王子殿下達の婚約話(2)
ーーーーー王室来賓室にてーー―――
―――トントンッ
扉を叩く音がした
「お父上、入ってもよろしいでしょうか?」
「ああ、大丈夫だ。入ってきなさい」
第一王子殿下の声に国王陛下は返事をする
「失礼致します。私達のお話しは終わりましたので
此方に参りました」
「そうか、取りあえず席に座りなさい」
第一王子殿下の言葉に陛下は席に着く様に促す
第一王子殿下と第二王子殿下は王妃殿下側に着席し姉上とアンナは僕達が座っている方の席に着いた
今の状況は、上座に国王陛下、奥の長椅子に王妃殿下、第一王子殿下、第二王子殿下、第一王女殿下と座っていて
扉側の長椅子にガルシア公爵夫妻、姉上、僕、ハントン侯爵夫妻と、ライアン、アンナの順番で座っている
「4人で話をした感想はどうだ?」
「とても有意義な時間でした」
「堅苦しい言い方するな、
2人の素直な気持ちを聞いているんだ」
「「…………」」
おお、国王陛下の言葉には威厳があるなー
第一王子殿下、第二王子殿下が黙り込んじゃった
大丈夫かなー
「私は、アンナ嬢にとても興味があります」
「僕はルファティナ様が気に入りました」
おっと!?ゲーム通りに全く進まなくなってきた?
でも、まだ姉上とアンナの気持ちが分からない
どうなる?
「そうか、なら、ルファティナとアンナが
どう思っているか聞かせて貰おう」
「はい、私は、ルイス殿下と仲良くなりたいと思っております」
「私はケイン殿下がとても興味深くもっと知りたいと思っております」
姉上とアンナも各々が気になるんだ
これ国王陛下が認めたらこの組み合わせに決定するんだよね
ここまでゲーム内容から逸れていくと僕が
何もしなくても皆幸せになれるんじゃない?
「そうか、各々お互いを知りたいと思っているのならケインとアンナ、ルイスとルファティナで婚約を結ぶよう準備を始めるとしよう」
国王陛下が満足そうな笑みしながら話している
「ガルシア公爵夫妻、ハントン侯爵夫妻はこの婚約に異議はないかい?」
「ええ、本人達の気持ちが一番大切ですから。ルファティナが望むなら僕達は反対しませんよ」
「ええ、ルイス殿下と幸せになれるなら反対しませんわ」
「私達もアンナがケイン殿下と一緒にこの国を支え国母として役目を果たすことが出来ると覚悟を決めたなら娘を応援するのみです。」
「ええ、私の娘ですもの社交界でも国母としても一目置く存在になれると思いますわ」
両親達がすんなりと婚約を受け入れた
「では、2組の婚約はこれにて決定した。
ケインとアンナはアンナが国立学園卒業後に婚姻を表明する。それまでに花嫁修行として色々と学んで貰う事になるが頑張れるかい?」
「はい!私、学ぶことはどんな事も楽しい事だと思っておりますの。きっと国王陛下、王妃様のご期待に添えることが出来ると思っております。」
「まあ、とても頼もしいわ!!アンナが娘になれば王宮が更に賑やかになるわね」
アンナの言葉に国王陛下と王妃殿下はとても感動していた
「ケインもこの取り決めに異議はないか?」
「はい、アンナ嬢と共に切磋琢磨して頑張っていく所存です。アンナ嬢とならどんなことがあっても乗り切れそうな気がしております。」
ケイン殿下とアンナは覚悟を決めて目が据わっているように思えた
きっと、大丈夫、姉上が悪役令嬢になることはないと思いたい