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アルフォンスと呪いの手紙

ルリユール<Langue de chat>は、製本及び痛んだ本の修復を致します。店内には素材の見本の他、製本後の本の見本もございます。本の試し読みも出来ますので、詳しくは店員にお訪ね下さい。

やっぱり巻き込まれるエンデュミオンです。


354アルフォンスと呪いの手紙


 王弟ダーニエルからの手紙を思い出したエンデュミオンは、領主アルフォンスの元へと行く事にした。

 魔熊まゆうエアネストをリグハーヴスに置いて貰う以上、アルフォンスの許可は必要だ。

 思うところがあって、まずは騎士隊の詰所の前に〈転移〉した。ドアを叩こうとしたところで「エンデュミオーン」と名前を呼ばれた。

「クヌート」

 並んで歩いてくるディルクとリーンハルトを後ろに、クヌートがこちらに走って来ていた。

「エンデュミオン、どうしたの?」

「アルフォンスに用があるんだが、ここのコボルト達にも用があってな」

「なーに?」

「うちに魔熊がいるんだ。〈暁の砂漠〉のプラネルトに憑いたんだが、まだ赤ん坊なんだ。顔を見に行ってやってくれないか? 名前はエアネストと言うんだ」

「エアネストとプラネルトだね。行ける子達で行くね」

「頼む。アルスは図書室か?」

「うん」

 写本師で司書のアルスは、ほぼ毎日図書室にいる。

 クヌートが首を傾げる。

「通訳、いる?」

「いや、多分大丈夫かな」

 アルスは黒森之國くろもりのくに語は話せないが、こちら側から質問するだけなら、頷いたり首を振ったりで意思疎通出来る。

 エンデュミオンはディルクとリーンハルト、クヌートに前肢を振って領主館の二階に〈転移〉した。てくてく歩いて細くドアが開いている図書室に滑り込む。

「アルス」

「たう?」

 アルスは暖炉の前で大きなクッションに座って本を開いていた。アルスにくっついて、キメラのココシュカが丸くなって寝ている。アルスの側は静かだからか、ココシュカはよく寝に来ている気がする。

一寸ちょっと教えて欲しいんだが、魔熊について書かれた本を知っているか?」

「たう!」

 アルスが頷く。

「それを書き写して、〈Langueラング de() chat(シャ)〉にいるプラネルトに渡して欲しいんだ。うちに魔熊の子がいてな」

「たうう!」

 アルスの目が輝く。司書のアルスは当然の事ながら知識が大好物なのだ。魔熊がいると聞いて俄然やる気になってくれたようだ。

「後でクヌートが誘いに来ると思うから、魔熊のエアネストの所に遊びに行ってやってくれ」

「たうたう!」

 こくこくと頷き、読み掛けの本をクッションに置いて、本棚の方に向かっていった。早速本を探し出して写本してくれるようだ。ココシュカはもぞりと動いただけで目を覚まさなかった。

「頼むな」

「たう!」

 任せて! とばかりに尻尾を振るアルスに写本を任せ、エンデュミオンは図書室を出た。同じ階にアルフォンスの執務室があるので、今度はそちらに歩いていく。

 執務室の前に立った途端、ドアが開かれた。

「いらっしゃいませ、エンデュミオン」

 ドアを開けたのは、濃い灰色の髪をしたアルフォンスの執事クラウスだった。表情に乏しく黒いお仕着せもあって、中々に凄みがあるが決して厳つくはない。顔立ちは穏やかだし、妖精フェアリーにも懐かれるので好人物の筈である。例え戦闘時には魔剣ココシュカを前衛で振り回す剣士であっても。魔剣ココシュカは、中身の魔物ココシュカの方が後衛なのである。

