表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ガチャで俺は最強になる  作者: 青藤清也
第1章 ガチャで俺は最強になる?
24/85

第22話 ダンジョンに行く前に

ダンジョンに行く前日のお話になります。


※7.19誤字修正しました

 

 あの後、食材や必要な道具を買い宿屋へと戻った俺達は夕食を済ませて改めて野宿に必要な物を確認しており、ギルドから帰ったマリンにも見てもらっている。


「…こんなもんで大丈夫か?」

「十分過ぎるくらいだと思いますよ?やっぱり、アイテムボックス持ちが多いパーティは道具も充実してますね…」


 どうやら問題ないらしい。店主の意見と俺の異世界物知識で考えて必要な物を揃えたから大丈夫だとは思ったが、ギルド職員にもOKを出されたなら安心できる。


「不便なことが多いとストレスが溜まるからな。ストレスが溜まると精神的にも身体的にも影響がでるだろ?だから不便なことを少なくすることが重要だと思ってな…」

「…センヤさん、一応ギルドにも初心者冒険者を配慮して講習なんてものもやっているんですが…センヤさん達のパーティは必要なさそうですね…」

「確かに危機管理に対してはセンヤのおかげでしっかりしてると思うわ…」

「私も1回死にかけてるからねー」

「え!本当ですか!?」

「レオナさん…死にかけたんですか…?」


 レオナの死にかけ発言にマリンとアロエが驚いている。アロエもまだ知らなかったんだな。


「そうそう、崖から転落死しそうだったんだけど…センヤが助けてくれたんだ…だから…」


 レオナがハニカミながらこちらを見てくる。


「今こうやって生きていられるのもセンヤのおかげなんだー」


 満面の笑みでそう言うレオナは眩しかった。なんかあれだ…後ろから光が差してるエフェクトが見える感じがする。

 さらにレオナは移動し、俺に抱きついてきてニコニコ顔で言ってくる。


「だからセンヤー、次は私としてねー」


 なんということでしょう…断る理由がありません。まるでトラップじゃないハニートラップに引っかかった気分だ。


「そうだなぁ…次はレオナの番だしなぁ」


 断る理由がないので素直に言葉を口にするとレオナは…


「ホント!?やったぁー!!」


 と大喜びする。あぁ、くそ可愛いなおい…嬉しいんだけど何か恥ずかしいじゃねぇかよ!ほら見て回りの女子を!顔が赤くなってるよ!特にアロエに至ってはもう真っ赤だよ!あれじゃリンゴだよ!!


「そ、それじゃあ私は用が済んだのでこれで…」


 マリンもこの空気に耐えられなくなったのか気を利かせたのかは分からないが部屋を出て行く。

 パーティメンバーだけの部屋になるが逆に気まずい雰囲気をかもし出している。この空気を作り出したレオナは幸せそうな顔で自分の世界に入っているのかこの空気に気づいていない。


「えーと、明日からダンジョンに行きますし…もう寝ますか?」


 ウニが気を利かせて会話をしようとするが…先ほどの発言=寝るに結びついてしまい更に空気に変化が生じる。

 この空気がいつまでも続くのかと思ったとき、スネークからパーティチャットがきた。スネークにはこの部屋には入らないよう言ってあるので今の状況は知らないがある意味ナイスタイミングだ!


『少佐…宿屋の周りに不穏な動きがある…少佐の言っていたワーニルという男を含めた数人から殺気を感じる…少佐の言っていた最悪な場合が起きてしまったようだ…』


 あぁ、やっぱり俺を殺しにきたか。…払うのは無理だと思ってたところもあるし…そうなると支払う相手を消すって考えるのが普通だよな。


「どうやらワーニルが人を連れて俺を殺しに来たらしい…」

「!?センヤ様をですか!」

「てことは期限までに間に合わなかったんだね」

「いえ、人を連れてることを考えると初めから払う気がなかった可能性もあるわ…」

「そうだな、俺もルアの考えだと思ってる」

「ということは…この数日はセンヤ様を亡き者にするために準備をしていたということですね…許せません…」


 ウニはユラリと立ち上がり、あからさまに怒りをあらわにする。ウニの怒ってる姿は初めて見るがこれはかなり怖い…ワーニル達を殺しそうな勢いだし、相手にしたくない。

 まぁ、止める気もないんだが…


「そうだねー…私もセンヤを殺すっていうのはちょっと許せないかなー」

「まぁ、生かす必要なんてないわね…」

「殺そうとしてる人が…殺されないなんて…ただの甘えです…」


 あれ?みんな、やけに殺る気じゃない??いや、殺るのは全然構わないんだが…想像以上過ぎて、逆に俺が冷静になったわ。


「まぁ、殺るのは全然構わないんだが…あくまで正当防衛じゃないとダメだからな?まだ何もやってはきてないから、今こっちから殺ると俺らが犯罪者になる」

「そうでした…早く殺られに来ませんかね?」


 怖!ウニさんの言動がヤベェよ!もうダメだキャラが完全に崩壊してるよ!

