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ガチャで俺は最強になる  作者: 青藤清也
第3章 ガチャで俺は最強になれるかも?
62/85

第56話 どうやら俺のガチャスキルは女神にもらったものらしい…

前回のお話が短かった分、本当は本日2つの話を投稿する予定でしたが…都合がより投稿できない...かもです。

※6/22誤字修正しました

 

「居心地がいい...か...」


 アビスの言った言葉を俺は改めて呟く。呟きはしたが声の大きさに気をつけていたわけではなかったので、その俺の呟きにアビスは気付く。


「む?何かおかしかったか??」


 アビスはそう言いながらコチラを見る。その表情は疑問を浮かべつつもどこか不満そうだ。

 俺の呟きをアビスは馬鹿にされた...とまではいかないが少し不服がある...という程度には捉えたのかもしれない。

 俺としては全くそんな意図はないので苦笑しながら「ちがうちがう」とアビスの予想する問いを否定する。


「いや、なんか嬉しくてさ...その...ありがとな」


 こういうストレートな感謝を述べるのはやはり恥ずかしい。頬をポリポリとかきながら俺はアビスに感謝の言葉を告げる。


 あまりこういうことは考えないし、口にも決して出さないようにしているのだが…俺はまだ17歳である。

 異世界冒険生活。望んではいたし憧れもしていた...だからこの世界に来ること...来れたことに不満はない。

 ()にかけたこともあった。悲しく苦しく、現実の不条理さに胸を締めつけられた。

 これが世界の選択なのか?と今までの俺の行動を全て否定したくなった。

 どうしてこうなったんだ?と物語の悲劇のヒーローの役を演じてみせた。

 神様なんていないんだなと神様なんてクソみたいな存在だなと...アビスを心の底から恨んで、全力でアビスに挑んだりもしたし、結果的にその行動が今に繋がる良いものとなった。


 だからだろうか…この世界に来てから半年ほど経ち、守りたいものや大切な存在が増えた。それらと共有する時間は幸せと感じるには十分すぎるものとなった。

 その時間をその場所をアビスが居心地が良いと言ってくれたことが...俺の行動を認めてもらえたように思えてしまったのだ。


「う、うむ...礼を言われるならば受け取っておくとしよう…」


 アビスの顔は先ほどと違う恥ずかしさで赤く染まっていた。





「モグモグ...それで...ピュアはずっとここに居るのか?」


 テーブルに並べられていた料理を食べお酒等を飲みながら俺達は会話をしており、そんな中アビスがピュアに質問する。


「もぐもぐ...勇者召喚に興味があるから、ウェルナが学園に戻るとき一緒について行こうと思ってる」


 ...女神ってのは...こうも食い意地があるものなのか?せめて口の中にあるものをなくしてから会話できないのだろうか...?


「「??」」


 俺が冷めたような視線をおくっても2人の女神はその意図に気付かずキョトンとした顔をしているだけだ。

 アビスはともかく俺の考えがわかるピュアに関しては...俺の考えを理解して、理解したうえでキョトンとした顔をしだした...なので俺も気にしないことにした。

 別に見てて不快に思うわけではないし…俺が心配したのは世間体を重んじてのことなので...俺達しかいない現状は気にすることではないのだ。


「何でもない。それよりも大丈夫なのか?女神ってのがそんなに自由で」


 様々な人々のいる下の会場にいないことから考えてもピュアが重鎮というか特別な存在という認識がされてることに違いはないだろう。


「確かに存在がバレれば大事ではあるな…女神がこの世界にいることはそれなりに珍しいことだからな...毎年現れるの 恋愛のハートや戦争のバトルくらいだ。ラックは1度しか現れたことがないしな…」


 アビスは口と手を動かしながらもそう教えてくれる。


「へぇー...1度しか現れてないんだったら…その女神を見れたやつはラッキーだな」

「「えっ?」」


 俺がそう言うと2人の女神から驚いた顔をされる。


「いや、センヤ...お前ラックに会ってるぞ?お前の【不明不定箱(ガチャガチャ)】はラックに与えられたものだ」


 ...は?


 アビスは驚いた顔のままそう告げ、そのアビスの言葉にコクコクとピュアも頷く...って!


「いやいや!俺そんな女神みたいなやつと出会った記憶なんてないんだけど!?気付いたらこの世界にいたんだけどっ!?」


 俺は慌ててアビス達にそう言う。マジで分からんそんなヤツ。


「それは恐らく固有スキルを与えられた際に記憶を変えられてる...ラックなら十分ありえる」


 俺の言葉に対してピュアがそう教えてくれる。


「記憶を変え...まじか...」

「まじ」


 ...さすがは女神、記憶操作とか...なんでもありだな...


「ん?てことは固有スキルって女神達が与えているのか??」


「与えているのもあるし、元々持っている場合もある。オリジナルの固有スキルなんかはだいたい生まれた時に持ってるな」

「うん。例えば...この国の現ギルドマスターには私が固有スキルを与えたもの」


 スキルの性質が似ていると思ったが…それはオルドリックの固有スキルがピュアによって与えられたものだからだったのか…


「その固有スキルを与えるのはどういう時に与えるんだ?」

「それは...神の気まぐれってやつだな…」


 アビスが目を閉じてドヤ顔気味でそう言う。その決まった...みたいな雰囲気と表情にイラッときたのでアビスの食べていた肉をフォークでぶっ刺して口に運ぶ...うん、まことに美味である。


「む...ああっ!!我の供物がっ!?」

「ごちそうさまでした」

「セ、センヤ...き、きさま...」


 アビスはフルフルと震えながら涙目でコチラを見てくる。泣くほどとは思っていなかったのと、俺の保身の為に【次元倉庫】から手作りプリンを取り出す。

 そのプリンをアビスが見てパァーっと一気に表情を明るくさせる。


「いただきます」


 なので俺はそのプリンをアビスの目の前で頬張る。


 うんうん...材料等の違いにより地球のプリンと比べて味は劣るが...それでも美味しいものだと我ながら思う。


「センヤ...アビスが死にそうな顔をしてる」


 ピュアにそう言われてアビスの方に視線を送ると...そこにはテーブルに突っ伏してまるでどこかのジョーのように真っ白に燃え尽きているアビスの姿があった。


 や、やりすぎたかもしれない...


「ほら...食っていいぞ」


 俺は再び【次元倉庫】を使いプリンを2つ取り出すとアビスの前に置いてやる。


「セ、センヤァ…」


 アビスはガバッと起き上がると涙目になりながらもプリンを食べ始める。というか泣いてしまったので頭を撫でて慰める。慰めながらもちゃんと謝ることも忘れてはいない。


「私の知らないアビス...これは興味深い...」


 そんな光景をピュアは興味津々といった様子で観察している。


 ちなみにアビスはプリン2つを食べ終わるといつも通りのアビスへと戻っていた。


タイトル通りの新たに知ったセンヤの固有スキルの事実やアビスダンジョンでの出来事を(ほの)めかすようなシーンがありますが…

アビスとセンヤが軽く...?イチャつくお話である...

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