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ガチャで俺は最強になる  作者: 青藤清也
第2章 ガチャで俺は最強になれる?
29/85

第27話 ボーシュリクス秘密組織 Bosh

今回はちゃんとガチャります。嘘は言ってません。

※11/16誤字修正しました。

 

「一件落着して何よりなんだけど…センヤ君にはまだ用があるんだ。というよりもこれからが本題になる」


 優しい顔から一変して真面目な表情になったオルドリックが言う。


「本題…?」

「そうだ。君には…いや、君達にはある組織に加入してもらいたい。まぁ、組織なんて言ってるが強制力なんてないんだけどね…君達は条件を満たしているだろうから」

「条件?」

「そう。それもいたって簡単な条件だ…それは強いこと…Sランクのリベラル君に勝利した君は十分に条件を満たしている」


 オルドリックは淡々と言葉を並べているが、俺は疑問を覚える。


「ちょっと待て…その言い方じゃまるでリベラル以上に強い奴らがいることになる…」

「そうだよ。この国内にはリベラル君以上に強い者達がいるんだ」


 確かに…そう言ってる本人もそうだろうしな…しかしそうなると…いや待てよボーシュリクスのSランクは…ああ、そういうことか。


「なるほど。そいつらは冒険者じゃないんだな」

「さすがセンヤ君だ。よくそこに辿りついたね」

「つまり…リベラル以上の強さはあるけど冒険者ではないってことね…」

「そういうこと。その人達は冒険者をやっていない…でも皆この国のために裏では色々と頑張っているわけだ。組織を作ってね…俺とミレーネ君もその中の1人というわけ」


 この国がSランク冒険者が1人しかいないのに平和な理由がわかった。コイツらがいる組織が活動することによって何とかしていたのか…


「なるほど…でもそんな話をして良かったのか?俺が断る可能性だってあるだろう?」

「君は断らないさ」


 オルドリックは俺の問いに即答する。どうしてだ?現に俺は迷っている。なのになぜコイツは即答することができる?


「考えているね…ならその理由を教えよう。ズバリ、君はこの世界とは別の世界から来たんじゃないのかい?」

「な…。いや、その通りだ」

「センヤ様!それを教えては…」


 俺はウニを手で制する。安心しろこれも選択肢の中の1つだ。それにこれは予想以上に良い傾向だ。


「ミレーネ君の時のように隠すと思ったんだけど…随分アッサリと認めるんだね」

「あの時とは条件が違う。それにその根拠がアンタにあるんだろ?それを知れるならいいさ」

「なるほどね。じゃあ教えよう、根拠は名前さ…昔、この国を救った英雄と名前の感じが似ているのさ…その英雄の名はゴウハラ・ジュン。ほら、何か似ているだろう?」


 そうか…昔、日本人はこの世界に来たんだな。そして偉大な何かを成し遂げたのか。


「そいつは確かに俺のいた世界の人間だろう」

「やっぱりか…なら話は簡単だ。組織に入れセンヤ君。この組織に入ってくれるなら幾らでも君に色んな情報を提供しよう。裏の組織というだけあって表よりも深い情報が手に入る。冒険者として旅がしたいなら入っておいて得しかないぞ」


 これは最初から狙ってやがったな…さすがギルドマスターだ俺には断る理由がない。でも提案はしてみるか…


「アンタの言った通り俺は旅がしたい時もあるだろう。それはつまりこの国にいないことを意味するが…それでもいいのか?」


 俺が言うとオルドリックはニヤリと笑う。


「それは全然構わない。ただ2つ条件を呑んでくれればいい。1つ目はこのボーシュリクスを活動の拠点とすること、それはそのままこのボーシュリクスを拠点として冒険者をすることに繋がる。2つ目はこのボーシュリクスに対する攻撃の禁止だ。戦争などで相手側に参加してこの国を攻撃することになったら組織に加入する意味がなくなるからね…この2つの条件を呑んでくれればいい」

「なるほど…1つ目はこの国に強い冒険者がいると相手国を牽制しつつ箔をつけること。2つ目は俺への警戒をなくすことか…」

「センヤ君は優秀だね。ますます組織に加入させてくなるよ」


 よく言うよ。最初からこうなることがわかって言ってるくせに…ああそうだ。この2つの条件なら呑んでも俺にも相手にもメリットしかない。いずれ作るべき拠点がここになったというだけだし、そうなると当然拠点のある国を滅ぼしたりなんかしない。

