王の庭
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黒森之國の王様とは。
329王の庭
執務室のドアがノックもなしに開き、ツヴァイクが入って来た。
王族の部屋に入るドアは開けられる者が限定されている。当然マクシミリアンの執務室もだ。マクシミリアンの唯一無二の腹心で側近であるツヴァイクは当然登録されているので、ノック無しに開ける事を許されている。
「ん?」
入って来たのはツヴァイクだけではなく、その後ろにローデリヒの側仕えのニコラウスがいた。
執務室のドアがきちんと閉められるのを確認し、マクシミリアンはツヴァイクに視線で問う。
「ニコラウスがローデリヒ殿下から手紙を託されたそうです」
「手紙?」
毎食一緒に食事を摂ったりしない王族では、意外と手紙のやり取りは多い。手紙だと、都合のいい時間に読めるので、文字が書けるようになると子供達から手紙が来るのだ。勿論、妃達からも宮への誘いの手紙が来たりもする。
一時期、側妃カサンドラ派がローデリヒを王太子にしようとする動きが強くなり、お互いの安全の為に接触を避けていたが、基本的にマクシミリアンは子供達を公平に大切に思っている。現在は王妃と側妃カサンドラに王子が、他の二人の側妃に姫がそれぞれいるが、世継ぎや公爵や準貴族達の繋がりの為に必要な子作りは王の責務である。
代々の王の中には特定の妃や愛妾だけを寵愛していた者もいたが、マクシミリアンは正妃エレオノーラの立場を尊重し、側妃を付け上がらせる行動はしなかった。なによりマクシミリアンは自分の寝室にはツヴァイクしか入れず、誰に寵があるのかは明らかだったからだ。
「手紙とは、ローデリヒからか?」
「エンデュミオンからです、陛下」
緊張した面持ちのニコラウスから、ツヴァイクへ封筒が渡され、マクシミリアンの執務机の上に乗る。
白い封筒に見覚えのある緑色のインクで、マクシミリアンの名前が書いてある。流麗だが読み易い、エンデュミオンの文字だ。
「いつもなら精霊便で送って来るのに珍しい」
精霊便で来なければ、本人が文句を言いつつ〈転移〉して来る腰の軽いケットシーである。
「午後にローデリヒ殿下とラプンツェルと私で、王領の森に参りました。森の浅い場所にある泉のほとりで野営をしているケットシー二人に会い、二人の内片方のケットシーがエンデュミオンの父君でございました」
「エンデュミオンの父親!? あれに親……ああ、今はケットシーだから居て当然か。エンデュミオンはケットシーとしては若いのだったな」
エンデュミオンはまだ五十歳くらいだった筈だ。
「なぜ王領森に居たのかは訊いたのか?」
ツヴァイクの問いに、ニコラウスが頷いた。
「はい。木竜に会いに来たそうです。でも連れていたバロメッツに食料を荒らされたので、追加の食料が届くのを待っていたのだと。その食料を届けに来たのが、エンデュミオンの木竜グリューネヴァルトでした。ローデリヒ殿下のラプンツェルの父竜です」
「ああ、それならラプンツェルは喜んだろう」
「その通りでございます。ローデリヒ殿下は今晩から天候が崩れるからと、城への逗留をお薦めになり、殿下のお部屋へお連れになりました」
「ん? 客室に案内しても良かったのだぞ?」
「殿下もそうご提案されておりましたが、フィリップとモーリッツ──ケットシーお二人が殿下の部屋の隅にテントを張るからと」
「本人たちが良ければ問題ない。少し待っていてくれ、何が書いてあるのか読んでしまうから」
「はい、陛下」
ニコラウスとツヴァイクをツヴァイクの執務室に戻して、マクシミリアンはエンデュミオンからの手紙を開いた。
「フィリップがエンデュミオンの父親か。モーリッツの方は〈薬草と飴玉〉の薬草師ラルスの父親か……」
確か薬草師のラルスはエンデュミオンの幼馴染みで親友の筈だ。
手紙にはフィリップとモーリッツの身元証明と、王領の森には木竜に会いに行くだけなので、そのまま旅を続けさせるようにと書いてあった。二人は魔法使いと魔道具師なので、壊れた魔道具があれば頼めば直してくれるらしい。まるでこちらが引き止めるのを予測したようだ。
「数日雨は続くのだったな」
ならばその間は城に逗留するだろう。
「きゅ?」
執務机の上に居た光竜ゼクレスが、万年筆をマクシミリアンの手元に前肢で転がしてきた。
「そうだな、会っておくべきだろうな」
エンデュミオンを育てた父親に興味がある。エンデュミオンは元王様ケットシーのギルベルトにも育てられているが、これだけきちんと身元保証を書いて来るのだから、父親を憎からず思っているに違いない。
