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ガチャで俺は最強になる  作者: 青藤清也
第2章 ガチャで俺は最強になれる?
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第35話 奴隷達が家にやってくる 後編

あれ…最終更新日から10日ちょい…だと…

すいません、次回の投稿は今回よりも早く投稿したいと思います…

 

「てめぇっ、離しやがれ!!」


 男性は彼に掴まれている腕を振り解こうとするが、その腕はピクリとも動かない。


「いいから俺の質問に答えろ…彼女に何をした?」

「うっ…」


 彼から放たれる威圧と言葉を受け男性はたじろぐ…が男性は怒りに満ちた表情で吐き捨てる。


「アイツが俺にぶつかって商品の壺を割りやがったんだよっ!!だから拳で教えてやったんだよっ!!」


 なっ…ハァ!?


「ぶつかってきたのはアンタの方じゃないっ!!」


 私は男性の言葉に納得できず対抗する。それが事実であり、それ以上でもそれ以下でもないことは…私が1番良く知っているからだ。


「なんだとコラァ!!また殴られてぇのか!!!」


 だが男性もまた私の言葉に対抗してそんなことを言う。私もさらに腹が立ち、言葉を放とうとするが…彼が男性を掴んでいない方の手を私の方に向け私の言葉を制す。

 そして、チラリと割れた壺の方に目を向けると…私のことを制した手を服のポケットに入れ硬貨を取り出し、それを男性の手に握らせる。そして…


「これで壺のことはナシにしてくれ…な?」

「こんなに?…わ、わかったよ…」


 そんなことを言い男性の掴んでいた腕を離す。


 なっ…嘘でしょ!?そんな奴に硬貨を支払う必要なんてないでしょ!?私は悪いことなんてしてないのに…


 私はその光景に驚いてしまい、何も言えずに見ていることしかできなかった…男性が彼から離れ、私の横を通り過ぎるとき目が会い…


「!?」


 男性はニタァっとした表情を浮かべ私の横を通り過ぎていく。


 なによ…やっぱりワザと私にぶつかったんじゃない!!


 私の中に再び怒りという感情が湧き上がってきて、彼に言おうと振り向くが…すでに彼は男性の方に近づいており、また片手で私のことを制する。

 そして…男性に近づいた彼はトントンと男性の肩を叩き…


「まだ、やり残してることがあるぞ?」


 男性にそう言う。


「やり残してることだぁ?」


 男性が振り返るとそう言い、彼がコクンとうなづいた次の瞬間…


 バァァン!!!


 という凄い音とともに男性が吹っ飛ぶ。


 男性のいた位置は橋の端付近であり、殴った方角から橋の外の方へと吹っ飛んでいく。当然そこには壁なんてものは存在していなく…


 バッシャァァーン!!


