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オリエンテーションの準備


入学して1ヶ月経った頃、2日後に親睦会という名のオリエンテーションが行われる。


場所は王宮がある中央部から東へ馬車で3時間掛けて見えてくるのが自然豊かな山と川以外なーんにも無い場所だ。


貴族には嘸詰まらない場所であろう。


そんな場所で何をするかって?山登り、ボランティア、自炊、各班で協力し合い親睦を深めようじゃないかという学園恒例の行事だ。


2泊3日で予定が組まれている。


一日目は学園から目的地まで移動、山登りし夕食を各班で自炊。材料、例えば肉、魚は用意するが野菜は前もって学園が話を付けている農家に各班で貰いにいく、貴族だからは、許されないお約束。夕食が終われば各自自由行動有りの就寝。


2日目は近くに有る教会と孤児院でボランティア

各班に役割が振り渡され指示のもと行動して貰う。

終わったら前日のように夕食を各班で自炊し自由行動有りの就寝。



一般の平民には当たり前でも貴族には試練になる。いつも世話してくれる使用人やシェフが居ないので自分の事は自分でしなければ始まらない。今年の新入生は最後まで耐えられるか見物だな。



毎年のように半数は無理だと帰りたいと嘆いて半ば強引に引率の先生に頼み込み家から馬車を走らせ迎えに来て貰うなんて事はざらにあると教員、元卒業生は言う。


それ程までに過酷に追い込まれ精神を削ぎ落とされるようだ。



2日後に迫るオリエンテーションで成るべく脱落者が出ないようにルファティナが考えた策がある。それは、、



「皆さんは、普段お料理をすることがないかと思います。そこで考えました!材料は何とか各自でしなければなりませんが、料理のレシピは予め考え皆さんと共有出来れば最低限、美味しくないとか大失敗してごはん食べられなかったと言う方々はとても少なくなると思えます。」


「僕たちは皆が楽しく過ごせるよう色々と考えていた。初めはオリエンテーションの栞を作ろうと取り掛かって居る時、ルファティナが先ほどの提案をしてきた。とても良い案だと思う。辛い環境下で食は大切になると思う。折角なら皆で楽しい食事をしたいと思う。皆、どうだろう?」



教室に拍手喝采が上がる、皆嬉しそうにしている。



「とても良いじゃない!見た目はセンスによるけどレシピがあるなら味は保証出来るわね!」


「ああ、さすがルイスとルファティナ様だな。これなら憂鬱なオリエンテーションが楽しみになるな!」


担任からオリエンテーションの日程を聞いた後の落胆振りから多少なりとも前向きに楽しもうと思って貰えたようだ。


「良かったな、ルファティナ!」


「ええ、ルイスが一緒に考えてくれたからだわ。ありがとう!」


生徒達は2人の姿に目を奪われる


普段、冷静沈着、潔癖、女性嫌いな冷徹王子と噂されているルイスが婚約者ルファティナを見る姿はとても柔らかくお日様のような温かく包み込むような雰囲気を纏っている。表情も穏やかでとても優しく微笑む姿は絵本の中の王子様その物だ。


アンナは兎も角、他の生徒はそんな姿の第二王子を見たことがない。完全に別人のようだ。1ヶ月経った今でも見慣れない光景に唖然していた


皆息するのを忘れるような静けさに時折一部の女子生徒から悶えるような声が漏れて


この光景、姿を目の前で眺める事が出来て歓喜余って泣いてるものもいた。これを機にファンクラブ発足させようと企む者もいるようだ。何やら必死にノートに書き留めているのが見える。




あらー、人気者は辛いな、頑張れよ、二人とも。


さあ、次は楽しい楽しいオリエンテーション当日だ。


どの様に楽しませてくれるかな?






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