 なら俺も決めた。せめて俺という脅威を最大限に理解してもらおうじゃないか。


「わかったよ…アンタらの組織に入ってやる。だけどアンタらは俺の強さがどの程度か知らないだろう?どんな固有スキルを持っているかも知らない。だから見せてやるよ」


 俺の言葉にその場の全員が驚きの表情を浮かべる。俺の仲間達は当然、あのオルドリックすらもだ。おそらく俺がスキルを見せるとは思っていなかったのだろう。

 ああそうだ。オルドリック、アンタのその表情が見たかったんだよ俺は!

 俺は皆の前で固有スキルの名を言う。


不明不定箱ガチャガチャ


 皆の前で色々な項目のある画面が映し出される。何回も見たことのあるウニ達とは裏腹に新しい仲間のメルトとオルドリック、ミレーネ、マリンの3人はこの画面だけでは理解できないようだ。

 確かにこの世界にガチャガチャなんてものがあるはずないしな…名前やこの画面を見たところでスキルの内容を理解できないだろう。なので俺は実際にガチャを回してやる。そうだなぁ…この★5以上確定キャラクターガチャが1番わかりやすいだろう。


 俺がガチャを回すと青金のカプセルが出てくる。コイツはついてるな…

 俺はカプセルを開ける。すると中から出てきたのは…


「やったぁ!!私も外の世界に来れたぁ!!」


 出てきた少女にオルドリックはさぞかし驚いて…おい待て、ルア。なんでお前が驚いてるんだ…

 そう、なぜかオルドリック達以上にルアが驚いているのだ。いや、この少女の髪の色はルアと一緒だ。てことは…


「る、ルカ…?」


 ルアが震える声でそう言うと少女はクルりとルアの方を向き…


「ルア姉!?ルア姉だぁぁぁ!!!」


 ルカと呼ばれた少女は驚いたかと思うとダダダダと駆けていきルアに抱きつく。

 やはり、ルアの家族だったか…俺の運凄いなぁ。とそんなことを考えている場合じゃない、オルドリック達に説明しないとな。


「これがガチャガチャの効果だ」

「いやぁ、これは凄いな。さすがに俺も驚いたよ…てことは他の仲間も…」

「ああ、アロエ以外はこのスキルのおかげだな」


 スネークも一応携わっているし、アビスは勝手に来ただけだが…このスキルを経由してるし嘘ではないだろう。

 俺の答えにオルドリックはなるほどと納得する。そしてミレーネに言う。


「ミレーネ君…センヤ君の力ははこの国なんかで収まるものではない。それだけの存在が私達の国、組織に属していることに…私は正直、心が震えている。よく…よく彼を見つけてくれた…本当に感謝するよ」

「私もこれほどとは思いませんでした…」


 何か思っていた結果と少し違うが…まぁいい、俺という存在がどれだけのものかということをオルドリック達に理解させることができたわけだからな。

 それよりも理解できない点がまだ1つある。なので俺はオルドリックに聞いてみる。


「そういえば…どうしてマリンまで呼んだんだ?メルトの件は幼馴染だから理解できるとして組織云々についてはこの場に居てはいけないんじゃないのか?」

「は!そ、そうです。私がいて大丈夫だったんですか!?私、監禁とかは嫌です!!」


 俺の発言により自分の今の立場を理解したマリンが慌ててオルドリックに聞く。オルドリックはそういえば…と口を開く。


「安心してくれマリン君、君を監禁なんかしたりしないさ。もちろん組織の話を君のいる前で話したのにも意味がある。君にはこれからセンヤ君達の専属ギルド職員になってもらいたい」

「専属ギルド職員…ですか?」

「そうだ。組織にセンヤ君達が加入してくれたわけだが…センヤ君の役目はこの国に凄い冒険者がいるということを周りに認知させる…組織の役割で言ったら表作業のようなものになるからね。私やミレーネ君も組織の一員であるし、組織の話をするために何度もセンヤ君達を呼んでいては怪しまれるだろう?それを防ぐために普通のギルド職員にも組織について知っている人間がいた方がいいと考えたわけさ」