「アルフォンスはいるか?」

「御在室ですよ。どうぞ」

 クラウスが開けてくれたドアを通って執務室に入る。

「アルフォンス」

「……今度は何をやらかした?」

 声を掛けるなり笹かまケットシーのカティンカを膝に乗せて書類を決裁していたアルフォンスが、疑いの眼差しをエンデュミオンに向けてきた。

「うーん、人助けというか、熊助けというか。まずダーニエルから預かっている手紙を読んでくれ」

「ダーニエルから?」

 現王マクシミリアンと幼馴染みだけあり、王弟ダーニエルとも親交があるようだ。

 エンデュミオンはクラウスに手紙を渡し、アルフォンスに届けてもらう。

 アルフォンスは封筒を開けて、便箋を取り出し目を落とした。それほど長くない本文を読んでから、溜め息を吐いて疲れたように目頭を指先で押す。

「……何故普通に訓練に行って帰ってこられないんだ?」

「いや、エアネストが出てきたのはエンデュミオンと孝宏たかひろのせいじゃない。多分」

 例え孝宏の杏茸あんずたけのクリーム煮に惹かれて来たのだとしても。

「最初はエンデュミオンが引き取って、セント属性のマヌエルとシュトラールに預けようかと思ったんだが、プラネルトに憑いたんだ」

「プラネルト?」

「プラネルト・モルゲンロート。〈暁の砂漠〉のテオの従兄弟だ」

「モルゲンロートを名乗れるなら族長候補者ではないか!」

「プラネルト本人は族長になる気はないらしいぞ。あと雷竜レーニシュの竜騎士だ」

「何故〈暁の砂漠〉に連れていかなかったんだ?」

「エアネストがまだ赤ん坊なんだ。砂漠の暑さには耐えられないだろう。ヴァルブルガも賛成しなかった。以前ルッツでさえ熱中症になったんだ」

「そうか……」

 エンデュミオンは前肢で頭を掻いた。

「実は〈暁の砂漠〉のロルツィングに、プラネルトをリグハーヴス騎士隊に出向出来ないか聞いている最中だ」

「はあ!?」

 アルフォンスが素っ頓狂な声を上げた。

「どうせリグハーヴスにいるなら、竜騎士の指導をして貰おうと思ってな。騎士隊の仕事も嫌がらないでやってくれると思うぞ? 同盟を結んでいるんだし、問題ないだろう?」

「問題ないが、先に言え!」

「昨日の今日だからなあ。ロルツィングから返事が来たら、プラネルトとエアネストを連れてくる。宿舎に空きはあるか?」

 エンデュミオンの問いにはクラウスが答えた。

「空きはありますが、どの場所に入って貰うかは、隊長であるパトリックに確認したいですね。ヘア・プラネルトはどんな方ですか?」

「朗らかだな。温厚だし、きさくだぞ。妖精にも好まれる」

「ならばもし二人部屋になっても大丈夫そうですね」

「恐らくは。本人に会ってから決めると良い。何しろ、エアネストも一緒なんだし」

 エアネストは可愛いし、愛嬌もあるので大抵の人に好まれると思うのだが。

「明日か明後日にはロルツィングから返事が来ると思う。そうしたら二人を連れてくる」

「もう確定じゃないか」

 アルフォンスが苦笑して、膝の上のカティンカの頭を撫でた。

「ににゃ」

