先祖返りの子供達
ルリユール<Langue de chat>は、製本及び痛んだ本の修復を致します。店内には素材の見本の他、製本後の本の見本もございます。本の試し読みも出来ますので、詳しくは店員にお訪ね下さい。
ハッピーバースデー。
387先祖返りの子供達
その日は明け方から始まった。
「産まれるよー!」と孝宏とエンデュミオンの部屋にクヌートが〈転移〉で現れたのである。
飛び起きたエンデュミオンが、イシュカの部屋のヴァルブルガと、客間に居るアインスを起こし、熟睡しているシュネーバルをイシュカに預け、領主館へと出掛けて行った。恐らく薬草魔女の居る〈薬草と飴玉〉には、クーデルカが向かったのだろう。
人狼ゲルトの子を宿している平原族イグナーツは男性である。女性のお産も命懸けだが、女性より痛みに耐性がないとされる男性のお産は、母体の死亡率が高いらしい。エンデュミオンまで行ったのは、魔女では出来ない処置が必要になるかもしれないからだろう。
いつもよりもかなり早いが、イグナーツと産まれてくる赤ん坊が心配で二度寝は無理だと判断し、孝宏は顔を洗ってから着替え、二階の台所に向かった。
途中にあるイシュカとヴァルブルガの部屋のドアは閉まっていたので、シュネーバルが起きないようにイシュカが添い寝しているのだろう。
ヴァルブルガがシュネーバルを起こしてでも連れて行かなかったのは、幼いシュネーバルにお産扱いはまだ早いと思ったからかもしれない。
(目が覚めたら拗ねるかもしれないけどね)
その時はイシュカと一緒にシュネーバルを慰めよう。
時間がたっぷりある孝宏は、大きな音を立てないように野菜やベーコンを刻んで鍋にスープを作り、果物のシロップ煮を刻んで入れたフルーツゼリーを作った。フルーツゼリーは固まったら、パウンドケーキや甘くないケークサレと一緒にゲルト達に届けてもらうつもりだ。
ゲルト一家には、お手伝いに北方コボルトのノーディカがいるが、彼女だって気もそぞろだろう。
届けて貰うパウンドケーキとケークサレをオーブンに入れて、火蜥蜴のミヒェルに任せ、朝御飯のサンドウィッチを作る。
〈麦と剣〉の大きな丸パンに切れ込みを入れながらスライスしていく。切れ込み部分に柔らかく練った刻みディル入りのクリームチーズを塗り付け、生ハムと柔らかくて色の濃いレタスを挟み込む。サンドウィッチはスモークサーモンバージョンと、甘いスクランブルエッグや、苺とクリームを挟んだものも拵える。
お茶用のお湯を薬缶で沸かし始めた頃に、イシュカがシュネーバルを抱いてやって来た。
「ちゃかひろー」
涙で濡れた円らな瞳をそのままに、シュネーバルがイシュカの腕の中から孝宏に向かって前肢を伸ばす。
「おはよう、シュネー」
「しゅねーばる、おいてかれたー」
「朝早かったからね。アインス達が帰って来たらお話聞こうね」
「うー」
抱き着いて来るシュネーバルを撫でて、孝宏はイシュカと苦笑を交わす。出会った頃に比べたら格段に毛並みが良くなったシュネーバルは、甘えるのも上手になって来た。最初は殆どお喋りしなかったな、と思い出す。
「シュネー、俺を手伝ってくれる? これイグナーツ達に食べて貰うゼリーなんだよ。冷やして固めたいんだ」
「う!」
子供用の椅子に下ろしたシュネーバルが、果物とゼリー液の入ったバットに真剣に向き合ってくれている間に、孝宏はお茶を淹れた。
「ちゃかひろ、かたまたー」
「有難う。氷魔法の使い方上手だね、シュネー」
「う!」
シュネーバルの師匠のヴァルブルガも氷魔法が得意なので、その内ヴァルブルガやエンデュミオンの知っている上位の氷魔法を伝授されそうだ。
