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ガチャで俺は最強になる  作者: 青藤清也
第1章 ガチャで俺は最強になる?
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第4話 外伝 魔導の吸血鬼 レオナ

外伝です…外伝は今後も間間でやる予定です。

 私はレオナ、魔導の吸血鬼と呼ばれる天才だ。


 そんな私にこの日、ある変化が訪れる。


 光が満ちていくのを感じた…。


 初めてのことのはずなのにその光に対して疑念や不安はなかった…。


 何故なら、知らないはずのことを私は知っていたからだ…。その光が外に繋がる光だと…希望に繋がる架け橋になるんだと…


だから…その光が私を満たしていくことに何の抵抗もなかった…。


 これで…私の憧れていた外の世界に行けるのだから…。


「おお!外の世界だぁ!!」


 余りに嬉しくて素直な感想を述べる。


 周りを見るとアースウルフと青いゴーレム。後は海神の巫女と呼ばれるルアとサポートキャラクターのウニ、そして…私のことを外の世界に連れ出してくれた男の子がいる…ルアもウニも初めて会うはずなのに何て呼ばれているのかもわかるし名前もわかる…。

 それに…この男の子だって知らないし確証もないんだけど、私を召喚してくれた人だって何故かわかる…。


 だから、私のことを召喚してくれた人に礼を言わなくちゃ!


「どーも!アナタが外に出してくれたんだよね?私の名前はレオナだよ!よろしくね!」


 私が挨拶すると、男の子も挨拶を返してくれて名前を教えてくれる…どうやらカトウ センヤっていうみたい…。

 え?呼び方?どーしよ…普通はカトウって呼ぶんだろうけど…カトウって呼びたくないなぁ…よし!センヤでもいいっているからセンヤって呼ぼう!


「センヤだね、わかったよ!」


 あれだよ?名前で呼ぶのは恋愛的な変な意味じゃないよ?確かにセンヤは同い年くらいの男の子に見えるけど…

 そ、そんなことよりアースウルフ!あれも召喚されてる魔物だよね…ってことは襲ってきたりしないよね?あの毛並みはモフモフして気持ちいいはず!確かめないと!


 私はアースウルフが同じように召喚された存在だと気づくと毛並みの感触を確かめずにはいられなく、モフりにいってしまう。もう、私の頭の中に先ほどまで考えていたことは無くなっていた…。


 私がアースウルフでモフっているとセンヤがブツブツ言っているのが聞こえる。どーやら、ルアの胸を微妙扱いしてるみたい…。

 あっ、ルアが水魔法の『ウォーターボール』をセンヤに当てた!


まぁ、センヤの自業自得だから仕方ないね…。


 やっぱ、そーゆーことは考えても口に出すべきじゃないと思うなー。男の人が女の子の体に興味を持つのは仕方ないと思うけどー。私だって…男の子の体に興味がないわけじゃないし、その気持ちもわかるけど…って違うよ!!そうじゃないんだよ!要はあれだよ…えーと…そう!女の子は自分の体型を気にする人もいるんだから!だからルアも怒るんだよ…って!?

 

ルア!?なんで、センヤに胸を揉ませてるの!!?恥ずかしくないの!?


 私は見てるだけで恥ずかしくなってきて顔を赤らめてしまう…。


 あっ、ルアが手を離した…。顔が真っ赤になっているってことはやっぱ恥ずかしかったんだね…。

 センヤにどうだったか聞いている…。センヤはすごく真剣な表情で考えている。何て答えるんだろう…


 私もセンヤの感想が気になってしまい、彼のことを凝視してしまう…。


 センヤが空を見ながら感想を述べ始める。


 やっぱり?何だろう…続きは?


 って微妙なの!?さんざん考えた結果の答えがそれなの!?ほら、ルアが雷魔法を発動させてるよ!!?


 雷魔法を受けたセンヤが気絶する…。


 しかも、さらにルアは攻撃を続けようとする…。そ、それはさすがにやりすぎなんじゃ?


「ルア様…さらに攻撃するのはやりすぎなんじゃありませんか…?」

「私もそー思うなー。」

「ウニ、レオナ。これは仕方がないことなの…。コイツの罪は重いわ。」


 そう言ってルアは攻撃し始める。そして…


「ふぅ…」


 気が済んだのかルアは息を吐き攻撃をやめた。


「ルア様…センヤ様の眼鏡が壊れてます…。」


 センヤから眼鏡を外したウニがルアの方に見せながら呟く。


 ほんとだ…ボロボロになってる…。


 ルアは明らかに焦ったような顔をしながからウニから眼鏡を受け取る。


「ウニ…レオナ…このことはセンヤに秘密にしてくれない?」


 ルアは困ったように私とウニにお願いしてくる…私もウニもそれに対して苦笑いで返すしかなかった…。



 それからセンヤが気絶している間に少しでも移動しようとウニが提案し、誰も意を唱える者がいなかったため移動することになった。


 アースウルフのハチコウの背中に仰向けでセンヤを寝かせ、私は眺めが良さそうなのでマリンゴーレムのユーガの肩に肩車スタイルで乗る。センヤのバッグを持ったウニがユーガの腕に、ルアがもう片方の腕に乗る。


