第3話 巨乳と微乳。あっ、微乳とは微妙な乳のことでゴフッ!?
はい!美少女が登場しますよー。
後半は別の誰かの視点の物語となっています。
俺は気を取り直してリバイアサンのカードの剣をタッチする。すると選択できる剣のリストが表示される。
・鋼の剣・攻撃+25
・草鞭の剣・攻撃+55
俺は草鞭の剣を選択する。もう一度草鞭の剣を選択すると解除された。
よし、1回装備したら変えられないタイプじゃないな。
俺は草鞭の剣と鋼の剣を選択する。そしてリバイアサンを装備したが…
あれ?具現化しないな…どういうことだ?
えー出てこい!
斧状態で出てきた。もしかして仕掛けでもあるのか?
うーん…てことは…戻れ!
リバイアサンが消える。俺は装備状態を確認する。
武器:神魔海龍装 リバイアサン
防具:蒼海竜、学生服、下着
装飾:眼鏡、蒼海竜の指輪
所持品:バッグ
リバイアサンは装備中となっている。
なるほど…要は待機状態ってことだな。
俺が草鞭の剣を出るように念じると…草鞭の剣が現れた。
どうやら、間違いないみたいだな。
とりあえず、武器を待機状態にしておく。ついでに試してみたら防具も待機状態にできたが、いつ危険な状態になるかわからないので透明化だけしておく。
「ウニ、それじゃあ金キャラを…ってまた気絶してるのか…おい、起きろ!」
「ハッ!す、すいません。すごいのはわかってたんですけど何せ規格外すぎて…。」
そりゃそうだ…。まだ、ちゃんとした意味で価値を理解できていない俺でさえ驚いたんだ。ウニならなおさらなのだろう。
「とりあえず、金キャラ2つとも開けるからな。」
「は、はい。わかりました…。」
俺はキュポンキュポンと金キャラを開けていく。すると目の前に現れたのは…
「おお!外の世界だぁ!!」
「これが外の世界なのね…」
2人の美少女だった…。
2人は俺に気付くと挨拶してくる。
「どーも!アナタが外に出してくれたんだよね?私の名前はレオナだよ!よろしくね!」
「ルアよ…よろしく。」
「こちらこそよろしくな!俺の名前は加藤 千弥。これから俺達は仲間だからな…俺のことは加藤でも、千弥でも好きに呼んでくれ。」
「センヤだね、わかったよ!」
「センヤね…わかったわ。」
どうやら、この世界では名字で呼ぶことはないみたいだな…。
俺は不明不定箱を発動してホーム画面にいき、さらにカード一覧のアイコンをタッチして2人のステータスを確認する。あっ、ついでに俺とハチコウとユーガのステータスも確認しておくか。
俺はハチコウに興味を持った2人を尻目にステータスを確認する。
名前:カトウ・センヤ
性別♂・年齢16・種族:人間
職業:召喚士・空きスロット3
異名:なし・レベル:1
体力:500
魔力:600
攻撃:453+水系統50
防御:450+300
敏捷:320
耐性:430+水系統300
幸運:300
固有スキル:不明不定箱・手札召喚・手札変化・言語理解
特殊スキル:深青眼
スキル:水魔法、剣、斧、水中呼吸・ポイント20
称号:転生者
名前:ルア
性別♀・年齢16・種族:半竜人
職業:水芸士・空きスロット1
異名:海竜の巫女・レベル:1
体力:400
魔力:470
攻撃:400
防御:410
敏捷:350
耐性:550
幸運:180
固有スキル:水流乱舞・海鮮天国
スキル:水・雷魔法、水技、短剣、格闘
称号:水操者、水魔
名前:レオナ
性別♀・年齢16・種族:半吸血鬼
職業:魔法使い・空きスロット1
異名:魔導の吸血鬼・レベル:1
体力:420
魔力:700
攻撃:350
防御:370
敏捷:300
耐性:400
幸運:150
固有スキル:合成魔法・吸血鬼
スキル:火・水・木・土・風・氷・雷・草・星・光・闇・回復・強化・召喚魔法
称号:吸血鬼、魔導士
名前:ハチコウ【アースウルフ】
性別不明・年齢不明・種族:魔獣
レベル:1
体力:220・魔力:77・攻撃:210・防御:174
敏捷:370・耐性:120・幸運:68
スキル:隠密、瞬歩
名前:ユーガ【マリンゴーレム】
性別不明・年齢不明・種族:魔兵
レベル:1
