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ガチャで俺は最強になる  作者: 青藤清也
第1章 ガチャで俺は最強になる?
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第18話 君にこの声が届きますように

アロエ…一体何者?

 

 俺はアロエを連れて先ほど借りた2人部屋へと入る。


「あ…あの…話しとは…?」


 アロエが不安そうな顔で俺に尋ねてくる。


「この手紙についてだ…アロエ…俺はこの手紙を読めるんだ…だから書かれていた内容もわかる…知りたいか?」


 俺は真面目な表情でアロエに答える。アロエも俺の表情を見て気を引き締める。


「私は…知りたいです…」


 アロエは躊躇いながらも自分の意思を言葉にする。


「わかった…じゃあ話そう…」


 俺は手紙の内容をアロエに全て伝える。


 手紙にはこう書かれていた。


 ・この手紙を読んでる奴がどんな存在か俺は知らない。日本語で書いたこの文字もスキルの影響で読める可能性があるからだ。だが叶うなら俺達と同じ日本人に読んで欲しいと願う…だから異世界に来た奴が読んでくれていると仮定させてもらう。

 ・俺達は異世界を平和にすることを目標にとある異世界へと転生した。転生に伴い与えられたスキルで上手くやろうとした…だが、夢半ばで途絶えてしまった…結果で言うと世界は平和になったのだ。だが…そこに俺達という存在はなかった…その世界で得たものが多すぎて欲を出してしまったからだ。アイツらと一緒にいたいと思ってしまった…一緒に過ごしたいと思ってしまった…

 ・異世界を平和にした実績で俺と他の2人は帰ることができた。だが…元の世界に戻ってもその世界で出会った奴らを連れて行くことができなかった…だから俺達は神に戦いを挑んだ…そして敗れたんだ…

 ・神に敗れ、やがて消えゆく存在の中で俺達はできるだけ抗うことにした。俺達がやったことは大きく3つ。

 1つ目は俺達の特別なスキルの力を武器として作り変えること、俺達が勝てなかった要の原因である神を殺せる武器を製作した。神を殺せる武器を主軸にしたせいでスキルの能力は引き継げなかったが重要である神殺しの武器が作れた。

 2つ目は神に挑んだ仲間の中で唯一この空間の影響を受けなかった人物の改造だ。1つ目同様俺達の能力の一部をソイツに与えることに成功した。

 3つ目は1つ目で製作した武器と2つ目で改造した奴を他の異世界へと転移させることだ。別の世界で仮に同じ神や別の倒さなくてはならない神を殺せるようにするためだ。

 ・以上この3つを俺達は成し遂げた。そして、その経緯と理由を綴った手紙を作成したわけだ。だから、この手紙を読んでる奴は上に書いたようなことがあったということを少しでもいいから覚えておくことをお勧めする。

 ・最後に…これは俺の個人的な勝手な頼みなんだが…もし…これを読んでるのが男だったら…


 転送者アロエをどうか幸せにしてやってほしい…


 これを読んでるのが日本からの転移者だったら、どうせハーレム目指すような奴だと思う…それでもいい…どうかその輪の中に入れてやって欲しい…俺が与えられなかった幸せを与えてやって欲しい…それが最後の俺の個人的な頼みだ…。


 お前の歩む異世界ライフが平和であることを願ってる。


 ーー ー


 と最後の差し出し人の名前は読めなくなっていたが手紙にはそう書かれていた…


「そう…ですか…私は…生かされたん…ですね…」


 俺が読み終えると、いつの間にか涙を流していたアロエが涙ながらに言葉にする。


「多分だが…アロエの改造をするときに記憶を消されたんだと思う…この世界で生きてく上で辛い過去を思い出させないように…」

「そう…ですね…それに…やっぱり…センヤさんは…優しいですね…」

「どうしてだ…」

「だって…私よりも…を…流して…くれてる…じゃないですか…」


 アロエに指摘されたように俺は今アロエよりも号泣している。この手紙を読んでいるだけで…異世界物のアニメや漫画、ラノベを見てきた俺には幾つもの光景が浮かんでくるのだ…

 転移ではなく転生という困難な道のりを歩んだこと…仲間と共に世界平和を成し遂げたこと…その大切な仲間達と一緒にいたいが為に神に抗ったこと…そして…失敗したこと…

 考えたらキリがなく、最初から物語を考察しても行き着く先の未来が決まっている…きっと…いや絶対にコイツはアロエのことを好きだった…その上でアロエという存在を託したこと…それらを考えると俺はどうしても涙を流さずにはいられなかった。