 この時、アースウルフはハチコウ、青いゴーレムはマリンゴーレムのユーガだということをウニが教えてくれた。


 移動中、ふとセンヤのことを考える。


 センヤが気絶したのはセンヤがルアの胸を微妙と言ったからだ…でも、センヤは悩んだのだろう…。ルアに嘘をつくこと、ルアの答えをはぐらかすこと…ルアが怒らない選択肢も考えたはずだ…だからこそあれだけの時間、真剣に考えていたのだろう。

 でも、センヤが出した答えはルアを怒らせるものだった…。多分、考え抜いた結果…正直な感想を述べたのだ。それが一番だとセンヤは思ったからだ。


 私はそこまで考えて改めてセンヤを見る。普通に気絶している…


 だからこそ思う…センヤはバカ。正直者のバカなんだと私は思う。

 でも、私のセンヤに対する好感度は少し上がっていた。何故なら彼は自分が痛い思いをするとわかってて嘘をつかない選択をしたのだから…。

 彼はきっと嘘をつかない。そう思うと安心できることに私は気づいてしまっていた…。


 でも…恋人としてはちょっとなぁ…。


 私も16歳の女の子だ。将来の相手について思いを巡らせることもある。当然、理想の男性というのもある。


 白馬に乗った王子様。とまでは言わないけれど…それでも、私がピンチなとき、困っているときに助けてくれる英雄なような人と結ばれたいと思っている。


 でも、センヤはそれに結びつかない…。


 自分に正直なところは評価できるし、彼の言ったようにこれからの仲間という点では問題ないだろう。少なくとも私は良好な関係を築けると思っている。だが…


 胸について語る、正直すぎる点はちょっと私には合わないかなー。


 それでも…センヤは仲間という意味では本当に良いと思う。先ほど述べた点も言い方を変えればおもしろいとも言える。初対面の女性、しかもこれからの仲間という相手の胸をあれだけ語れるセンヤはおもしろいと思う。

 正直バカで、胸が好きなおもしろい奴…きっとセンヤとの冒険は外の世界に憧れていた私を楽しませてくれるだろう…そうして冒険が終わり身を固めて、久しぶりに会った時でも楽しく笑い合うことができるだろう…生まれてくる子ども達にも楽しい冒険譚を話せるだろう。そうして、いつか子ども達に紹介するのだ…


 この人が私をこの世界に導いてくれた、正直もののバカだけどおもしろい奴なのだと…楽しく冒険できたのはこのバカもいたおかげなのだと…笑いながら子ども達に話すのだ…


 だからこそ…


「おお!センヤが目覚めた!」


 この先の冒険に思いを馳せるのだ。



 この時の私はセンヤのことを理解したつもりでいた。


 センヤは眼鏡を壊したルアを怒らなかったのだ…。てっきり暴力でも振るうと思っていた。そう思わせるほど、こちらに歩み寄ってくるセンヤは雰囲気があったのだ…。それこそ私とウニは無実でルアの仕業だと直ぐに証明するほどに…。


 でも、彼は…俺も悪かったとこれから仲間だからとルアの頭を撫でながら許したのだ。


 それからセンヤはバッグから新しい眼鏡をかけたが、予備の眼鏡があったから許した訳ではない気がする…。


 そして…会話の中でセンヤは途中から目線をある場所で止めたまま会話を続ける。ルアの胸だ…。


 あれ、絶対ルアの胸について考えてるなー。


 案の定、ルアに気付かれ攻撃される。


 センヤが口に出してないのに!?と驚いてるが…


「ガン見だったねー…」


 うん、口には出してなかったけどガン見だったからねー。あれは気付かれるよー…。


 ホントに正直なんだからー。


 そう思いながらも私は笑っていた。


 その後、移動を開始して少し時間が経ったとき…センヤがスライムを見つけたらしい…。


 私の位置が一番眺めがいい筈なのに…岩しか見えない。


 どうやらセンヤのスキルで発見したらしい。


 この時、私はセンヤのスキルよりもスライムと早く遭遇したくて内心すごくソワソワしていた…。

 

 岩を通り過ぎると本当にスライムがいた…。緑色のスライム系統の中でも最弱のそのままスライムと呼ばれる魔物だ…。


 私はセンヤにスライムであること、弱いことを教える。


 するとセンヤを「一狩り行こうぜ!」と私達に伝え走り出すてしまう…。


 一狩り行こうぜ!ってことは…


 一撃で倒せる魔法・・・・・・・・を使って良いってことだよね!?