体力:600・魔力:180・攻撃:520・防御:550
敏捷:190・耐性:110・幸運:40
固有スキル:鉱殻再生
スキル:水魔法、怪力、自爆
…こうやってみるとスゴイな。
「こりゃ…すげえな。」
「そうですね…。」
俺は改めて2人を見る。
レオナは元気いっぱいな美少女だ。身長は150後半ってところか?魔法使いみたいな格好…ハロウィンの衣装のように少しキラキラしている感じで蝙蝠のピンバッジをつけたとんがり帽子?を被っており、ミニスカートに縞々のニーソックスを着用している。金髪のツインテールが胸くらいの高さまであり、その胸だが…一目でわかるほど巨乳である。先ほどからハチコウと戯れるたびにユサユサ揺れている。
ルアは少し高貴な雰囲気のある美少女で青を基調とした可愛らしい服装だ。身長は150前半くらいだろう。青色というより水色に近い色で髪はショートより少し長いくらいだろうか。頭に両側に小さいヒレみたいなのが付いてるがアクセサリーに見えなくもない。
胸は…貧乳ではないが普通とも言いがたいし微妙だな、そうだ!微乳と名付けよう。
と急にルアがこちらを向き右手を俺の方に向けてゴハッ!!
俺はルアに水球をぶつけられ吹っ飛ぶ。
ルアは笑顔でこちらに歩きながら言ってくる。もちろん絶対怒っていると明らかにわかる笑顔で。
「センヤ…人の胸を微妙呼ばわりとはいい度胸ね。」
っ!?なぜだ!俺のスキルの効果で以心伝心できるとかそんなのか!?
俺が驚愕していると溜め息混じりにウニが言う。
「ハァ…センヤ様。後半の胸のくだり、声に出ていましたよ。」
「え…マジで…?」
「マジです。」
「ええ、ちゃんと聞こえたわよ…セ・ン・ヤ。」
「い、いやいや!俺はただ胸の大きさに名称を付けただけであって、決してルアの胸を悪く言ってるつもりはないんだよ!」
「…本当なの?」
「そうそう!それに巨乳はモチロン、貧乳にだって希少価値があるって人もいるし需要があるんだから!あれ?でもそう考えると微妙な乳って貧乳よりも価値がないってことになるんゴファッ!??」
言葉の途中でルアの正拳を食らう。
「私は普通よ!フ・ツ・ウ!いいわよ…そこまで言うなら確かめてみなさいよ!」
ルアは俺の手を取り自分の胸を揉ませる。ボルテージが上がって大胆なことをしていることに気付いていない。その証拠にウニもレオナも顔を赤らめてこっちを見ている。俺としては胸の感触が楽しめていいんだけど…そろそろ言ってやった方がいいだろう。
「おい、ルア。」
ハッ!とルアは気付くと俺の手を離し急速に顔を赤らめてこっちいく。そして恥ずかしいのかプイっと横を向き、チラチラと横目で見ながら言ってくる。
「ど、どうよ…ちゃんとあったでしょ…。」
「確かにあった…けど」
「ほ、ほら見なさい…って、け、けどってなによ?」
俺は胸に関してだけは本音を誤魔化せない。それが、胸に対しての礼儀だからだ。おっぱいが俺は好きだからだ。さっきルアの胸を揉んでよりそれを理解した。理解させてくれたルアの胸だからこそ、なおさら誤魔化すことはできない!でも、それを言ってしまうと…。
俺が真剣かつ苦悶のような表情をしていたため、女性陣は神妙な顔で俺を見つめている。
俺は空を見上げると、そこには広大な大空が広がっていた。そんな大空を見ると今考えていることがとてもちっぽけなものに思えてくる…。俺は答えを決めた。
「でも…。」
「で、でも…?」
「それでも!微妙だと思った!!!」
「…死になさい。」
バチバチっと強力な雷魔法を浴びた俺は意識を失ったが…そこに悔いは少しもなく心地よい達成感と妙な充実感があった。
〜視点と場面が変わり〜
辺りが騒然としている。委員長が皆を落ち着かせようとするがあまり意味をなしていない。まぁ、それも無理はない…何せ学校で普通に授業を受けていたら急に俺達2-Fの生徒は見知らぬ場所になったのだから…。
ちなみに俺は伊藤 秀馬という。普通の高校生だ。あっ、でも今の状況を考えると普通の高校生じゃないなHAHAHA。
「おい、シュウマ!何か変な顔してたけど大丈夫か?ついに頭がおかしくなったのか?」
