第51話 美味しいお肉をいただきました
第3章スタートでございます!
一応、本日2度目の投稿となっております。
まぁ、ステータスが記載されただけのものですが興味があればそちらの方もご覧になってみてください(笑)
3章はのんびりまったりといけ...るかなぁ…?
騒がしい声がする中、それでも馬車は必要以上に止まることなく進んでいき目的地である王城前へと辿り着いた。
道路に制限をかけ王城へと続くメインストリートを歩行以外厳禁とし、それに近い大きい道、数ヶを馬車用の道とすることで混雑や渋滞を避けることができたのだ。
「いらっしゃいませ、発行書を拝見させて頂けますか?」
馬車から降りるとすぐに複数の兵士が俺達の元にやってくるなりそう聞いてきたので、俺達は事前に渡されたSとスタンプの押された発行書を兵士に見せる。
俺達、男メンツには兵士1人に対して女性陣にはなぜか6人ほど兵士がいる。俺達の方を担当した兵士も若干不満気な表情をしている。
「はい、確認しました。それではパーティをお楽しみくださいませ!」
俺達の元にいた兵士は発行書を確認しそう言うと直ぐに女性陣の元へと走っていく。
いや、俺達の後ろにも馬車が来てるんだからそっちに行けよ...
「おーい、いくぞー」
必要以上に足止めをくらい、ルアがそろそろ怒りそうだったのでそう言葉をかけると女性陣がそれに気づきコチラにやって来る。
兵士達から嫉妬というか羨望というか...まぁ何とも言えない視線を浴びつつ城の敷地内へと入場する。
発行書にはランクがありSS、S、A、B、C、なし、となっている。SSなら2階も含め基本的にどこでも、Sなら1階のどこでも、Aは城内1階広場まで、Bは城外の敷地内の広場まで、Cは敷地内の外の広場まで、発行書がないものはメインストリートなどの城下町などで騒ぐわけだ。
Cら辺からもうパーティというよりも宴のようなものなので正直そっちの方が楽しそうではある。
敷地内に入り、城へと続く道を歩いていると先程よりも美味しそうな香りが漂ってくる。
「いい匂いがするー」
「とても美味しそうですね」
「クク、今宵の我の供物は肉となりそうだ」
今日のアビスは肉が食いたいのか…だったらそうだな…あの肉料理なんか美味しそうだし後で食べてみるか…
と皆と会話をしたりしながら歩みを進め城の中へと足を踏み入れると目的の人物はすぐに見つけることが出来た。というよりも向こうも俺達の存在に気づくと話していた周りの人達に断りを入れてコチラに向かってくる。
「センヤ!よく来てくれたっ!前日は感謝の言葉も述べず申し訳なかった」
「本当にすまないかった」
「い、いえ、コチラに用事があっての事でしたから...そんな風に言わないでください。あと、本日はパーティにお招きいただきありがとうございます」
やって来たのはノルディンとセグルスだ。2人は俺の元へとくるなり謝罪をしてきたのだが、俺が2人を待たずして帰ったのだから感謝はともかく謝罪されるのはおかしいと思うので、2人にそう伝えるとともに今回のパーティの招待について礼を述べる。俺が礼を述べると他の皆も「ありがとうございます」と頭を下げ礼を言う。
すると2人とも謝罪のことを納得してくれてウェルナを救ったことに対する感謝の言葉を伝えてくれたのでコチラは素直に「どういたしまして」と肯定の言葉で対応する。
「それでは...改めてよく来てくれた!是非ともパーティを楽しんでいってくれっ!!」
その後幾つかの言葉を交わし最終的にノルディンもセグルスも納得してくれることとなり俺達のことを歓迎してくれた。
...そう歓迎してくれたのはいいのだが….....
