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ガチャで俺は最強になる  作者: 青藤清也
第3章 ガチャで俺は最強になれるかも?
59/85

第53話 思ったりも上手くいきすぎた...

フリースロー対決!といっても勝つやつは決まってるので内容は大分カット!!!


「よし!入れ!」


男が放ったボールは綺麗なアーチで入りそうな雰囲気を醸し出すが...


「くそ!惜しい!」


リングの端に当たり弾かれてしまう。


「はい。それではコモノン様の記録は7点です...それでは次は...マティヌス様、お願いします」


「フッ...悪いが少年、この勝負勝たせてもらうよ」


最後の挑戦者は何と俺にバスケの説明をしてくれた上で俺を無理矢理参加させるというありがた迷惑なことをしてくれた男性だった。


「自信があるんですか?」

「ハハッ...実は私はバスケットが大好きでね自宅に専用のコートとチームも作っているのだよ!」


えっ?ええぇぇぇチームあるのっ!?ってそこまで浸透してるのバスケって!?


「え、チームあるんですか?」

「どうやら今のところこの国には7つのチームがあるらしいですわ!勇者様の国や他の国を見習って、もう少しで一般の方々も観戦できる専用のコートもできるらしいですわ!」


俺の質問にマティヌスではなくウェルナが代わりに答えてくれる。


マジかよ...異世界順応すぎぃ...。


「フフ...まぁ、私の実力を見るといい...」


そう言ってウェルナの合図のもと、マティヌスさんはシュートを放っていく...




「マティヌス様の記録は14点です!すごいです!最高記録です!」


ウェルナの解説とともに周囲の人々からは歓声が湧き上がる。今までは9点が最高だったのでこの記録のすごさがわかったのだろう。

しかも、マティヌスはスリーポイントラインなどからの挑戦をせず堅実にフリースローラインからシュートを打ち続け10本中7本という高確率での成績だったのだから尚更である。

ルア達...特にレオナとルカとアビスとアロエは思いっきり心配そうな表情でコチラを見ている。


「フフ...どうだね少年?」


マティヌスはシュートを打つために脱いでいた薄紫色の上着を着ながらそう俺に聞いてくる。


「いやぁ...すごいですね…」


俺がそう言うとマティヌスは、そうだろうそうだろうと満足そうな顔をする。


確かにすごいけど…ルールが悪かったと思うし…それよりもすごい奴らって実はもっといるんだわ…


日本のプロ選手や本場アメリカのプロであるNBA選手などの海外選手などゴロゴロいるレベルなのである。


だからこそ俺はマティヌスに言う...


「すごいですけど…勝つのは俺です」


俺はそう言うとフリースローラインへと移動する。


俺がフリースローラインに着くと先ほどまでの歓声が消え静寂な空間へと切り替わる。


「そ、それでは...センヤルド様の挑戦です!」


その先ほどまでとは違う雰囲気に呑まれながらもウェルナの様付けによる丁寧な紹介をされスタートとなる。


「よし...」


俺はドリブルをつきながらフリースローラインから離れスリーポイントラインよりも1m後方...俗に言うNBAラインというNBA選手の試合用のスリーポイントラインがある辺りまで移動しシュートを放ち、俺が放ったシュートは綺麗なアーチを描きリングへと吸い込まれた


「「「え...えぇぇぇぇ!!!」」」


これには周囲の観戦者も驚くが...


悪いけどこれで終わりじゃないんだよね…


2本、3本と同じ位置から放たれた俺のシュートはリングへと吸い込まれていき...


「すごすぎますわ…...」


俺の放った4投目のシュートもリングの網をくぐり抜け...16点目となり勝ちを確定させた俺はルア達に向かってサムズアップしようとするが…


「レオナって!うぉっ!!」


コチラに向かって飛びついてくるレオナとルカのせいでそれは阻まれることとなった。





「すごすぎますわっ!!」


大歓声中レオナ達に賞賛とともにサークルハグを受けた俺の元にこれまた興奮した様子のウェルナがやって来る。


「ハハ...ありがとう...自分でも上手く行き過ぎだけどね?」


正直な話をすると実はスリーポイントラインは数年前にから新しくなり50cm遠くなったのだが…このスリーポイントラインは旧タイプのものだったのだ。

そしてスリーポイントは線を踏んでしまうと3点ではなく2点の扱いとなってしまう為、練習等においても少し離れたところから打つのが基本となってしまうのである。

そして50cmなのだが…数字だけ言われると1mの半分なので結構距離があるように思われがちなのだが…実はだいたい右足と左足を縦に並べた距離ほどしかないのである。

つまり、俺がバスケをする際にスリーポイントを打っている位置より足一つ分ほどしか後ろに下がっていないのである。

そして何より俺には上級の【投擲】スキルがあるので...