 カティンカが嬉しそうにぐるぐると巻いた尻尾を揺らす。エンデュミオンは撫で肩を竦めた。

「外聞的にも、アルフォンスの所に族長候補者を預けた方が良いだろう? 〈暁の砂漠〉の民を畏怖する者もいるんだ」

 特に王都の上流階級の者達は。

 自由に動き回り、エンデュミオンや〈異界渡り〉の孝宏の元にいるテオは、社交界の裏で何を噂されているか解らない。

 彼らにとって〈暁の砂漠〉の民は、過去に迫害した負い目があり、かつ今でも下に見る対象なのだ。

「そこまで考えたのか」

「アルフォンスの立場もあるだろう。王妃の兄なんだから」

「気を回させてすまない」

「アルフォンスに迷惑を掛けていないとは、エンデュミオンだって思っていないんだ。いつも巻き込んですまないと、少しは思っている」

「少しなのか!?」

 前世で王族にたらふくこき使われたのだから、良いではないか。エンデュミオンはフンと鼻から息を吐いた。

「ところでアルフォンス、最近体調はどうなんだ? 何だか体内魔力が揺れているぞ」

 正常なら規則正しく体内を循環している筈の魔力の流れがおかしいと、エンデュミオンは黄緑色の目を細めた。先程からこんな状態だったろうか。

御前ごぜん?」

 体調が悪いのを隠していたのかと、じろりとクラウスがアルフォンスを睨む。アルフォンスが慌てた様子を見せる。

「いや、エンデュミオンやコボルト達が薬草茶をくれるし、日中はカティンカがいるからこの所不調を感じていないぞ」

「そのカティンカがくっついているのにも関わらず、魔力の流れが不安定なのがおかしいんだ。カティンカ、一寸アルフォンスの膝から下りてみてくれ」

「ああい」

 んしょ、とカティンカがアルフォンスの膝から滑り降りる。その瞬間アルフォンスの血の気が一気に引いた。

「う……」

「アルフォンス!」

 椅子から転げ落ちそうになったアルフォンスをクラウスが咄嗟に腕を伸ばして支える。

「〈凍結解呪〉!」

 エンデュミオンは一気に魔法陣マギラッドを描き上げてアルフォンスに飛ばした。銀色に光る魔法陣がアルフォンスの身体に吸い込まれる。

 ピキキ、パキン。

 アルフォンスの身体の中で何かが凍り付き、砕ける音がした。

「クラウス、アルフォンスを眠らせろ!」

「〈眠りの闇よ、ここに〉」

 躊躇いもせずにクラウスが掌でアルフォンスの目を覆い、呪文を唱えた。強制的に眠りに落とされ、力の抜けたアルフォンスを軽々と抱き上げ、寝室へと運ぶ。ベッドへアルフォンスを寝かせ、クラウスは振り返った。

「今のは何です?」

「呪いだ。しかも芽吹いたばかりの呪いだ。エンデュミオンがリグハーヴスに居ない間に入り込んだのか? ……腹が立つな」

 イライラとエンデュミオンは柔らかい革靴で覆われた肢先で、床をたしたしと蹴った。

「エンデュミオンは聖属性がないから、咄嗟にアイス属性で〈解呪〉してしまった。アルフォンスを良く温めてくれ。カティンカはアルフォンスにくっついていてくれればいい。これからイージドールを呼ぶから、〈浄化〉して貰ったらロジーナもアルフォンスに付いて貰ってくれ。ロジーナはサラマンダー属性が強いだろう?」