カチヤとヨナタンも起きて来たので、朝御飯にする。テオとルッツも居るのだが、いつものようにルッツがお寝坊さんなので、もう少し後にやって来るだろう。外出時は家に居る時ほど寝起きが悪くないようなので、甘えているのかなと孝宏は思う。
ルッツは永遠の幼児なのでそういうものらしいし、〈Langue de chat〉に来たばかりの頃は分離不安症気味だった位なので、これでも改善している。
結局、エンデュミオン達はお昼過ぎに帰って来た。
「ただいま」
「うー、にーに」
「ごめんな、シュネー。でもシュネーはまだ沢山寝ないといけない歳だからね」
ちょっぴりむくれてみせた末っ子シュネーバルを抱き締め、アインスが謝る。
「おはなしきかせて!」
「いいぞ。ご飯を食べながらで良いか?」
「う!」
男性の平原族が産む人狼の子供と言う事で気を張っていたのか、三人とも少しばかり疲れた顔をしていたが、多めに作っていた朝のサンドウィッチと温め直したスープを、嬉しそうに口にする。
ノーディカが軽食を作ってくれたらしいが、満腹になると集中出来ないからと少し摘まんだだけだったらしい。
エンデュミオンが、スモークサーモンとクリームチーズのサンドウィッチをはむりと齧る。
「うん、美味しい。イグナーツも産まれた赤ん坊達も無事だぞ」
「達って事は、やっぱり双子だったの?」
孝宏がアイスティーをコップに注ぎストローを挿して、各自の前に置いてやる。
それなりの魔力がある筈のイグナーツの悪阻が酷かったので、お腹の子供も魔力が高いか双子だろうと予想されていた。
「うん。ルッツとシュネーバル、ヨナタンにも祝福してほしいと言っていたから、落ち着いた頃に行こう」
「う!」
ぶんぶんと尻尾を振りながら、シュネーバルが頷く。今はテオと店番をしているルッツも喜ぶだろう。
エンデュミオンはアイスティーでサンドウィッチを飲み込んだ。ストローでコップの中に一切れ入っている檸檬を掻き回す。
「まあ、孝宏にも少し関わって来るだろうしなあ」
「え?」
「赤ちゃん、先祖返りしてたの」
ヴァルブルガが苺とクリームのサンドウィッチを摘まんで言った。
「ゲルトって、塔ノ守 の子孫だっけ?」
どちらかというと寡黙なゲルトは、〈Langue de chat〉に本を借りに来るものの、最低限しか喋らない。当然家系の事などは聞いた事がない。それにイグナーツが身重となってからは、養子のフュルとヨアヒムが教会学校に来るついでに本を借りていっていた。
「赤ちゃん産まれた後に聞いたの。何代か先に、カイの血統の人狼が居たんだって」
「そうなんだ」
ゲルトは赤毛の人狼アーデルハイドと同郷だが、カイとは別の集落だ。
王宮や神殿に保護されず、人狼の保護を受けた〈異界渡り〉は、人狼と番になって子孫を残している。産まれた子孫たちは殆どが人狼でたまに先祖返りが居るらしいが、全員が〈異界渡り〉の血を引いているのは間違いない。別の集落の人狼と番になったり、ゲルトの姉のように他の人族と番になる事もあるが、今までは人狼の集落で暮らす者にのみ先祖返りが出ていたようだ。
「産まれた双子は、一人が人狼で一人が平原族だったが、二人共漆黒の髪と目だよ。カイとリクみたいな感じだな。養子のフュルとヨアヒムとは違ってイグナーツの血を引くから、双子はリグハーヴス公爵家が所有権を持つんだ。所謂紐付きだな。〈異界渡り〉や先祖返りが〈天恵〉持ちだと知っている上位聖職者や準貴族がいれば、養子にと言って来るからもしれないが、アルフォンスは断るだろうな。ゲルトの怒りを買うし、領主館のコボルト達も許さないだろう」
人狼の雄は自分の群れを守る習性がある。特に子供が生まれたばかりの人狼は敵に容赦しない。