「これは…運命なのかもしれない…」

「運命…ですか…?」


 俺は涙をぬぐいリバイアサンを顕現させる。


 多分だが…このリバイアサンという武器はこの手紙の主達が作ったものだ…説明の詳細が不明だということ、アロエが俺に近づいた時に懐かしいと感じたこと…以上の2点と、アロエがこの世界に転送されたということは作られた武器もこの世界に転送された可能性が高いことだ…。

 案の定、俺の推測は確かだったようで…


「これは…何故でしょう…すごく…懐かしい感じがします…」

「この武器は多分…この手紙に書かれている作られた武器だ…名前はリバイアサンという」


 俺がそう言うとアロエは少し思いだしたような顔をする。


「リバイアサン…少し名前が…違いますが…その名前を…私は知っています…知っていたことを…思い出しました…」

「本当か?他に思い出したことは?」

「ないです…ただ…」

「ただ…?」

「いえ…なんでもないです…」

「もしかしたら…他の武器を見せれば記憶を取り戻せるかもしれない…」

「本当…ですか…?」

「わからない…あくまで可能性の話だ…」

「私は…それでも…いいです…記憶を…取り戻したいです…」

「悲しいと…悲しむとわかっててもか?…そうさせない為に記憶を消したんじゃないのか?」

「センヤさんも…言いましたよね…運命だって…私も…そう思うから…」


 アロエは涙をいて改めて俺を見る。真剣な表情、明確な意思を持った力強い眼差しをして口を開く。


「だから…改めて言います…私をパーティに入れてください。」


 なぁ、手紙の主…俺は運にだけは自信があるんだ…だから奇跡という言葉ではなく、運命という言葉を使った。俺の運が導いたものだとな…でも、俺の運の力だけじゃない気がするんだ…お前の運も相当良かったんじゃないかってな…だからこそ…俺はお前の願いを叶えたいと思う…。


「アロエ…先に1つだけ言っておく…俺は可愛い女の子が好きだ。そして…幸運なことに俺のことを好きだと言ってくれる美少女がすでに2人いる…俺はその娘達のことを大切にしたいし守ってあげたいと思ってる。そして…この先そういう娘が増えるかもしれない…俺はハーレム大歓迎だからな。それでも…お前は幸せになれるか?俺は手紙の主の願いを叶えたいと思ってる。だからお前が俺と…俺達といても幸せになれないと思うなら…できる限りの協力はするが、パーティには入れられない。」


 俺がそう言うとアロエは考えが決まっていたのかすぐに口を開く。


「私は…パーティに入りたいです…それが…私の幸せに繋がると思うから…」


 コイツの意思は本物だろう…本気で俺達といることが幸せになると信じている。だが…


「なぜそう思う?俺には…その根拠が分からない…」

「私が…あなたの…いえ…センヤさんのことを…」



 〝好きになると思うからです″



 …マジかよ。どうして俺はこんなに…いや待て!アロエが言っているのは好きになると思うから…それはつまり、まだ好きじゃないってことだぞ!そうだ騙されるんじゃない俺!2度あることは3度あると言うが確定したわけじゃない自惚れちゃダメだぞ俺!………ふぅ、よし落ち着いた…だいぶ冷静になったな。


「そんな保証はどこにもないが…お前ががそれでいいなら俺は止めはしない…ただ1つ約束しろ。1度入ったからにはパーティを抜けたいなど絶対言わないこと、お前が俺達と一緒にいる道を選んだ以上、手紙の主の願いを叶えると誓った俺は一緒にいるお前に幸せになってもらう必要がある。だから、パーティを抜けたいなど言わないことだ。まぁ、抜けさせるつまりもないがな。」


「わかりました。それに…安心してください…多分…私の今の気持ちが…十分保証になると思うから…」


 なに!?今の気持ちって??それってつまりあれですか?俺に心が傾きかけてるってことですか??……いや、落ち着け俺…それよりもまず言うことがあるだろう…


「わかった…アロエ!お前をパーティに加入する!今からお前は俺達の仲間だ!!」


 俺がそう言うとアロエは目尻に涙を浮かべ…


「はい!よろしくお願いします!」


 満面の笑みでそう答えるのであった…


声というのは思いを言葉に変えたもの…だから声とは意志そのものだと私は思います。

だから私は今でもこの曲が大好きですし、タイトルにしたいと考えていました。


ということで仲間が増えました!

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