「承知しました。セーマ属性が強い私がいても大丈夫ですか?」

 ココシュカに魔剣の主として選ばれたクラウスは闇属性が強いのだ。

「クラウスは穢れのない闇属性だから問題ない。──シュヴァルツシルト、イージドールを連れてこい!」

 ぽん! とシュヴァルツシルトと司祭プファラーイージドールが目の前に現れる。

「エンデュミオン、どうし……どこに呼んでるんですか!?」

「すまん、緊急なんだ。きちんと〈解呪〉出来ているか確かめて〈浄化〉してくれ」

「呪いですか?」

 すっとイージドールが真顔になる。

「失礼します」

 声を掛けて、イージドールが横たわるアルフォンスの手を取った。イージドールが聖句を呟く間、シュヴァルツシルトが〈時空鞄〉から取り出した鈴を鳴らして場を浄める。

「大丈夫です。きちんと〈解呪〉されています。これは氷属性ですか? お身体が冷えておられますので、温めて差し上げてください」

 イージドールは自分の手首に着けていた数珠を外し、アルフォンスの手首に巻き付けた。

「地下神殿の聖属性水晶で作った数珠なのでお守りに」

「ににゃ」

 掛け布団を掛けられたアルフォンスの傍らに、カティンカが潜り込んで行く。

 エンデュミオンは〈時空鞄〉に入っていた熱鉱石の懐炉と魔力回復薬を幾つか取り出し、クラウスに渡した。

「これを使え。エンデュミオン達は書斎を調べるから、アルフォンスを頼む。カティンカは少しアルフォンスに魔力を分けてやれ」

「ああい」

 いつもアルフォンスに〈治癒〉を掛けているカティンカは、魔力の相性がいい筈だ。

 アルフォンスの着替えやロジーナを呼ぶのはクラウスの仕事なので、エンデュミオンはイージドールとシュヴァルツシルトを連れて、書斎に戻った。

 ドアを閉めるなり、イージドールが珍しく憤った声で言った。

「リグハーヴス公爵に呪いなんて、何処の馬鹿です?」

「どこから来た呪いなのか、エンデュミオンもまだ解らなくてな」

 聖属性も持つカティンカが、常時〈治癒〉を使っていたから呪いの成長が遅かったとはいえ、あれは体内魔力を食い尽くす呪いだった。魔力量が決して少なくないアルフォンスだが、そもそも頑丈ではないので、魔力枯渇状態になれば暫く寝付いてしまう。エンデュミオンがクラウスにアルフォンスを眠らせて貰ったのは、魔力枯渇を自覚させたくなかったからだ。

「恐らく呪いを植え付けられたのはここ数日、もしくは今日の筈だ。クラウスは呪いを受けずにアルフォンスが呪いを受けたのなら、十中八九呪物はここだろう」

 エンデュミオンはアルフォンスの執務机を前肢で示した。

「手紙ですか!?」

「恐らくは。よいしょ」

 エンデュミオンは執務机の前の椅子によじ登った。

 執務机の上には、決裁済みと決済前の書類を入れる箱がそれぞれ置いてある。エンデュミオンとイージドールは机の手前に広げられていた手紙類を覗き込んだ。

「一番上にあるのはダーニエルからの手紙だから、この下にあるのがエンデュミオンが来た時に開いていたものか……。ダーニエルの手紙に呪いがないのは、エンデュミオンが知っている」

「触らないでくださいよ」

「うむ。下手をすると呪いの魔法陣を、エンデュミオンの魔力で吹き飛ばすかもしれん」

「そう言う意味じゃないんですけどね……」

 イージドールが心配をしてくれているのは解るのだが、大概の呪いよりもエンデュミオンの魔力の方が上なので、ほぼ呪いに掛からないのだ。そもそもケットシーは呪いを掛ける側である。

 風の精霊(ウィンディ)に手紙と封筒を宙に浮かせて貰い、検分する。

「そのかみ、もようあるー」

 下からレンズを目に翳して見上げていたシュヴァルツシルトが教えてくれた。

「光を裏から当ててみよう」

 エンデュミオンは光の精霊(ラーハ)に紙の裏から照らして貰った。果たして、そこに呪いの魔法陣が浮かび上がった。

「最初に手紙を開いた者に呪いを植え込むのか。うーん、氷属性で〈解呪〉して正解だったな。これは植物を使った呪いだ」

「植物を?」

「古い呪いだ。生物を魔力を糧に植物化してな、出来上がる魔力核を採るんだ。昔、魔族と人間が争っていた頃の呪いなんだが、何で今頃」

 昔々、魔族の植物愛好家が作り出した呪いの魔法陣だった筈だ。魔力が高い程美しい植物と魔力核になるのだという。

「この手紙を出したのはハイエルンの鉱山地区担当者か。しかも内容が新しい鉱山を開いたから、聖水を分けて欲しい? きな臭いなあ」

「鉱山、聖水と来ましたか。ハイエルンって、リグハーヴスと〈黒き森〉は繋がっているんですよね?」

「繋がっているなあ。そもそも地下迷宮があるのはリグハーヴスのみという事になっているが、実際は地下迷宮の階層がまっすぐ下に向かっているのかは定かじゃない」

「もしかします?」

「もしかするかもなあ。うちの大切なアルフォンスに手を出したんだから覚悟してほしいものだが。まずは呪いを返すか。〈呪いを作りしものの元に帰れ〉」

 ぱん、と爪で紙面を叩く。パッと光った魔法陣は、シュヴァルツシルトがそつなく開けた掃き出し窓から外に飛び出して消えた。

 ばたばたと廊下を走る足音が近付いて来て、「旦那様!」というロジーナの声が聞こえた。火属性のロジーナが来れば安心だ。ロジーナは〈治癒〉も使える。

 暫くしてクラウスが執務室に入って来た。いつになく目が据わっている。何となく部屋が暗くなったような気がする。

「クラウス、暗殺者みたいな目をするのは止めようか。取り敢えずエンデュミオンが呪いの術を返しておいたから」

「それは有難うございます」

 うっすらと微笑むクラウスの目が笑っていない。

「このハイエルンの鉱山地区担当者から来た手紙に呪いが組み込まれていた。クラウスはアルフォンスの代理で手紙を出せるだろう? ハイエルン公爵に確認の手紙を書いてくれ。その鉱山が今どういう状態なのか確かめてほしい」