マクシミリアンは引き出しから紙を一枚取り出し、万年筆を手に執ったのだった。
翌日マクシミリアンがフィリップ達を招いたのは、後宮にある王の私室の一つだった。主にマクシミリアンがツヴァイクと過ごす居間だ。
王宮は元々王領の森の縁を開拓して建てられている。王が暮らす後宮には開拓時に森の一部が王の庭として残された。自由に外出出来ない王の為の森である。王の宮と妃達の宮とは別棟になっており、妃達の宮にはそれぞれ別の庭がある。
王の居間は硝子を贅沢に使った大きな掃き出し窓が森に面していて、白や桃色、紫色の花が咲く睡蓮が浮かぶ広い泉の上に張り出していた。晴れていれば掃き出し窓から庭に出てそぞろ歩けるし、今日のような雨の日は、泉に落ちる雨粒が描き出す波紋を眺めて楽しめる。ただし、室内の設えは深い色合いのトレントで作られた家具に、川蝉色と銀でまとめられた壁紙や布類で落ち着いた印象を与え、ここが王の居間であると聞けば疑われてしまうかもしれない。
およそ個人的な居間なので、今までマクシミリアンは妃達でさえ招いた事がなかった。長年仕えてくれている執事は別として、メイドは聖約で縛った者しか入らせていない。
なぜこの大事な居間にフィリップ達を呼ぶ気になったのかといえば、相手がケットシーだからかもしれない。ケットシーは嘘を吐かない。
午前中のうちに決裁を片付け、マクシミリアンは居間でぼんやりと王の庭を眺めていた。
掃き出し窓がある一角は他の場所よりも床が低く作ってあり、段差に合せてぐるりと川蝉色の布張りのベンチを置いていた。段差が丁度背凭れ代わりになるし、ベンチは大人が横になれる幅を取ってあるので、マクシミリアンは時々そこで昼寝をしていたりする。
「きゅ、きゅ」
マクシミリアンの隣では、ツヴァイクの光竜ゼクレスがお気に入りの柔らかい布をつくねて巣を作っている。大体の竜はお気に入りの布や玩具があって、寝る時にはそれを巣に持ち込む。ゼクレスもしっかりとした柳細工の寝床を持っているが、昼寝の時は布を持ち出して簡易的な巣を作るのだ。
コン、とおざなりなノックの後、銀色の装飾のある白い扉が開いた。
「マクシミリアン、連れて来たぞ」
「ああ」
この國でマクシミリアンの名前を呼ぶ人間は限られる。淡い茶色の髪の黒い騎士服を着た青年が居間に入って来た。その後ろから頭に木竜グリューネヴァルトを乗せた鯖虎柄のケットシーと、バロメッツの手綱を持った黒いケットシーが付いて来る。最後に肩に木竜ラプンツェルを乗せたローデリヒが固い顔で入って来た。
マクシミリアンの姿を見て、ぴょこんとケットシー達が右前肢を上げる。
「フィリップ!」
「モーリッツ! この子はジルヴィア!」
「マクシミリアンだ。この國の王をしている」
「ふうん? エンデュミオンからちらっと話は聞いていたが、まだ若いのだな」
「ケットシーに比べたら平原族は大概若造だろう。こちらに下りて来るといい」
きらりと目を光らせたフィリップに、マクシミリアンは手招いた。数段の低い階段を下り、フィリップ達が掃き出し窓前の窪みにやって来る。
「メエー」
「おお、森だ。凄いぞフィル、この部屋は泉の上にある」
モーリッツとジルヴィアが窓に駆け寄ってはしゃぐ。フィリップは居間の中をぐるりと見回してから「よし、ジルヴィアが摘まみ食いする物はないな」とベンチによじ登った。頭にグリューネヴァルトを乗せたまま器用な事である。
「あのバロメッツは口元に植物があると食べるんだ。食べられたくない物は避けておかなければならない」
「腹が減っているのか?」
「いや、あれば食べる」
どうやらバロメッツは本能的な生き方をしているようだ。
「ローデリヒも座りなさい」
「はい」
ローデリヒはフィリップの隣に腰掛けた。ローデリヒの肩からラプンツェルが下り、ベンチ伝いにゼクレスの元へよちよち歩いて行く。
「りゅっりゅー」
「きゅきゅ」
ラプンツェルの挨拶に、ゼクレスが機嫌よく挨拶を返した。フィリップの頭からグリューネヴァルトも降りて来て、何やらお喋りを始める。
「はーい、お茶だよ」
一度居間の続き部屋に引っ込んでいたツヴァイクが、ティーワゴンを押して戻って来た。スポンジケーキにベリーのジャムと苺を挟んで重ね、回りに白いクリームを塗ったケーキが乗った皿と、ティーカップを小振りのトレイに乗せて手際よく配る。竜達にも小さく切ったケーキと、盃に入れたお茶を渡す。
「ほら、お前にはこれだ。ここの庭で採れたものだぞ」