お前にだけは言われたくない…。
「ヒロト…お前にだけは言われたくない。ちょっと状況を整理してただけだ。」
「お前にだけはってどういうことだよ?」
「どんな昆虫も愛せてしまう変人よりはマシってことだよ。」
そう、このヒロトこと江藤 弘人は地球上のありとあらゆる昆虫を愛せるという鉄壁の精神を持つ男なのだ。ムカデやGも平気なんだぜ?普通無理だろ。
「別に愛してない、可愛いと思うだけだ。」
「その発想がすでに普通じゃねよ。」
「可愛いんだけどなぁ…。まぁそれより、リョータは?」
「ちょうど今、こっちに向かってきてる。」
俺はリョータこと後藤 亮太のいる方向を指差してヒロトに教えてやる。
「お前、どこ行ってたんだ?」
俺はリョータに尋ねる。俺達は一緒にいたはずだからだ。
「センヤを探してたんだよ。いなかったけど…。」
「あいつ…上手く先に早退したからなぁ。」
「本当だよ、アイツ行動起こすの早すぎだろ。」
俺が苦笑しながら言うとヒロトも苦笑しながら答える。
そう。俺達は今日発売するオンラインゲームをやる予定で当然、学校なんて早退して早くやりたかった。俺だって早退するタイミングを考えていたさ…。でも、センヤは学校に来て早々HRが終わると…
「とりあえず学校に来たものの、やっぱり無理そうなんで帰ります。」
なんて教師に言って帰りやがったのだ。教師に了承されて、いざ帰れるとなった時の…
「お先に失礼します!」
と満面の笑みで言われた時には体に電撃が走ったね。
俺と一緒でリョータとヒロトも内心『やられた!?』と思っただろう。
ちなみに俺達4人はクラスで『T4』と呼ばれている皆名字に藤とついているからだ。まぁ『私も入れてT5よ!』と言いはるどっかの委員長もいるが…
それから少し経ち、1時限目の授業が急遽、自習となり教師がいなくなったのでヒロトとリョータと話そうと思ったら…
異世界に飛ばされたんだよなぁ…。
皆は委員長の言葉が届いたのか少し落ち着きを取り戻したようだ。いかにも城内っぽい周りを見渡しだし各々話し始める…すると、その時…
バァン!!
と大きなドアが開いたと思うと明らかに豪華な服装な人達がこの広場に入ってくる。さらにその中の王子らしきイケメンが声を上げる。
「よく来てくれました!異世界の人々よ!私はこのアイザトラスの王子フィリルと言います!ぜひ、アナタ方の力を私共に貸していただきたい!!」
なんだよ…こういう場合は美少女の王女が現れるってのが王道ってもんだろうに…。
ヒロトとリョータも明らかにガッカリしている。センヤも含め俺達は皆アニメや漫画が好きなのだ。だからこそよけいにガッカリするのだろう。逆に女子共は喜色の声を上げて嬉しそうだ。
乙女ゲーですかこの世界は?
「アナタ方が私達をこの世界に召喚したってこと?私達は元の世界に帰れるの?」
先ほど述べたどっかの委員長こと竜藤 柚乃がフィリルに聞く。さすがは行動力に定評のある委員長だ。
だがな委員長…アニメ好きな委員長ならわかると思うが、こういうのは魔王とか強力な敵を倒さないといけないってテンプレで決まって…
「元の世界には帰れますよ?こちらの都合に無理やり付き合わせる訳にはいきませんからね?」
「帰れるんかーい!!!」
俺は思わず大声を出してしまい、皆の視線を浴びる。
ええい、目立ってしまったものはしょうがない。
俺はフィリルの前まで歩みを進める。
「えーと、フィリル王子。俺は伊藤 秀馬って者なんだが…そ、その帰れるのか?元の世界に?」
「イトウ様ですね?ええ、帰れますよ元の世界に。」
「それはあれか?魔王を倒したら帰ることができるとかって…ことなのか?」
「!?イトウ様はすごいですね!私共が召喚した理由がわかるんですか!?」
「ま、まぁ何となくだけどな…それで魔王を倒せないと帰れないってことなのか?」
「いいえ、本日中であれば直ぐにお帰りになることができますよ?この世界は皆様のいた世界と違い危険ですからね…さすがに命を無理にかけてもらう訳にはいきませんよ。」
この世界の召喚クーリングオフ制度とか良心的過ぎるだろ!??