辺りを見渡すとコチラを見ている複数の視線があるのだ。それもそうだろう、何せ旧国王と新国王の2人が20歳にも満たない、子どもと言われても仕方のない若僧相手に懸命に謝罪や感謝の言葉を述べていたのだ。
興味が湧かないわけがないよな…
まぁ、幸いだったのは王としての立場はやはり色々と難しいらしく2人とも先ほど話していたお偉いさんオーラが感じられる人達の元へと行ってくれたことだろう。
「よし、こっからは自由行動だ。だけど節度はちゃんと守るように...って言わなくてもわかるか?まぁ、せっかくのパーティだから楽しんでくれ」
とまぁ、こっから動かないわけにも行かないので皆にそう伝える。すると皆も散り散りに様々な方へ歩み始めた。
他の皆が離れていきこの場に残っているのはウニとクロコの2人である。
「あれ?お前らはいいのか?気になる料理とかなかったのか??」
「私はセンヤ様とパーティを楽しみたいと思っていましたので」
「私もそんな感じかなー?」
いや、なんで若干疑問なんだよ...
クロコは基本的に少し怠そうな顔をしており、話し方も間延びしたような感じなのでどうしても、お前はめんどくさいだけだろ?といった思考が頭を過ぎる...というか実際めんどくさがり屋な性格のため、俺の元に残っていたとしても特に疑問に思うことはない。ウニは言わずもがなである。
「じゃあ、とりあえずこの好奇な視線から解放されたいから外行くか」
2人にそう告げ俺達は外へと移動する。改めて見ると広い敷地の至る所に美味しそうな料理があり、どこに行こうか目移してしまう。
「2人とも何か食べたいものとかあるか?」
「そうですね…美味しそうな料理が一杯あって迷ってしまいますね…」
「肉食べたい」
ウニは俺と同じで目移りしていて、クロコは肉が食べたいと...あ、じゃあさっきの料理のところに行ってみるか。
「それじゃあさっき気になる肉料理があったからそこに行ってみるか?」
「...(コクリ)」
クロコは頷いて肯定の意を示す。それを確認した俺は念のためウニにも聞いて了承をもらい、2人からの同意を得られたのでその場所へと移動する。
「うまっ!何これ美味い!?」
「これは...美味しいですね」
「美味い...」
鑑定で調べたところレイクピッグという名の魔物の肉らしいが...噛めば噛むほど味が広がっていき、the肉!みたいな硬すぎなくちょうどいい硬さがとても良い。また、かけられているソースがこの肉の良さを格段に上げており...間違いなく今まで食べた肉料理で一番美味しいと胸を張って言えるレベルである。
「.....ウニ、これ家でも作れそうか...?」
ウニは特級の【料理】スキルを持っており、俺が習得した上級料理よりも高い性能を発揮出来るのだ。
「どうでしょう...近いものなら作れると思いますが…全く同じ物となると1度作り方を拝見する必要があると思います」
「!?...ウニ、作り方を聞きに行こうっ!」
ウニの返答を聞くとバッ!と椅子から立ち上がりクロコはそう言う。そのクロコの目はまさに真剣そのもので、逆に言ってしまえばクロコがこれほど真剣になるということはそれほどのことであるということでもある。
俺と同じくクロコもこの料理を相当気に入ったらしい。というかクロコはやる時はやるタイプなので、常にとは言わないが少しでもそのやる気を発揮して欲しい...
まぁ、可愛いからいいけど.....
結局、ウニはクロコに連れられ...この料理を作った今も料理をしていたシェフの所に赴き料理をする肯定を見学することになり、他にも美味しそうな料理を作っていた他の料理人さん達の料理も見学するハメになるのだが...笑顔だったし楽しそうにしていたので大丈夫だろう。
えっ俺?俺は料理の見学を取り付けたところで2人と別れさせてもらったよ。ウニが見学するならウニからレシピを聞けばいいし、どんな感じか見てみたかったしね。
鰐「!?ウニ!!あれも美味しそうっ!」
雲丹「わかりました!あちらの料理も覚えておきます!」
鰐「ウニ!あれも美味しそうっ!!」
雲丹「はい、あちらの料理ですね!」
鰐「ウニ!あれも!!」
雲丹「はい、任せてください!」
鰐「ウニ!あれも...」
...以降このやり取りがしばらく続いたらしいが…ウニは嫌な顔1つせず、嬉嬉として料理の見学をしていたそうだ...