それにコボルト達が許さない、と言うなら彼らから祝福を貰ったのだろう。
「もう領主館の子達の祝福貰ったんだね」
「うん。呼び集めて祝福させた。ココシュカは祝福は出来ないが、羽根を渡してたぞ。エアネストも祝福していたようだし」
エアネストは聖属性の魔熊である。聖魔法については未熟ながら、元司教マヌエル直伝である。おそらく将来は司教クラスの聖魔法使いになるだろう。
どうして妖精に祝福させるのかというと、赤ん坊に危機が迫れば、祝福した妖精には解るのだ。ココシュカは執事クラウスのキメラだが、魔物なので祝福は出来ない。その代りにお守りにと羽根を渡したようだ。
「地上にココシュカより強い魔物、そういないよね?」
「ココシュカより、魔剣ココシュカを持ったクラウスの方が危険だがなあ」
クラウスが前衛で、ココシュカが後衛なのである。
「先祖返りが狙われるのは理由がある。〈異界渡り〉や先祖返りは精霊に好まれるから、土地が豊かになるんだ。人狼達が集落から先祖返りを出さないのも、〈天恵〉の恩恵があるからだしな」
「うーん、環境的に人狼の里の方が、王宮や教会にいるよりも幸せだと思うけど」
孝宏はカイとロルフェの話を以前聞いているのだが、一応番になる人狼は好意のある相手になるようだし、番と一緒であれば旅行にも行けるのだ。そして人狼は番をとても大切にする。カイとロルフェも仲睦まじい。彼らもそのうち子供が出来るのではなかろうか。
「しかし、ハイエルンにカイとリクの先祖の血統がそれなりに居る筈なのに、他の土地とそれほど環境が変わらないのは、個体の血の濃さの違いなのかな? ヴァルブルガ」
「やっぱり黒髪黒目で産まれる方が血が濃いのは間違いないの。初代が居たのがカイの集落だから、あそこが一番血が濃いの」
エンデュミオンにヴァルブルガが頷く。集落から出た子孫はどんどん血が薄まる傾向にあるのだ。
「あ、そっか。ゲルトも少なからず血を引いているけど、青が入ってるんだね」
黒以外の色が入るのは、血が薄まった証なのだと孝宏は悟った。子孫でも黒が入らなければ、かなり血が薄いのだろう。
ゲルトは青黒毛なのだ。フュルとヨアヒムも青黒毛である。色的には血が濃い方なのだろう。孝宏にしてみれば、青い髪というのが珍しいので、黒髪が珍しいと言われる方が違和感甚だしい。
「恐らく血が濃くなりすぎないようにはしているが、薄まらないようにもしているんだろう」
〈異界渡り〉の〈天恵〉は一般的には知識だと思われがちだ。体質こそが〈天恵〉だと理解しているのは、王族や教会上層部、そしてハイエルンの人狼達といったところか。
「それにしても双子だとお世話が倍だね。ノーディカはそのままお手伝いするの?」
「ノーディカはそのまま乳母だな。フュルとヨアヒムも頼りになるが、子供だし勉強もさせないとならないからな。落ち着いたらゲルトは訓練にも行くだろうし」
ゲルトはイグナーツ専属の騎士ではあるが、極東竜ピゼンデルの竜騎士でもあるので当然訓練には参加しなければならない。
「フュルとヨアヒムの勉強も見られて子守も出来る人材がふらふらしているから、呼び戻そうかとエンデュミオンは思う」
「……もしかして、フィリップとモーリッツ?」
孝宏の出した回答に、エンデュミオンがニヤリと笑った。
エンデュミオンとラルスの父親である。モーリッツに放浪癖があるのでそれにフィリップが付き合い、一年の殆どを旅している。現在は〈暁の砂漠〉のテオの実家に滞在していると手紙が来ていた。親同士がまさかの知り合いだったのだ。
フィリップは上級魔法使いで、モーリッツは魔道具職人だ。
「ジルヴィアはどうするの?」