「ってことは…残りたい人だけ残って帰りたい人は帰れるってことでいいんだよね?あっ、私は竜藤 柚乃って言います。」
「リンドウ様の仰る通りです。次にゲートが繋がるのはいつかわかりません…少なくとも3ヶ月はかかります。長くても半年ほどでしょうか…?」
ヌルい!ヌル過ぎるぞこの世界は!いや、良いことなんだけど!良いことなんだけども!!
あっ、センヤのこと聞かないとな。
「なぁ、1つ聞きたいんだが…俺達の他に眼鏡のかけた男とかって…召喚したりしてないか?」
「少々お待ちください…君!」
「ハッ!」
「直ぐにリーン殿に召喚について確認してきてください!」
「かしこまりました!」
フィリルは近くにいた兵士に言伝を頼み、兵士は走り去っていく。
「すみませんイトウ様…少しばかりお待ちください。」
「気にしないでくれ、こっちこそわざわざすまないな…。で委員長、とりあえず皆に残るか決めてもらった方がいいんじゃないか?」
「そうだね。それじゃあ皆!これから元の世界に帰るか残るか考えてみて?もちろん、ここはフィリル王子も言った通り命の危険が伴う世界だし…委員長の立場的にも本当は皆を元の世界に帰さないといけないんだろうけど…皆の歩む人生までは私が決められることじゃないから…。」
委員長の言葉で再び騒がしくなる。やれお前はどうするだの私は帰ろうかなだの言い合ってる。
「あー、俺からも1つ…ってお前何様だよ!?とか考えずに聞いて欲しいんだが…委員長の言葉に少し付け足したいことがある…その、何だ…仲の良い友達が残るからとか誰々がいるからっていう理由で残るのだけは止めた方がいい。もしそれで残ったとして…仮に死んじまった時、その理由の的先にされたやつは溜まったもんじゃないからな…。」
俺の言葉の意味が届いたのか先ほどの騒がしさは消え、真剣に考え出した。
そう、先ほどのコイツらは嬉々とした表情で話し合っていたのだ。まるでゲームをやるような感覚、死んだとしても実際は大丈夫!みたいな命を軽くみている感じがしたので俺は少し付け足しというか訂正させてもらった。
「リョーちん、ありがとね。助かったよ。」
「いや…センヤならこういう時こういうだろうなぁって思っただけだ。」
「そうだね。センヤならきっと…いや、絶対言うね。」
俺と委員長はお互い笑いながら話し合う。
そう、センヤならきっとそういう。なぜなのかはここでは話さないが…前に似たようなことがあった時、アイツは命の尊さ大切さを誰よりも考え噛み締めていたのだ。
それから少しばかり時間が経ち、俺達の元にやってきたヒロトとリョータも混ざり今後について真剣に話し合っている時に出払っていた兵士が戻ってきて。王子に耳打ちし始める。
「ふむ…。何と!それは本当か!?」
「どうだったんですか?」
俺はフィリル王子に尋ねた。
「それが申し訳ないことに…この世界に召喚した者が言うには、召喚した者達の数が1人足りないそうです…。」
「えっ?それって…」
委員長がフィリルに尋ねた。
「おそらく…イトウ様が仰っていた方だと思われます。」
ハァ…どうやら俺はこの世界に残ることになりそうだ。まぁお前なら強運だし大丈夫だと思うから、俺のペースで探させてもらうけどな…。
という訳で転移されたのはクラス全員でした。
センヤが別の場所だったのは仮病で早退して帰る途中だったからですね笑
※9/2センヤのステータス表記を変更しました。