表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/8

目が覚めまして

ごめんなさい

今度こそちゃんと異世界にきました(笑)


前までと少し書き方変えました。

ちょっと詰めてます。


ガヤガヤ…ザワザワ…



…うるさい。



「…ったぞ!」「…だ! …をよべ!」



…ちょっと黙ってよ。



「…たぞ! ついに、つい……が…された!」

「……だ。 すばら…!」



いや、ほんと黙って!

眠いから!!



「いや、だが…」

「……そうだ…」

「…ふたり…が…きっと…!」





「…うるっせぇ」


ボソっと呟いた声は、自分でも驚くほど低かった。

むくりと体を起こし、頭いたい、と手を頭部にもっていく…というか、私床で寝てたの?体が痛い。


騒いでいる連中は、黙ることを知らないのか、なおうるさく騒いでいる。まあ、呟く程しか私は声を出していないから、きっと声が届いていなかっただけだろうけど。でも、こいつらならうるさいと言われてもずっと騒いでそうだ。


…とゆうか、ここどこ?

今さらだけどこの人たち誰よ?


痛くて働いていなかった頭が覚め始めると、私は目の前の光景にフリーズしかけた。コスプレイヤーは今まで何回かみてきてるし、私も何回かしたことあるけど…なんだこいつら。クオリティがおかしいわ!


部屋の中にいる50人?近くの人は皆、同じような白いローブを身に纏っていた。ゲームとかの白魔術師のような装いだ。それだけではなく、扉付近には剣を腰に差した男が2人。


…本物じゃないよね?


とにかく、刺繍やら装飾やらが、やたらめったら凝っていた。遠目でそれ程わかるのだ。本当に、どんなクオリティだよ。


しかも、つっこむべきはそこだけではない。目の色や、髪の色まで…なんというか、カラフルだった。今日は何かイベントか?


そして、今私がいるこの部屋。どこの城だよ!?というような造りである。


…細かい。全てにおいて細かい。服も建物も魔方陣も…ん?魔方陣? これあれじゃん!道にあったやつ!

…でも今は光ってないし、なんかチョークみたいなもので描かれたみたいだ。

何がどうなっているんだともう一度部屋をみると。

あ、なんか、そんな離れてない場所にもうひとりいる。私みたいなコが!女子高生らしいコが!!


よかった…! たぶん仲間だ!

そう思ってフラつく体で立ち上がると、今だ座り込んでいる彼女の元へ近づく。


「ねぇ、あなたこr「ようこそ御出(おいで)なさいました! (かみ)の乙女よ!!」


…。


「あぁ、どちらが(しん)の神の乙女ですか!?

 貴女方わかりますか!?

 どちらも本当に神の乙女でありますか!?」


…落ちつけや。

そんな興奮したオッサンに迫られて喜ぶのは1部の人達だけだから。

私はその1部の人達には、はいってないから。


とりあえず、私が彼女に話しかけようとしたところを、

遮ったこの男に不快感を覚えながらも、男のことを無視しなかった私を誰か褒めてほしいわ。


「あの、何のことだかよくわかんないんですけど…

 ここはどこでしょう? あなた達は一体…?」


とにかく、状況把握のために、出来るだけ冷静に返す。

彼女は不安そうに私と男を見上げていた。


「ハっ!!…申し訳ない! 我々としたことが!

 ここはアムネスト王国、ベネスグレド宮殿です!」


「は?」


「ですから、アムネスト王国、ベネスグレド宮殿です!!」


どこですか?


「我々は今日という日を待っていた!

 数百年前に封印された魔王が徐々にその力を取り戻し、

 再びこの地に舞い降りようとしているのです…!

 日に日に強くなる魔力に、皆、怯えている…。

 そこで! あなた方神の乙女に力を貸していただきたいのです!!」


近い近い近い。こんなに興奮ぎみに迫られても気持ち悪いだけだから。

彼女も、引いてるし。


「はい、わかったのでとりあえず離れてください」


「貴女が神の乙女でしたか! わかっていただけましたかっ!!」


「うん。しるか、そんなもん」


満面の笑みで、抱きつかんばかりの勢いで迫ってくる男に、満面の笑みで返す私。瞬間、男の顔だけでなく、部屋の空気まで固まった。


「い、今、(なん)と…?」


「だから、理解できないってことを理解したんだよ」


ねー?と同意を求めるように彼女をみると、彼女はコクコクと首を縦にふる。

うん、これではっきりしたね。彼女も同士だ。

何なんだろうねこの状況。…拉致られた?


「あ、あの、…何をしておいでで?」


「ん? カメラ探し」


拉致かなー?とか思ったけど、こちらに危害は加えないみたいだし、考えられるのは他にはドッキリ番組くらいだ。「もしも、目が覚めたら異世界だったら信じる?信じない?」…みたいな、内容といったところか。


「いやー、悪いですけどさすがにこれはないですよ。引っ掛かりませんって。カメラさんどこにいるんですか?」


「は?…えと、かめ?」


番組撮影ならどこかしらにカメラがあるはずだが、それらしいものはみつからない。


「ずいぶん凝ってるんですねー。セットといい服といい、めちゃくちゃ費用かかったんじゃないですか?」


状況が飲み込めた私は誰よりもはやく立ち直ると、この場を楽しんでいた。

番組のために騙されたフリをしてあげればいいのに?

いや、今を楽しみたいんでそれは他の人でお願いします。私にはいいリアクションはできん。


「すっごい。細かいなぁ。あ、騎士さんもなかなか凄いっ!」


ドッキリだろうが撮影中だろうがもうなんだっていいやと、オタク全開ではしゃぐ私。まわりは少々困惑ぎみだった。すごいね。まだ演技続行するんだ。役者魂はんぱない。まあ、そんなもの、こちらからすれば体験型舞台(そんなのあるのかな? なかったらできればいいのに)みたいでなおさら面白くていいんだけど。

ブクマ登録してくれた方ありがとうございます!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