御忍びデート(2)
――――マージンさんの店を出て表通りへ――――
「さて、ルイス様のプレゼントも買ったし、この後どうしようか?」
「そうね、本屋さん行ってもいい?」
「ラピアネが本を読みたいなんて珍しいね」
「私だってちゃんと勉強してるし本も読むわ!今流行りの恋愛小説が気になるのよ」
「ああ、それなら姉上も読んでたような気がする」
「〈冷酷公爵と皇女様の運命〉ってタイトルよ!まるで私達に似てると思わない?まあ、ホォルは冷酷公爵でなければまだ子息だし、私は皇女じゃなくて王女だから違うけれどね!」
「タイトル聞いたら着色してまんま僕達の事を題材にしてると思うんだけど気のせい?」
「さあ?それは読んで見ないと分からないわ」
「確かにそうだね……」
僕はそんなタイトルの本が貴族、平民の女性達に人気になっているとは知らなかった。
本当に内容が僕達を題材してるなら街に御忍びで来るのも用心しないと行けなくなるじゃないか。どこで作者に見られてるかなんて分らないんだから。
「あ、本屋さんに着いたわよ!ホォルティオ早く!」
「そんなに慌てなくても本屋は逃げていかないさ」
チャリンチャリン
扉を開けると女性客で沢山いた
何でこんなに混んでるんだ?いつもならガラガラ空いてる店なのに珍しいこともあるもんだ
「〈冷酷公爵と皇女様の運命〉やっと手に入れたわ!初版は1日で売りきれるなんて思わなかったから残念だったの」
「そうなの!初版は幻の本と呼ばれてるそうだわ」
「何でも貴族のご令嬢が買い占めてるとかしてないとか。噂があるらしいわ。」
「なんで買い占めなんてする必要があるのよ」
「仲のいい貴族令嬢に頼まれて本屋へ事前に口利きしてるらしいわ」
は!?そんなに出回ってるのか!!
信じられない
貴族令嬢もハマるってそんなに面白いのか?
「ホォルティオ、あったわよ!これが最後の一冊だったわ」
「ああ、うん。ラピアネ、良かったね!僕が会計してくるよ」
「ありがとう!」
ラピアネはとても嬉しそうに最後の一冊を大切に抱えて僕に近づいてきた
僕はその本を受けとると躊躇なく会計に並んでいる女性達の後ろに並ぶ
そしたらチラチラと後ろを振り返る女性達。
僕に何かあるのか?
チラチラと見ながら顔を赤く染めている。
最近街へ繰り出すとこの光景は良く目にしてるので気に止めることなく気にしないように目線をずらした
無事会計を済ませラピアネに本を渡して店から出た
「ホォルティオは女性の憧れの的ね。さすが私の婚約者だわ」
「僕はラピアネだけに好かれたら他の令嬢なんてどうでも良いんだけどな!」
「全くもう!そういう所もルイスお兄様と似てきたわ!お兄様はホォルティオに悪影響ばかり与えるわね」
「そうじゃないよ、元々ルイス様と僕は似ているだけだよ。悪影響を与えられてる訳じゃないよ」
「さあ、どうなのかしらね」と呆れている
「この本は部屋に戻ってゆっくり熟読するわ。面白かったらホォルティオにも貸してあげる」
「ああ、そうして貰えると嬉しいな」
「疲れただろう、お茶でもしようか。最近オープンした人気のお店があるんだ。ラピアネも気に入ると思うよ」
「そうなのね、楽しみだわ」
本屋から10分程歩くと見えてきた店
外観は水色とピンク色のストライプ柄にサァーフボードが掛けられており爽やかな色合のお店となっている
カランカラン
店内に入るとカップルや女性客が多く席はほぼ満席状態だ
辛うじて空いてる4人掛の席に案内された
護衛騎士の2人が手前側に座り僕達2人が奥のソファー席に座る
辺りを見回すと一際目立つ人物を見かけた
まさかこれが2度目の正直と言うのか…
何故いつもタイミングが悪いんだ
神様は何故こんなにも意地悪なんだろう




