第38話 ヒーラーをください?今なら他に有能キャラ2つもお付けしますよ♪
ついにヒーラーがセンヤの元に!?
「すごーい!正直ちょっと引くぐらいすごいよセンヤ!」
俺の説明を受け真っ先にそう感想を述べるレオナ。
「引くなよ、俺だって引いてないんだから…」
レオナに対して俺は言う。つーか、引いてないってなんだよ…生まれて初めて使ったわ。これ正式な言葉として成り立ってねぇだろ絶対…
「ハハッ、チーター人生は辛いねセンヤ」
そしてそんな俺に対し実に爽やかな笑顔でジークは言う。隠す気のないその表情からは状況を楽しんでますと惜しげもなく語られている。
アイツには後でグーチョップの刑だな…
「まぁいい…それじゃあ残りのカプセルも開けるぞ」
俺はテーブルの上に置かれた残り2つのカプセルの片方を開ける。
「……がおー」
…何か出た。
いやいや、ちゃんと状況を説明しないとな!
えー…まず「がおー」とか言ってるがコイツは獣とかそういうわけじゃない、人…間というか人?系の存在である。ただ、なぜ疑問系で語っているのか?という点なんだが…それはコイツが身につけている…
なんでワニキャップ?
そうワニキャップである。某ゲーム…ってスネークの時にも出てきたなこれ…まぁ、要は某ゲームに出てくるワニキャップ、言わばワニの頭の被り物をつけているのだコイツは…しかもかなりリアリティに溢れているものだ。だから俺も最初は二足歩行するワニみたいな魔物だと思った。
でもリアリティに溢れているのはワニキャップだけで上半身下半身に関しては…
なんで着ぐるみ?
上半身下半身が一体になっておりワニキャップより格段にリアリティのない見ただけでわかるほどの着ぐるみを身にまとっているのだ。
しかもワニキャップの口の中にあたる部分には当然顔がチラリと見えており、それで人っぽい何かではあると考えに至った。
ほら?普通に考えて変なヤツだろうコイツは??
とまぁ、分析していると俺も冷静さを取り戻してきたわけで…このままだは拉致があかないので質問させてもらう。
「色々とツッコミたいところなんだが…とりあえず名前を聞かせてくれるか?」
「クロコ=ダイル。クロコでいい…あなたは?」
良かった…普通に会話はできるらしい。というか名前…は置いとくとして声的に女っぽいな。とりあえず挨拶しておこう。
「俺の名前は…センヤだ。よろしくなクロコ」
「よろしく…」
クロコは胸の前で腕を組みコクリと頷きそう答える。
「センヤ…さっそく質問なんだけど…」
さらにクロコは俺にそう聞いてきたので俺も何かな?と期待しクロコの続きの言葉を促す。
「これ、暑いから脱いでいい?」
「それってお前のアイデンティティじゃねえのかよ!?」
俺はすぐさまクロコにそうツッコミを入れてしまう。だってそうだもん着てる意味ないって言うんだもんコイツ…
「??よくわからないけど特に意味はない…」
「そうか…好きにしてくれ…」
クロコは疑問を浮かべながらも着ぐるみを脱いでいく…そこには普通の服装にも関わらずワニキャップだけを装着してる少女が完成した。つーか、さすがにワニキャップは外さないんだな…
「頭につけてるのは外さなくていいんですか?」
ルカが疑問に思いクロコに質問する。
ルカよ疑問に思う気持ちは分かるが本当にアレまで取ってしまうとアイツの…クロコのキャラが成り立たない。さすがにクロコもアレは外さ…
「あ、忘れてた…」
ルカの指摘を受けクロコは普通にワニキャップを外す…
「って、外すのかよ!?」
「え?だって邪魔だし…」
「じゃあなんでつけてたんだよぉぉ!!!」
俺は胸の中に燻る感情をブチまける。するとクロコは少し考える動作をし…
「んー…なんとなく…?」
な、なんとなく…だと…
俺はダランとイスに座り込む。気分的にはKOされた感じである。
「がおー…センヤ、大丈夫…?」
そんな俺をクロコは心配した顔で覗き込んでくる。
なんだよコイツ普通にいいヤツじゃねえか…
「ああ大丈夫…だ…よ…」
俺はクロコの質問に答えるようにそう言葉にするが途中で言動がおかしくなってしまう。そしてクロコもそんな俺の変化に「?」と首を傾げる仕草をする。それも仕方ない、なぜなら…
「え…普通に美少女じゃん…」
ワニキャップや着ぐるみを外したクロコは可愛い女の子だったのだ。
「急に言われると…照れる…」
俺の言葉を聞いたクロコの顔がほんのりと桃色に染まり、言葉通り照れているんだなぁということがわかる。そのクロコは照れながらも口を開く…
「でもセンヤなら…いいかな…?」
「意外と好感触だな…」
「うーん勘…かな?私の勘はよく当たるから…」
なるほど、固有スキルの力か…
クロコのステータスを確認するとそれらしき固有スキルを所持していたので、おそらくだがその固有スキルの力だろう。
クロコのことは一旦置いておくとして…
俺は残りのカプセルを手に取り開ける。
「…ん?おお!もしやここは外の世界か!!」
現れたのはまたもや可愛い女の子...美少女である。
その美少女は初めはこの世界のことを理解できていなかったようで辺りをキョロキョロと見渡し理解したのかポンッと手を打つ。
「私がこの世界に来れたのは...お前のおかげか?」
美少女は目の前にいる俺を見て聞いてくる。
「そうだ。俺は加藤 千弥、よろしくな」
「そうかセンヤというのか…私はノエル、こちらこそよろしく頼むぞ!」
ノエルは実に元気のいい返事をする。
俺はその返事に内心満足しつつガチャを回しながら考えていたことを改めて整理する。
クロコとノエル...この2人の加入は予想以上に大きいだろう。2人とも俺達にいなかったタイプの能力を持ってる...だからこそ欲しいよな...