 という音と大きな水飛沫を上げ川へと落ちる。


 私はその光景をただ唖然として見ていることができず…彼が振り返りコチラの方にやってくる姿が視界を捉えることでやっと硬直から解き放たれた。


「い、今のは…」

「ん?ああ…別にお前がされたことと同じことをしただけだよ」


 私の言葉にもなっていない呟きを彼は理解して答えてくれる。そんなことを考えている間にも彼がコチラに近づいているということを理解し、私は立ち上がろうとするが…


「っ!」


 おそらく先程の件で怪我をしたのだろう、右足に痛みが走り私は再び地面に座ってしまう。

 それでも私はこれ以上迷惑をかけるわけにはいかないという意志が芽生えており、壁に手をつきながらも立ち上がることに成功する。


 立ち上がることに意識を集中していた私はその間彼の存在のことを忘れており、ハッと気づき彼の方に顔を向けると…


「ほら?はやく乗れよ」


 私のことを背負おうとして、しゃがんでいる彼の姿があった…って…


「いやいや!大丈夫ですよ!」


 私は彼の行為を否定する。今しがた迷惑をかけるわけにはいかないと思っていたばかりなので…彼の手を煩わせることを私はすぐに拒否してしまう。


「そうか…じゃあ命令だ。それなら断れないだろ?」


 うっ…確かに私と彼の関係的にそれを拒否することは私にはできない…


 結果、私はすごく申し訳ない気持ちに駆り立てられながらも彼の背中に身を任せる。

 彼は片手で私を支えると余っているもう片方の手で私の落とした買い物籠をヒョイと持ち上げる。

 そして私達は少し離れた場所にいるウニさん達に合流する。


「待たせたな」

「いえ…本来なら私達で対処すべきでしたのに…申し訳ありません…」


 ウニさんとメルトさんが頭を下げて謝る。


「謝るなよ。お前らはお前らで俺の命令を果たしてたんだから…あと新人2人!」

「「は、はい!」」


 彼はウニさん達にそう言うと今度はサラスティちゃん達の方に顔を向けそう言うと…サラスティちゃんとシルフィちゃんの2人が返事をする。


「仲間が危ない目にあってると気づき、助けようとする気持ちは買うが…状況を考えて行動しろ。お前ら2人が助けに入ったところで2人とも怪我をするだけだろうが!…そんな意味もなく怪我をすることはお前らが良くても俺が嫌だから今後はしないように…いいな?」

「はい!」「わかりました!」


 始めこそはサラスティちゃん達のことを叱り、彼女達悲しげな表情をするが…それが彼女達のことを思ってのことだと知ると表情を明るくさせる。


 そっか…2人とも私のことを助けようとしてくれたんだ…


 私は2人が考えることもせず、私のことを助けようしていてくれたことに内心とても喜ぶ。

 それと同時に…彼が本当に私のことを思ってくれていたことも理解して胸の奥が暖かくなる。


 その後、私達は再び帰路につくことになるのだが…皆がそれぞれ歩み始めた中、彼は私にだけ聞こえる小さな声で「ごめん」と一言謝り…


「今度はちゃんと…守るから…」


 そう呟き他の人達と同じように歩みを進める。


 その言葉を聞いた私はというと…


 カァァァァ!!!


 と自分でも分かるくらい赤面してしまい、自分の鼓動が早くなっていることを理解する。


 なぜなら…


 今度はちゃんと守る…そう未来のことを語る彼、私のことを助けてくれ彼が…小さい女の子には手を出す変態男だと考えても…失敗をずっと後悔してる駄目男だと理解しても…それでも…



 私にとっての英雄に思えてしまったからだ…



 私…スカーレット・ヴァーリーは


 この日、初めて本当の恋に落ちた。

 







 〈センヤ視点〉


 あの後、スカーレットの怪我を治したり自己紹介を済ませたりしたのだが…今回の件で1つわかったことがある。


 それは…


「ウチのパーティーにヒーラーいない問題」


 俺がそう言うと周りにいる者達が、確かに…と俺の言葉に納得の表情を見せる。


「ヒーラーってことは回復要員ですよね?いないんですか??」


 その中で唯一最近加入したばかりのルカが理解できずに聞いてくる。


「それがいないんだよ…」

「えぇ…あ、でもレオナさんは?レオナさんほどの魔法使いなら回復魔法も使えるんじゃ…」

「いやぁ、照れるねー」


 俺の返答にルカが困ったような顔になるが、すぐにレオナのことを思い出しそう聞いてくる。ついでにレオナが喜ぶ。


「レオナのルカに対する好感度が10上がった」

「センヤ、これはふざけてする会話かしら?」


 俺がそう言うとルアからお叱りを受けてしまう…


「そうだよセンヤ!それに私のルカルカに対する好感度は常に最大値だよっ!」

「レオナさん…」


 さらにレオナがそう言い、それにルカが反応し潤んだ瞳でレオナを見る。


「はいはい、わかったわかった…それじゃあ話を戻すぞ。と言っても選択肢は1つしかないけどな…」


 俺の言葉に皆は納得した表情になる。とそこに…


「メルトさん、掃除が終わりましたので確認を…あっ、すいません!お話中とは気づかずに…」


 話を聞く限り掃除が終わり確認をお願いしにきたらしいスカーレットがドアを開け現れる。


 スカーレットはそのまま一言謝り、ドアの向こうに戻ろうとする。

 怪我は大丈夫なのかって?ウチの優秀な魔法使いさんが治してくれたよ。必要以上の回復魔法でな…

 そんなことを考えるながらも俺は良い機会だと思うので…


「ああ、ちょうど良かった。スカーレット、他の4人を呼んできてくれないか?」


 とスカーレットの頼む。するとスカーレットは「はい!すぐに呼んできます!」と元気の良い返事をして駆け出していく。


 ちなみに他の4人とはサラスティ、シルフィ、セン、ソニアというオークションで落札した新たなメイド達だ。偶然にもスカーレットを含めた5人の頭文字がサシスセソになっており、驚いた。

