魅惑の令嬢
――――トントン―
「ルイスお兄様、仕度終わりましたか?」
「おお、終わったぞ。ラピアネ、入ってこい」
「はーい、失礼します」
ルイス、カイルが居る部屋に第一王女ラピアネが入ってきた
「お兄様、お誕生日おめでとう!
私からのプレゼントよ。先日、ホォルティオと街に出掛けた時に見つけたの。とても気に入ると思うわ!」
ラピアネが両手でラッピングされた箱を差し出した
「開けて良いか?」
ラピアネから箱を受け取り問い掛ける。勿論よ。と言われて丁寧に開けていく。
化粧箱を開くとコンパクトな懐中時計が入っていた。
漆黒の色に金色のデザインが施され紺色の宝石が埋め込まれて、とても格好いい品だ。
中を開くと婚約者ルファティナの最近の肖像画が填められていた。時計番には紺色と金色の宝石が埋められている。
宝石の色合いは僕とルファティナの色だと分かった
「ラピアネ、ありがとう。とても嬉しいよ。大切にする。」
「ふふ、ホォルティオのいう通り喜んで貰えて良かったわ。ホォルティオの店選びは成功ね」
ルイスが喜んでいる姿を見てラピアネは満開な笑みを浮かべていた
―――――――――――――――
「国王陛下夫妻、ご子息、子女のご登場です。」
司会の言葉に歓声が沸き上がると同時に螺旋階段から降りて席に着く。
次々と貴族御一行が国王夫妻へ挨拶に訪れる
ルイスはホール全体見渡しガルシア公爵夫妻と一緒に居るであろうルファティナを探す
従姉妹兄妹達と仲良く話していた。周辺に変な虫が飛び回っていないのを確認し安心した。
まだルファティナはデビュタント出来る年に満たないので表だってエスコートが出来ない。
婚約者として接することも出来ない焦れったさと焦りと色んな感情が体の中で渦巻いている
一友人として接することがこんなにも苦しいなんて思わなかった
ぐるぐると頭の中で考えていると国王夫妻の前にガルシア公爵一行が挨拶にきた
「ルイス殿下、お誕生日おめでとうございます。」と紺色のキラキラしたドレスを身につけた可愛い婚約者から挨拶をされた
「ルファティナ嬢、ありがとう」
ただ一言二言交わしただけでドキドキした
ホールにいる貴族達はガルシア公爵一行、特にルファティナに一目置いていた
皆がルファティナに魅了されていた。綺麗な佇まいで挨拶をする姿に目を逸らすことが出来ないようだった
取りあえず貴族達との挨拶は終わったみたいだし、そろそろルファティナの所に行こう
父上にも許可を貰いホール下に降りていった
「ルファティナ、ホォル!」
「あ、ルイス殿下。もう、大丈夫なんですの?」
「ああ、一通り挨拶が終わった。ルファティナとても綺麗だよ。」
「ありがとうございます。殿下。」
貴族が周囲に居るのでルファティナは形式的な言葉と表情をしている
真面目な彼女の事だ。この場を離れないと普段の姿を見ることは出来ないだろう。
「ルファティナ少し抜け出そう」と耳打ちをした
無言で頷き、ガルシア公爵夫妻に2人で抜けることを伝えてその場を出て、招待客が立ち入り禁止されている王宮の一室に入った
「はー、息苦しかった…」
「ルイスお疲れ様!」
ソファーに横並びに座るとルイスは背凭れに項垂れる。
ルファティナは仕方なさそうに笑いながらルイスの頭を撫でた。
「ルファティナは皆の注目の的だったね。今日の姿は特別綺麗で可愛いから仕方無いけど良い気持ちになれなかったな」
「へ!?私じゃなくてアンナとホォルとライアンでしょう。だって私に話し掛ける方は居なかったわよ」
「…………あはは、そうだよ、そうだよな。ルファティナっていつもこうだってなんで忘れてたんだろう。心配したのが馬鹿みたい!」
「え、心配って何の事よ!?」
「ん~、気付いてないなら知らなくて良いことだよ。今後も気付かないように僕が気を付けるから安心してね」
「…うん、分かった。何か分からないけどルイスを信じるわ。」
ふふふ、ホールにいた貴族子息全員がルファティナを獲物を狙う様な獣だって知られたら怯えて一緒に学校通えなくなっちゃうし、ずっと気付かないで欲しいな
大丈夫、学園に入ったら堂々と守ってあげられるよ。
あと、半年
もう少しの我慢だ、ルイス