 私は魔法の準備を始める…。ルアとウニも魔法の準備を始める。私はルアとウニの魔法のオーラを見て、どの程度の魔法か検討をつける。


 確かにスライム程度ならそのくらいの魔法でも倒せるねー。でも…


 私はもっと強い魔法を魔物相手に試してみたいんだよ!!


「いくよー!サンダーボルト!」


 強力な雷魔法をスライム達に浴びせる。そこにはクレーターができており、当然スライムの姿はなかった。


 センヤが俺の倒すスライムがいないと言ってくるが…


「私の魔法は強力だからねー。当然だよ!」


 私は胸を張って答える。ただのスライム風情が耐えれられる筈なんてないのに…何を今更なことをセンヤは聞いているのだろう?センヤの想像していたスライムはもっと強かったのかな?…えっ?レベルが上がったかって?スライム数体じゃ上がらないよー。


 その後センヤの話を聞いてみると…どうやら一狩り行こうぜ!っていうのは一緒に狩るって意味らしい…。

 なのにセンヤが倒す分のスライムがいなかったと…。


 ああーそれは悪いことをしちゃったねー。


 センヤも意味を説明しなかった俺が悪いと言ってる。


 ごめんねー次からは気をつけるよー…え?それはそうとして私の魔法が強すぎるって?それは強い魔法を使ったもん当然だよ…使いどころを考えろって?うー、わかったよー…


「次からは気をつけるよー。じゃあ私はドロップアイテムの確認してくるから。」


 私はセンヤの言葉を遮りスライムのドロップアイテムがないか確認しに行く。


 これ以上、説教はごめんだよー。それに倒せたんだからいいと思うんだけどなー。


 私はそんなことを考えながらクレーターの前にたどり着く。


 うーん…ちょっと深くて見えにくいなー。これは近づかないと…えい!


 私はクレーターの中心に向かって飛び降りる。


 だが、私が着地したとき足場が崩れる…


「キャ!」


 私はとっさのことにビックリする。そして…


「キャアアアアア!!!!」

「レオナ!!!!」


 足元から伝わる浮遊感に悲鳴を上げられずにいられない。センヤが崖上から手を伸ばしてくれるけど届かない…。




 あっ、私…死ぬんだ…。




 その時、私は走馬灯のように色々なことを思い出す。

 一番、鮮明に思い出したのはセンヤが気絶していた時のこと…これからの楽しい冒険とその冒険譚を子ども達に語る明るい未来のこと…きっとその子ども達は私が好きになったステキな旦那さんの子どもで…私が楽しく笑える生活を送ってくれて…きっと困ってるときも優しく手を差し伸べてくれて…ピンチなときだって…私のことを助けてくれる…ハズだったのになぁ…。


 涙で視界がぼやける…私の人生は…始まった筈の人生は…こんなに短かったのかと…こんな簡単に終わってしまうものなのかと…涙を流しながら思う。


 あぁ、だからセンヤは私に使いどころを考えろって言ってくれたのかな?私があんな強力な魔法を使わなければ…こんなことにはならなかったもんね…



 ごめんね…センヤ…。



 と…死を覚悟した時、私の名を呼ぶ声が聞こえる。


「レオナアアアアア!!!!」


 そこには私に向かって腕を伸ばすセンヤの姿があった…


 !?!?!?!?!?


 私は色々な感情が混ざり合い過ぎて何も言葉を出せない…頭の中がぐちゃぐちゃで何を考えればいいかわからない…


 センヤは私を掴むと空中で鞭みたいなものを出現させ崖上に投げる。それをハチコウが加えるが…

 踏ん張りきれずに空中に投げ出されてしまう。


 でもその時、空中に浮かんだハチコウをユーガが捕まえてくれる…。


 そうすることで何とか私は助かったのだと理解した…嬉しいのか怖かったのか涙が止まらず、センヤの体に顔を預けて泣いてしまう。


 徐々に体が上がっていくのを感じる…おそらくユーガが鞭を引っ張ってくれているのだろう…。そう考えられた頃には頭の中は安定していた。


 私は顔を上げてセンヤの顔を見る。


 センヤは上を見ながらも何とか助かった…とわかるような安堵の表情をしている…。


 その表情を見た時、私はセンヤに助けられこと、命を救われたことを実感する。


 その瞬間、私は…


 先ほど考えた明るい未来の話…


 生まれてくる子ども達に笑いながら冒険譚を話す私と…


 一緒に笑いながら話してくれる…


 夫のセンヤの姿を想像してしまった…。


というわけでセンヤラブなキャラが誕生しました!5話を書くのが楽しみです。

正直、こんな外伝書く暇あるなら続きを書けと思われた方がいましたら申し訳ございません…

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