「ケットシーの里の牧場に戻しても、領主館に連れて行っても良いと思うが。食われて困る植物に近付けなければいいんだ」
モーリッツの愛羊樹ジルヴィアは食欲旺盛なのである。
エンデュミオンの温室には、マンドラゴラのレイクが居るので置いておけないのだ。
「室内に置いておいても汚れないしな」
「噛まれても怪我しないしね」
バロメッツは綿とフェルトで出来たような生き物なのだ。なのにもりもりと植物を食べるという不思議さだったりする。
「エンディ、ゼリーと焼き菓子を後でゲルト達に届けて貰いたいんだけどお願い出来る?」
「いいぞ。エンデュミオンも一休みしたら、アルフォンスに会いに行くから。フィリップ達を派遣していいか確認してくる」
「そうだね。それが良いね」
フィリップは兎も角、モーリッツは中々癖のある自由過ぎるケットシーなのだった。
一時間ほど昼寝をし、エンデュミオンはゲルト一家に届けるお菓子と、アルフォンスに届けるお菓子を〈時空鞄〉に詰めて〈転移〉した。
アルフォンスの執務室のドアの前で声を掛けようとする前に、ドアが開く。
「いらっしゃいませ、エンデュミオン」
「お邪魔するぞ、クラウス」
相変わらず気配察知が素晴らしいアルフォンスの執事クラウスである。
「来るんじゃないかと思っていたよ、エンデュミオン」
アルフォンスは休憩時間だったのか、ソファーに座っていた。隣の座面に敷いた毛布の上には、翼の生えた白虎の姿のココシュカと、笹かまケットシーのカティンカが居る。
「よいしょ」
エンデュミオンはアルフォンスの向かいのソファーによじ登り、〈時空鞄〉から孝宏に預かって来ていた焼き菓子の包みをクラウスに渡した。
「孝宏が作った、甘いのと甘くないケーキだ」
「有難うございます」
クラウスがお茶を淹れに奥の小部屋に向かう。
「エンデュミオンの用事は、ゲルトとイグナーツの双子の事だろう?」
「うむ。カティンカ達にもう聞いてはいるだろう? 先祖返りだ。アルフォンスはどうするつもりだ?」
アルフォンスは肩を竦め、すとんと落とす。
「特に何かするつもりはないな。イグナーツ同様保護するし、元気に育ってくれればいい。子供達がどんな職に就いても誰と結婚してもいいが、リグハーヴスには残って欲しいかな」
「イグナーツがリグハーヴスから動けないから、ゲルトもそう望むんじゃないかな。平原族に産まれた子は、孝宏と同じで魔石を使っても小さな魔法しか使えないだろうし」
「だからこそ先祖返りは人狼族が保護しているのだろうしなあ。だがヒロやイシュカのように、魔法が使えなくても仕事も生活も出来るという例があるから、心配はしていないだろう」
「そうだな。平原族の子の方を誰と番にさせるかで、ひと悶着あるかもしれないが」
「そう言った予言は止めてくれないか……」
予言ではなく事実である。イグナーツの子供達はアルフォンスの所有になる為、ゲルトの一族でも口出しはしてこないと思うが。
「一番可能性が高いのは、アーデルハイドが産む子供だな。あそこもそろそろ子作りするかもしれないから」
リグハーヴスには人狼は少ないので、既に結婚しているゲルトの知り合いの人狼と言うと、アーデルハイド位だ。アーデルハイドも彼女の番のスヴェンも、他に兄弟が居るので家を継ぐ必要はない。
「人狼は異性でも同性でも番になるからか」
「相性がよければいいらしい」
クラウスがテーブルに紅茶のカップと、パウンドケーキの皿をそっと置いていく。エンデュミオンのカップにはミルク多めで少し温めの飲み頃ミルクティーだ。
「子供達の属性が何かでも、動きは変わりませんか?」
「イグナーツが聖属性持っているんだよな……」
毎日女神にお祈りをしているので、イグナーツには聖属性があるのだ。だが聖魔法は覚えていなかった筈だ。