 クラウスは執務机の上の手紙にざっと目を通した。

「聖水……?」

「やはり引っ掛かるのはそこか。エンデュミオンは手紙を書いた者と、呪いを刻んだ者が別なのではないかと思う。そもそもアルフォンスに呪いを送る意味が解らない。聖水を頼んでいるのにだぞ? しかもリグハーヴスにはエンデュミオンが居るのに」

「そう、ですよね」

「呪いの紙の取り違えとか……ありえます?」

 イージドールの呟きに、エンデュミオンとクラウスは顔を見合わせた。

「もしハイエルンの鉱山に魔物が居るなら、まずはハイエルンの転覆を狙うか」

「人型の魔物なら、目の色さえごまかしたら人の中に紛れ込めます。高度な変身の魔法だと、それなりの魔法使い(ウィザード)か聖職者でないと見破れません」

「くそ、エンデュミオンは関わりたくないのに!」

 たむたむと座面の上で足踏みするエンデュミオンの肩に、クラウスが手を置いた。仄暗い灰色の瞳がエンデュミオンを見下ろす。

「私が直々にハイエルンに行って、閉山させても良いですか?」

「それは流石にマクシミリアンが泣くと思うぞ?」

 鉱山は國の資産である。クラウスを単独で行かせたら、気苦労でアルフォンスの寿命が縮む気がする。それは宜しくない。非常に宜しくない。

「クラウスはまずハイエルンに確認をしてくれ。くれぐれも勝手にハイエルンに行かないように」

 エンデュミオンはクラウスに釘を刺した。

「僕は司教ビショフ猊下に知らせます。行こう、シュヴァルツシルト」

「あいっ」

「エンデュミオンはマヌエルに知らせて来る。ハイエルンでケリをつけてくれるといいんだがな。ハイエルンからの返事が来たら知らせてくれ。その時にでもプラネルトとエアネストを連れてくるから」

「承知しました」

 ぽんぽんとエンデュミオン達が〈転移〉で姿を消し、クラウスは一つ大きな溜め息を吐いた。

 ハイエルン公爵へ手紙を書かねばならない。

 それから魔剣ココシュカを研ごう。


すんなり報告だけして帰れると思ったら帰れなかったエンデュミオンです。


カティンカは膝の上に居る間、アルフォンスに弱い〈治癒〉を掛け続けています。

領主館の主寝室は中心に寝室があって左右対称にアルフォンスとロジーナの居間と執務室があります(ドアで繋がっています)。

アルスは司書なので、ほぼ毎日図書室にいます。エンデュミオンに借りた図書室にない本を写本して、勝手に図書室の本を増やしていますが、目録を作っているのもアルスなので多分問題ない。


クラウスは二つ名があるような魔剣士なので、エンデュミオンも近距離戦闘したくない位には強いです。魔剣(魔物)憑きなので、一般人よりも頑健で力もあります。

ココシュカが剣の中に居る時は、ココシュカの翼を借りて飛べたりもします。

当然王宮に勧誘されたけど、アルフォンス個人の執事なので断りました。


リグハーヴスの妖精達は、アルフォンスの寿命を延ばすのに余念がありません。


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― 新着の感想 ―
[良い点] まさかのアルフォンスが呪いに倒れるとは! 何か裏がありそうですが、犯人を見つけたらちゃんとけじめとして落とし前はつけないと! なんたって領主様であり「うちの大切なアルフォンス」である存在に…
[良い点] >魔剣ココシュカを研ごう やはり一番怒らせてはいけないのはこの方ですね。 どうぞハイエルンに血の雨(たとえそれが魔物でも)が降ったりしませんように(T人T)合掌
[一言] エンデュミオン、訓練から帰ってきたばかりなのにまた忙しくなりますね。皆さんの迅速な対応が素晴らしい。アルフォンスが目を覚ます頃には解決している…といいのですが。 それにしても誰が?
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