王女ラピアネの婚約(2)
ーーーーー大人達が昔話に花を咲かせていたーー
「それでは本題に入ろうか。まずラピアネ、君には政略結婚を勧めようとはしていない。だから国同士の繋がりなど考えず自分の幸せを考えられる相手と婚姻決めたらいいと思っている」
「ええ、そう何度も言われていますもの。覚えてますわ」
「それならいい。実は第一王子か第二王子をガルシアかハントンと婚約を結びたいと思っておった」
「それは学生の頃から冗談半分で言っていたよな」
「そうだったね、私も良く覚えているよ」
「あの頃は王子か王女どちらが生まれるかなんて分からなかったからな。うまく組み合わせが出来ると婚約させて絆をもっと強固なものにしたいと思っていた。」
「ああ、そうだな。すでに王家は2人の王子がいて僕にはルファティナがいる」
「そして私にはアンナがいてどちらが王家に嫁いでも恥ずかしくないように教育をさせている」
「2人を王家に嫁がせる事は出来る。ただお互いの相性と言うものがあるから無理強いは出来ない」
「あの、その為に今姉上とアンナは王子殿下とお話ししているのですか?相性を見極めようとしている。」
「その通りだ、ホォルティオ。ガルシア、お前達の息子は聡明で賢いな、とてもじゃないが9歳には見えんな」
「ははは、そうだろう、僕も驚くことが多いよ。勉強熱心で頭が下がる思いだ。有能な後継者いて幸せだよ」
「ほーそれは良いことだ。でだ、王子2人の婚約の話を無視にしても娘のラピアネはホォルティオと婚約したいそうだが。ホォルティオ、実際の所ラピアネとの婚約はどう思っている?」
「僕は…………」チラッとお父様を見る
「素直に思っていることを言ったらいい」
覚悟を決めて頷くと国王陛下に目を合わせる
「僕はラピアネ様との婚約を前向きに考えたいと思っております。一目見て可愛らしい方だなと思いました。お話してみると自分の意思をしっかり持ち自分の意思を示す声を持っている。また突拍子ない事を言い出したりしますがそれも愛嬌があって好感を持ちました。もっとラピアネ様の事を知りたいと思えたのが素直な気持ちです。」
「ほぉー、ラピアネも口が達者だがホォルティオも同じぐらい口が回るようだな。似た者同士かもしれんな」
「ふふふ、それはそうよ、お父様。私が婚約したいと申しましたもの、それなりに私の様に頭の回転が早くないと釣り合いませんわ」
「今のって褒められてるの?」
「ホォルティオ様の事を馬鹿にした覚えはありませんことよ」
「めっちゃ遠回しに言うんだね」
「ホォル、お前には王女殿下ぐらいの賢い女じゃないと一緒にいても詰まらないと思うぞ」
「あら、ライアン様はよく分かってらっしゃるのね」
「俺もホォルと同類なんでね、手に取るように分かるのさ」
「あら、わたくしライアン様と仲良くなれる気がするわ」
「それは光栄預かります。ホォルの従兄ですしホォルの事なら何でもお教え差し上げます。」
「ちょっちょっと、僕の居ないところで変なこと教えないでよ」
「はははは、僕達の子供達は皆仲良くなれそうだな」
「そうだな。
では正式な婚約者として発表するのは王立学園に入学する時とする。それまでは婚約者候補となるが構わないか?ガルシア」
「ああ、大丈夫だよ。きっとあの子達なら上手く行くはずさ。僕と君の子供達だから…」
「ああ、そっと見守って行くとしよう」