「もう少し大きくなったら、属性確認をしよう。素質があればマヌエル師に相談すればよい」
マヌエルは隠者なので、教会と少し離れた位置にいる。相談するにはもってこいなのだ。
エンデュミオンはミルクティーを一舐めした。ほんの少し蜂蜜が入っていて美味しい。
「アルフォンス、相談なんだがゲルトのところの子守に、エンデュミオンとラルスの父親を投入してもいいだろうか」
「は?」
アルフォンスがカップに伸ばし掛けた手を止める。
「フィリップとモーリッツと言うんだ。上級魔法使いと魔道具師だから、フュルとヨアヒムの教育にも良いと思うんだ。主にフィリップの方だが。モーリッツの方はかなり自由な性格をしているから、調子の悪い道具類を渡して置けば修理していると思う。あとモーリッツはバロメッツを一頭連れているからそれもかな」
「……エンデュミオンのお薦めなのか?」
「フィリップは子供の世話も出来るし、基本的な教育も魔法も教えられるから大丈夫だ。モーリッツも赤ん坊の世話は出来るぞ。イグナーツにまとまった睡眠時間を与える為にも、お手伝いはいるだろう?」
フィリップもモーリッツも、離乳までエンデュミオンとラルスを育てたのだ。そして二人共かなり子煩悩である。
「その二人が承知してくれるのなら構わないが」
「リグハーヴスに戻って来るように手紙を送る。暫く帰って来ていないから、戻って来るだろう」
「ん? 〈ケットシーの里〉にいないのか?」
「今は〈暁の砂漠〉のロルツィングの所にいるんだ。モーリッツに放浪癖があって、国中を旅して回っている。フィリップはそれについていっているんだ」
「……苦労症だな?」
「時々愚痴混じりの手紙が来る」
エンデュミオンは小さく笑った。森林族だった頃、家族との関係が希薄だったエンデュミオンにとって、ケットシーの親と弟の方が身近なのだ。彼らはいつでもエンデュミオンにまっすぐな愛情を向けてくれる。
アルフォンスが、パウンドケーキをココシュカに食べさせていたカティンカに訊く。
「カティンカはフィリップとモーリッツに会った事があるか?」
「ああい。フィ、フィリップとモーリッツ、エンデュミオンとラルスにそっくり」
アルフォンスとクラウスが、主従揃ってエンデュミオンの顔を見た。エンデュミオンの鼻の頭に皺が寄る。
「何だ?」
「これが二人……」
「フィリップは上級魔法使いでしたか。火力の高い親子ですね」
「悪かったな!」
ちなみにエンデュミオンの弟のグラッフェンも高い魔力持ちだが、大工職人見習いである。
アルフォンスは笑いながらカップを手に取った。紅茶の水面がふるふると揺れている。
「イグナーツと子供達の護衛としてもゲルトが安心するだろうから、フィリップ達の派遣を頼む。会うのが楽しみだ」
「全く。面白がっているだろう。フィリップに変な事を聞くなよ?」
アルフォンスが聞かなくても、フィリップはエンデュミオンの子供の頃の話を語りそうで、少しばかり不安である。フィリップにとってエンデュミオンとグラッフェンは、可愛くて堪らない息子達らしいのだ。所謂親馬鹿である事は否めない。
意外と淡泊な親子関係が多いケットシーの中でも、フィリップとモーリッツは家族愛に溢れていた。
実はフィリップもモーリッツも幼少の頃、ギルベルトに預けられ可愛がられて育っていたので、それが普通だと思っているだけなのだが、エンデュミオンは知る由もない。
エンデュミオンからの手紙がフィリップの元に届くのは、夏の終わりの頃だった
やっとここの話が書けました。夏からずれこみまくりです。
妖精達の警備隊が領主館に出来そうです。
次回はフィリップ達が帰って来る予定です。