 うーん…これじゃあ、殺りに来た時にいきなり最大魔法をぶっ放したりしそうだ。宿屋やマリン達に迷惑をかける訳にもいかないしなぁ…仕方ない、外に行くとしよう。


「じゃあ、ギルドにでも出かけるか?外に出たらあいつらが襲って来るかもしれないし…最悪ギルドで襲われたとしても、ここよりはずっとマシだ」


 俺がそう提案すると皆は了承してくれたので俺達はギルドへと向かうことにした。


 ギルドへと移動していたのだが、無事に辿りつくことができた。どうしてかは知らんが何故かやつらは襲っては来なかった。宿屋に帰る時を狙っているのかもしれない。

 ギルドの中に入ると中は相変わらず賑わっていた。俺達は適当に空いていたテーブルに座るとウェイトレスさんがやって来る。ウェイトレスさんはフフッと笑いながら聞いてくる。


「英雄様、何かご注文されますか?」

「英雄呼びが定着しつつあるんだな…」

「お嫌いですか?素敵じゃないですか、英雄なんて」

「名称はともかく過程がな。男共に言われる分にはいいんだが…女性にもその呼ばれ方をされるのはちょっとな…」

「まぁ、確かに女性の方達からの評判や噂はヒドイですね…」


 うん、分かってはいたし何となくそうなんじゃないかとは思っていたよ…何か俺のことを見る女性冒険者達が明らかに嫌そうだったもん…


「ちなみにどんな噂が?」

「えーとですね…お連れの女性達の弱みを握って無理矢理服従させている鬼畜野郎だとか、新しく入ったそちらのお客様を奴隷にするつもりだとか、色々ですね…噂が噂を呼んで徐々に肥大している気がします」


 えー、俺そんな風に思われてんの…多分、悪いところだけ噂が広がってるんだろうけどな。


「その割に、えーと君の名前は…」

「メルトと言います。あっ、メルでも構いませんよ?」

「ありがとう。その割にメルトは何かサバサバしてるんだな。やっぱ、どういった客でも接客はちゃんとやらないといけないってことか?」

「それもありますが、英雄様がやった一連のことを見ていたので…確かに最後はヒドかったですけど、私としてはワーニルさん達がやったこと、それに対して怒ったところの方が評価できますので…それにギルドで働く女性は男は下心ありきなのも知っていますし、英雄様のように熱弁する方こそいないですが…そんなことを考えてる方達は沢山いるし割り切っているところもありますので…」


 なるほどな…そう考えるようにしないと接客もできないってことなのだろう。

 確かにここは冒険者達にとって癒しの空間でもある。ウェイトレスのスカートも短めだし、ここで働く以上そういった考えになるのは自然なんだろうな。

 それによく思い返すと熱弁した直後こそアレだったが…その後はギルド職員達の俺を見る目や態度も変わらなかったように思う。


「それに、マリンもいい人だと言っていましたから」

「へぇー、そいつはマリンに感謝しないとな…マリンとは友達なのか?」

「マリンとは幼馴染で、昔からの付き合いなんです」

「そうなのか…て話してばっかじゃ申し訳ないな、えーとエール4つと適当につまめるものをくれないか?」


 注文を聞きに来たのに話してばかりではダメだからな。ちゃんと料理を注文しないと割に合わないだろう。


「ありがとうございます。少々お待ちくださいませ」


 そう言ってメルトはいつも利用しているカウンターては別のカウンターへと向かう。おそらく、あちらが料理ようのカウンターなのだろう。


「噂って怖いわね…」

「そうですね…まさかそんな噂が流れているなんて…」

「センヤが鬼畜野郎な訳ないのにねー」

「私もちゃんと…同意した上で…パーティに加入しました…」

「まぁまぁ、お前らがそう言ってくれるだけで充分だよ俺は…他の人の噂なんて気にするな。俺達の関係こそが真実なんだから…」

「「「「センヤ(様・さん)…」」」」


 俺が思ったことを口にすると4人はそう呟いた。我ながらクサイというか随分とカッコつけたセリフだと言った後に気づいたが…何か顔が少し赤くなってるし、このまま平静を装うことにしよう。

 そんなことを考えており、少しの沈黙の時間が訪れたがそこに料理を持ってきたメルトがやってくる。


「互いに信頼と合意の元で組まれてる良いパーティじゃないですか…私も少しトキメいちゃいましたよ」


 エールとつまみを持ってきたメルトがテーブルの上に料理を並べながら言ってくる。


「聞いてたのか…まぁ、そういうわけでウチはちゃんとしたパーティだってことだ」

「ええ、そうみたいですね。それに、私は最初からそうだと思ってましたよ?これでも人を見る目はあるんです」


 メルトは自信満々に言う。メルトもミレーネの上級鑑定のように何かしらのスキルを持っているということなのだろうか?

 疑問に思いウニにパーティチャットで聞いてみるが、特にそれらしいスキルは見当たらないとのことだ。念のため持っているスキルを挙げていってもらうが…確かに思い当たるものはなかった。

 スキルではないとすると本当に人を見る目があるということか…自信満々に言うだけのことはある。


 おっ?そんなことを話していたらやっと現れたな…


「なんだ?随分と楽しそうじゃねぇか」


 そう言いながら近寄ってきたのはワーニルだった。


次回、ゴタゴタが済み次第ダンジョンへと潜ります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