 オークション組は後2人居て、コチラの2人は戦闘系としての起用を考えているため現在は外で訓練中である。なのでコチラは指導者として一緒にいるジークに頼み連れてきてもらうことにする。

 あとは…


「それではセンヤ様。私はユキ様を連れてきますね」

「いえ、ウニ様。私がお連れいたしますので、ウニ様はコチラでお待ちください。」


 などとウニとメルトがやり取りをしてメルトが残りの1人であるユキを連れに部屋を出る。


 そんな、やり取りをして少し時間が過ぎるとまずやってきたのは…


「これじゃあ訓練じゃなくて地獄ですよ」

「もう無理だ。体が言うことを聞かねぇ」

「うーん?初日だからとやり過ぎてしまったかな?」


 満身創痍というか見るからに限界、といった感じのボロボロの男が2人と指導者のジークが入ってくる。

 橙色の短髪で丁寧な言葉を使っている方がエルガー、藍色っぽい短髪のツンツン頭で言葉使いが悪い方がソルトという。中々見所のある男達であったためオークションで落札させてもらった。

 俺はその2人を見て苦笑しているとそこに「ご主人様、お連れしました」とメルトが入ってきて、それに続いて入ってきたのはユキ…じゃない…え?誰だ??


「いや、お前誰だよ…」

「そんな…センヤはユキにあんなことをしておいてそんなことを言うのです?」


 彼女の言葉にすぐさま天水眼改フランを使い確認すると確かに【ユキ】と名前が表示されている。

 いや、確かに白い耳に腰まである長い白髪、それに白い尻尾。状況を考えた際に1番可能性が高いのはユキだと思ったさ…でも身長は140くらいはあるし、何せ先程モフモフした幼女じゃないのだ。疑問を抱いても仕方がないだろう。


「そんな急に美少女になられてわかるわけないだろ」


 俺がそう言うとユキは顔を赤らめピッコピッコと狐耳を揺らして嬉しそうな顔をする。


「で…だ。ユキは俺の2つ年下なわけだが…その姿が本当の姿なのか?」


 俺は確認するためにユキにそう聞いてみるがユキは首を横にブンブン振り否定の反応を示した後口を開く。


「違うのです。ユキの種族は皆それぞれ幼児、成人、獣の3つの姿があるのです。そういう種族なのです。ですので幼い姿もこの姿もどちらも本当のユキなのです」


 その後ユキは補足説明として…ある一定の年齢を超えなければ幼児姿になれない、変化の才能を持っている者であれば更に細かい何代に姿を変えることができる…などということを教えてくれる。

 ただ…ユキは幼児状態のコントロールが上手く出来ないらしく、具体的には記憶の共有などが100%できないとということも教えてくれた。


「なるほどな…」


 と俺が言葉を口にしていると「失礼します」と声が聞こえ、そちらに目を向けると残りのメンバーも部屋へと入ってくる。


「ソルト…アンタなに情けない格好してるのよ」

「黙れソニア。だったらお前も同じ訓練受けてきやがれ…」


 メイドのサシスセソ組が部屋へと入ってくる中、その中の1人であるソニアは倒れているソルトを見るとそう口にし、ソルトもそれに言葉を返す。

 このソルトとソニアは兄妹であり、2人とも優れていたので落札させてもらったのだ。ソルトには戦闘のソソニアには料理の才能がそれぞれあった。


「まぁまぁソニア、ちょっとジークが張り切りすぎたみたいでな…そんなに言ってやらないでくれ」

「すまないね」

「い、いえ。ご主人様とジークフリート様が謝る必要なんてありません…私が立場を考えずに…すいませんでした」


 ソニアはそう言うと俺とジークに頭を下げる。


「気にするな。俺達はそんなことくらいで怒ったりなんかしないしな」

「うんうん、センヤの言う通りだ」

「ありがとうございます…」


 ソニアの礼を聞いた俺は辺りを見渡し、新参者達が全員揃っているのを確認する。


 そして…


「それじゃあ…俺のスキルをお見せしよう」


 俺は自分の固有スキル【不明不定箱ガチャガチャ】のスキルを発動させる。



ということなので…次回は久しぶりにガッツリとガチャを回したいと思います!場合によっては2、3話ガチャるかも…


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