つまるところ、ほぼほぼ外すことはないのであるっ!!


ハッハッハ...いや大勝利だね...うん本当に出来すぎてる.....


「き、貴様!ズルをしたなっ!!」


案の定というか貴族の1人にそう言われてしまう。そしてその言葉を皮切りに他の貴族も「そうだそうだ」「こんなのはおかしい」と援護をするように同調し始める。


「ズルですか?ええっと...ちなみにどのような方法でしょうか?この勝負だとズルのしょうがないと思うのですが…?」


俺もこの勝負ならズルだとかイカサマだとか言われないと思ってこの形式にしている。なので純粋その方法が気になり聞いてみたのだが…


「そ、それは分からんが...私達に分からない方法を使ったんだろっ!とぼけてもムダだっ!!」


やべぇよ…コイツらやべぇよ…


貴族達からの返答に俺が困惑していると唯一俺に対し何も言わなかったマティヌスが貴族達を制するように手を出す。


「皆さん、あらぬ疑いをかけるのは貴族としての器が知れますよ?それにこの少年はズルなどしていない。少年が言ったようにズルのしようがないのもありますが…私には少年がズルをしていないと分かりますよ」

「なっ、何ですと!?マティヌス殿、それはどうしてですかな?」


貴族の男性がマティヌスに対しそう聞いてくるがマティヌスは表情を変えることなく口を開く。


「それは少年のシュートの投げ方ですよ。私達のように両手ではなく片手だったでしょう?あれは異世界から来た勇者様の投げ方と同じなんです」


あっ...そういえば確かに他の人達は皆、両手投げだったな。いつもの癖でシュートフォームなんて気にしてなかった...


「それに...ハズレのくじを引く確率の方が高い、それがわかっているからこそ参戦したのでしょう?約束を破る貴族は周りの人からの信頼を失うだけですよ」


その一言がトドメとなり文句を言っていた男性達はしぶしぶとクジを引くことを承諾する。

その後、また不正云々に関して何か言われないようにその男性達に紙を使ってクジを作成してもらい、その内の7枚に1~7の番号を書いてもらう。こうすることにより、1番のクジが引けた場合はこうしてもらう、2番のクジならこうしてもらうといったようにその番号に応じたお願いを叶えてもらうようにしたのだ。

あとは俺がそれぞれの番号にお願いごとを書くだけで準備万端ということになる。といってもお願いごとは既に決まっているのでクジを待つだけだ。


「...よし、できたぞ。さぁ、この中から選ぶが良い」


緊張した顔でそう口にする言葉に頷き、並べられている紙のクジを見渡す。


「それでは得点が高い人からということだったので...まずはマティヌスさんの分から引きます」


俺はそう言い1枚の紙を掴み取る。そして折りたたまれている中を開くとそこには『 』番号が書かれておらず空白だった。つまりはハズレということだ。


「ほっ...」


そのクジの結果を見てマティヌスさんは胸をなで下ろす。


良かった...正直、あれだけ俺の擁護をしてくれたマティヌスさんにはお願いごとをしたくなかったので、ここは()()りにいって本当に良かった。


さて...本番はここからだ。今のクジの結果で随分と安堵して楽観的な心境にいるみたいだが...悪いが(悪いとは思っていない)ここからは全力だ!


「2人目、3人目、4人目、5人目、6人目、7人目」


俺はそう言いながら次々とクジを選んでいき、合計6つのクジを選び終える。

1枚目と違い連続してクジを選択したことに男性達は驚くが、結局時間をかけてクジを引こうが遅い時間をかけてクジを引こうが結果は変わらないことに気づき、すぐにまた余裕のある表情へと変わる。


だが俺はその余裕のある表情を覆すかのように次々と選んだクジを開いていき...



『2』『5』『4』『6』『7』『1』


と全て数字の書かれたアタリのくじを引き当ててみせたのだった。



五分の一など、たかだか20%の確率...この男には関係ないのだよ!

いやホント、このくらいの運が欲しいよ。

宝くじとか当てたいよ…

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