークに明るい世界で生きて欲しいと思ってるから。」
「うん…!!ありがとう、ルイス!」
今日マークと話した事をルイスに話していたところだ
今は施設から戻って食事した後の自由時間だ。お風呂に入った後で会ってるので少々緊張しているが大切なことを話す為には気にしていられない。
それに宿舎の外で、しかもここ最近4人でずっと行動していたので2人っきりで過ごすのは初めてだ。久しぶりで緊張してきた…
「あ、星綺麗に見えるね…」
ありきたりの言葉が出てきちゃった
見れば分かるのに…。
「そうだな、久しぶりに2人になれたな。」
ルイスはルファティナの腰を引き寄せて耳打ちをしてきた
「ひゃっ…」
「ん~、ルファティナからいい匂いする。やっぱり花のように爽やかな匂いで落ち着く。」
「ルイス…大好き…チュッ…」
「…ルファティナ…僕も大好きだ、いや、世界で一番愛してるよ」
ルファティナが勇気を振り絞って軽く口付けをするとルイスは甘く優しい声色で口説いてきてルファティナの唇を優しく塞いでくる
「……んっはっ…ルイス…」
「ふぅ…もう、ティナが可愛いのが悪いんだよ。これ以上すると本気で無理、我慢できなくなる…」
鮮やかな青い瞳が私を見て我慢し苦しそうな顔をしている
私が、私だけが彼のこんな表情が見れると思うと優越感に浸れる
でも、私には今、どうしても気になることがある
「ねぇ…ルイスと私ってパーティー前にも会ってたりする?」
「どうしてそう思うの?」
「久しぶりに幼い頃の夢見たの。私が王宮で迷った時、王妃様とルイスに似た男の子と一緒に話したの。泣いてた私を必死に慰めてたわ…その数年後、今度は私とホォルもいて温室?で3人で遊んでたら私の様子が変なことに気付いて話を聞いてくれた。勉強ばかりして息苦しいこと、お茶会に行っては仲間外れされて悪口言われて本当は行きたくないこと。でも投げ出したくないから必死に耐えてること。その子は何も言わず最後まで聞いてくれて『ティナは良く頑張ってるよ、とても偉いね。僕が大きくなったら迎えに行くからいいこで待っててね』って約束したの…私、あの頃の記憶が凄く曖昧で…辛いこと思い出したくなくて…忘れてたの…ねぇ、あの子はルイスなの?」
「………………………」
「………ルイス?」
「………ティナ……思い出してくれたんだね…ありがと…」
「……ルイス…約束守ってくれてありがと…なんで、今まで忘れちゃってたんだろう…ルイス、悲しかったよね…ごめんなさい…」
ルファティナの顔がルイスの鍛えられた胸に包まれる、逞しい腕に抱き締められて安心してポロポロと涙が止まらなくて…
「大丈夫!僕は昔からティナの王子様だったってことだよ」
甘くて甘い声に酔いしれて幸せいっぱいになった




