たぶん数時間前②
…なぁーんて起こらないよね。知ってる。
ただ、どうしても顔がにやけちゃう。
おおおおおお…、すげぇ。
少し、少しだけどあたたかい気がする…。すごい。
うん。語彙力。
「いったい、どうやってるんだろ」
プロジェクターらしきものは見当たらないが、
さすがにこれが本物の魔法陣とおもうほど、私の脳はオタクじゃない。
いくらなんでも、現実と区別はつけてる…つもりだ。
…もちろん、二次元の世界が好きすぎて、妄想なんて日常茶飯事ですけど!
向こう側に行けたらいいのになんてよく思いますけど!!
「あー…。誰もいないし、いいよね?」
端をちょっとふれる…なんてのでは満足できなくなった頃、
私は立ち上がって魔法陣?に足を踏み入れる。
「おおお、すっご!光が!ほわほわだ!?
やっぱりあったかいよ!?」
きゃっきゃ独りではしゃぐ私は、
傍から見たら少し、…いやかなり危ない子だろう。
だが、そんな事気にしてられない程、感動的だった。
これがドッキリとかモニ○リングとかなら死ねるね。
「はぁ~…ほんっと、すご」
ぺたんと座り込んで方陣の模様をなぞる。
今日ほどうれしくて楽しい日などあっただろうか。
「うん。なんて書いてるかさっぱりだ(笑)」
苦笑しながら、それでもなお模様をさわり続けていると、それは突然起こった。
カッ!!
「うわっ、何!? まぶし……!!」
先ほどまでと比べ物にならない程の光が、
目を開いてられない程の光が、私を襲う――!
魔法陣!光量まちがってるよ…!
さっきぐらいがちょうどいいんだよ…!!
そんな事を思いながら、私は意識を手放した。