「つまり、オルドリックさんやミレーネさんとセンヤさん達を繋ぐパイプになれってことですか?」

「そういうことだ。他の職員には怪しまれないような役割にしようと思ってる。SSランクの冒険者対応の役職とかいいかもしれないね」

「そうですね。高ランク対応という形で問題ないと思います。高ランクの冒険者には機密の依頼が来ることもあります。機密事項のため詳細は明かせないとでも言えば他の人に聞かれても大丈夫でしょう」

「わ、私にそんなことできるのでしょうか…」


 マリンが自信なさげに答える。急にそんなことを言われてもどうしようもないというマリンの気持ちもわからんでもないが…


「マリン、確定しているようだから諦めろ。これは多分断るという選択肢がすでにない」

「わ、わかりました…」


 そしてマリンが折れる。オルドリックは満足そうな、ミレーネは少し申し訳なさそうな顔をしている。


「安心してください。悪いことばかりではないですよ?基本的にセンヤさん達の対応をしてくれるだけでいいんですから今までより仕事は楽になりますし、それなのに給料は今までよりも上がりま「私頑張ります!」」


 マリンはミレーネの言葉を遮りとたんに元気になる。まぁ好条件だしね…気持ちはわからなくもないよ。


「マリン…」

「そ、そんな目で見ないでよ!だ、だって楽して給料上がるのよ!」

「ハァ…」


 幼馴染のメルトは呆れた顔でマリンを見てため息をつく。とてもさっきまで涙を流したシリアスシーンがあったとは思えない。


「とりあえず、マリンについてはいいとして…1つ聞きたいだがいいか?」

「ん?なにかな??」

「ここに拠点を置くなら家が欲しいんだが…どこかいいところはないか?」


 俺はオルドリックに聞く。これも決めてはいたことだし、ギルドマスターであり組織に属しているオルドリックなら好条件で手に入れることができるかもしれない。

 そのオルドリックは顎に手をやり考えている。


「君のスキルのことを考えると…」

「オルドリック様、マグ様が作られたあの家はどうでしょうか?」

「あそこかい?あそこは確かに新築で良い物件だが…そのせいで高くて買い手がついていない…」


 え?新築で良さそうなところがあんの?ならそこでいいよ…金なら沢山あるしね。


「いくらなんだ?そこの家は?」

「3000万硬貨だよ。土地付きで別邸もある。本邸だってすごく大きいし、センヤ君達にとって1番いいとは思うけど…」

「この後、そこを見ることは可能か?」

「もちろんさ。ミレーネ君、リルラードのところに取り次いでもらえるかな?今日はセンヤ君達に加入してもらえたことだし、予定も入った。これ以上の話はやめにしよう」

「わかりました。カトウ様、これからすぐ見に行かれますか?」


 オルドリックがそう言い、ミレーネが俺に聞いてくる。そうだな、これから見に行けるというのならその方がいいだろう。


「ああそうだな。その方がいい」

「わかりました。それではご案内しますのでついてきてください」


 ミレーネがそう言い部屋を出て行くのでそれに続いて行く。約1名この世界に来たばかりの奴もいるが、とりあえず姉に続いて部屋を出る。つーか完全に自己紹介のタイミングを失ったな…まぁ道中で話すとするか。

 周りの仲間が部屋の外へと出ていきオルドリックを残し俺も部屋を出ようとするとオルドリックが口を開く。


「そうそう。そう言えば組織の名前をまだ言っていなかったね…組織名は国名にちなんでボッシュだ」


 なるほどボッシュか…Boshの方がカッコイイから俺の中ではBoshにしておこう。


「わかった」


 その言葉だけをオルドリックに返し俺も部屋を後にする。なんか半年ぶりに国内に帰ってきたら凄いことになってしまったが…オモシロそうだからいいか。


というわけで新キャラではないのですが…ルカちゃんの登場です。自己紹介は性格や状況を考えた結果、次の話ですることにしました。

あとなんかセンヤ達がBoshという組織に加入することになりましたが…知らないBoshのメンバーも今後出てくることになると思います。共闘とかさせてみたい気持ちもありますので…



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