ヒーラーが...
俺は50個のピースと引き換えにキャラを作成する権利を手に入れる。そしてただ願いながら創造していく...全ては優れたヒーラーを手に入れるために...
ルシフェル達の時は魔王になれるように強く願った。ジークの時は剣を使える凄いやつと願い、ネビロスの時は頭が良くて凄いやつ...以前も言ったように複雑なものはできないため簡易なイメージを強くするしかなかった。
そして今回も同じように願い現れたのが...
「ありがとうございます、この世に生を受けたこと深く感謝します。どうか貴方様のお望みのままに...」
正しく神官といった感じの清楚な服を身に纏い、その見た目や言動から女神と見間違えるような振る舞いは俺の心を強く揺さぶった。
完璧だ...完璧すぎるぞこれは...
俺は内心、自分という存在を褒めまくる。そして彼女に自己紹介と名前を名付ける。
「俺は加藤 千弥。センヤと呼んでくれて構わない...そして君の名前なんだがパナケイアと名付けさせてもらった。個人的にはパナと呼ばせてもらうけど...いいか?」
俺はパナもといパナケイアにそう告げると彼女はニッコリと微笑み「いいですよ。これからよろしくお願いしますセンヤさん」と嫌がる素振りも見せずにそう言ってくれた。本当、女神みたいだ...
パナケイアとはギリシャ神話に出てくる治癒の女神らしい。らしいというのも俺もゲームとかによる知識でしかないから正直なところまでは知らない。
名前を付けるのにも色々と候補はあったのだが…ヒーラー=回復や治癒という風に考えた時にすぐ結びついたのがパナケイアという名前だった。
正直、最高位のピース作成だしヘラとかにしようかなぁとかも思ったのだが...そぐわないのとヘラという名前を考えた時に...
あっ!どうせならゼウスとか創造してオリュンポスの12神とかどうよ?と新たに考えが出てきてしまったためにパナケイアという名前になった。
俺は改めて新たに加入した3人を見る...
クロコ=ダイル。銀髪ショートの髪に無表情のような顔、その表情や雰囲気からはクラスメイトで女子バスケ部、男子バスケ部という繋がりもあってか何かと接点のあった女子...白波をどこか思い出させる。
感情を伝えにくい無表情...でも逆にそこが愛らしさを感じさせる美少女である。胸のサイズは普通。
ノエル。薄いピンクのサイドテールでその長さは胸くらいの高さまで伸びている。背が高くとても元気の良い明るい女の子である。当然、美少女と呼ばれてもおかしくないほどに見た目のレベルが高く胸のサイズも大きい。
パナケイア。金髪ロングの髪、見た目はもちろんその身から放たれるオーラは正に天使や女神といっても過言ではない。おそらく彼女が協会でシスターをやるだけで多くの人々が殺到することだろう...簡単にそんな想像ができてしまうほどの女神オーラなのである。さらにその胸は俺達の中でもNo.1の存在を誇っており俺の視線を何度も奪ってしまうほどの逸材である。
クロコ、ノエル、パナ...この3人の加入は俺のパーティーのレベルを格段に引き上げるだろう。というのも俺が率いるグランブルーのパーティーの役割を説明するとだな...
ノエル=圧倒的な怪力で近接戦闘を得意てする戦士
ルカ=素早く強力な剣技を使い戦う剣士
レオナ=多彩な高魔法を扱うことができる魔法使い
クロコ=変身・変装が得意で隠密などに優れた盗賊
アロエ=脅威的な狙撃能力を持つ弓使い
ルア=攻撃・守備にと対応できる万能者
アビス=味方の支援・相手の妨害をする支援者
パナケイア=怪我を癒し状態異常を治す治癒士
ウニ=冒険において実用的な能力を多数持つ世話人
俺=主に敵の攻撃から味方を守る守護者
うん。問題ない...ってか完璧じゃねぇか?このパーティー、しかも皆美少女って...
俺のパーティーメンバーが可愛くないわけがない。
なんかラノベにありそうなタイトルになっちまったなぁ…などと考えながら俺は古参組と仲良く会話している新加入の3人を眺めるのであった...
新たなパーティメンバーが増えました。