ツヴァイクは翡翠草や蓬、カモミールの花が盛られたサラダボウルをジルヴィアの前に置いた。
「ンメエー」
早速ジルヴィアが翡翠草を食む。まだ水滴が残る翡翠草は新鮮だった。
「ほう、翡翠草があるとは、そのまま残した森なのか」
「昔の王がね。私のツヴァイクは錬金術師の息子でね。色々活用しているようだよ」
王領の森は薬草の宝庫である。この庭にもそのまま自生している。王に何かあっても、この森があれば大抵の薬が作れるのだ。
「ツヴァイクが錬金術師?」
フィリップが当惑顔になるのも当然で、通常ツヴァイクは王太子と学院同期の者から選ばれる為、騎士か魔法騎士が殆どなのだ。
「俺は森育ちでね。俺の養母が錬金術師だったんだよ。剣と魔法も使えるけど」
ジルヴィアを撫でながら、ツヴァイクが笑う。彼は少々特殊な育ち方をしたのだ。
「ところでこのバロメッツ、もしかしてリグハーヴス種かい?」
「そうだぞ」
口元にクリームを付けたまま、モーリッツが答える。
「どれどれ」
マクシミリアンもジルヴィアに近付き観察する。確かに蹄が緑色だった。
「話しには聞いていたが、実物を見るのは初めてだ。毛の手触りはふわふわしているが、耳などの黒い部分はフェルトのようだな」
「メッ」
「ああ、すまん。食事の邪魔をしたな」
耳の付け根を掻いてやり、マクシミリアンはベンチに戻った。
「リグハーヴスでも糸を紡ぎ始めたと聞いたが」
「リグハーヴス、ハイエルン、ヴァイツェア、それぞれの種類で毛の質が違うから、あまり競合はしない気がするぞ。リグハーヴス種の毛糸はどちらかというと魔法素材だな。ケットシーが紡ぐ物に関しては。人が紡ぐのは通常の上質な毛糸になるが」
「ケットシーが紡いでいるのは本当なのか」
モーリッツが頷く。
「服飾ギルドで糸車なんかをくれたんだ。面白がって交代で紡いでいるぞ」
「出来た毛糸は自分達で毛布を編んだりもするが、服飾ギルドで買い取ってくれるんだ。でも硬貨は使わないから、エンデュミオンやヴァルブルガが里で欲しい物を買って来てくれる」
「ケットシーは漁はしても狩りはしないのだったな」
「森の獣は大きいから、一撃食らったらこちらが危険だ」
フィリップが鼻の頭に皺を寄せる。確かにケットシーの身体は柔らかい。
「それにしても」とフィリップは首を傾げた。
「なぜローデリヒはそんなに固まっているんだ?」
ローデリヒはケーキにもお茶にも殆ど手を付けていなかった。フィリップの質問に、ローデリヒが目を泳がせる。
「ここは陛下の私室なので……初めてお邪魔したものですから」
「ここはマクシミリアンとツヴァイクの巣か」
フィリップの発言は、正しく言い得て妙である。
「王はどこでも視線にさらされるからな。息抜きの場がここなのだ。ローデリヒ、お前を王太子にしなかったのは、要らぬ苦労を増やすだけだからだ」
「解っております」
ローデリヒが王になれば、側妃カサンドラの実家が図に乗るのが見えている。マクシミリアンは國民を守る為にも、ローデリヒを王にする訳にはいかなかった。
「レオンハルトは私にとって可愛い弟です。レオンハルトと黒森之國を支えられるように頑張ります」
「頼む」
手を伸ばし、マクシミリアンはローデリヒの頭を撫でた。
「りゅっ」
「ラプンツェルも宜しく頼むな」
「りゅっりゅ!」
任せろと言いたいのか、胸を張るラプンツェルが可愛い。
ケーキを食べたフィリップが、ティーカップを抱えてお茶を舐めている。目の色が違うだけで、エンデュミオンとそっくりだ。
「エンデュミオン達には随分と世話になっている」
「坊やは世話焼きだからなあ」
ティーカップから顔を上げ、フィリップが笑う。
「本当に嫌われていたら、助けに来ないだろうから、今の王家はマシだという事だろう。森から出られなかったとはいえ、前王の時代は坊やは何もしなかった」
五十年の間に幾度かの災害があったが、エンデュミオンは動かなかった。〈柱〉が存在するだけで、最悪の災害は免れると言われているが、大魔法使いとしては何もしなかった。
「まあ、五十年掛けて坊やは里で心身を癒していたんだろう」
ラルスを追い掛けたり、ギルベルトに甘やかされて。
「エンデュミオンを里から連れ出した孝宏に感謝するんだな」
「それはもう」
エンデュミオンがリグハーヴスの街に現れてから、災害や風土病は小規模で済んでいる。大魔法使いが人里にいるだけでこれだけ違うのかと、報告書を手にしたマクシミリアンは戦慄したものだ。今まで王家はエンデュミオンを魔法使いの塔に封じていたのだから。過去の大災害も、もしかしたら未然に防げたのかもしれないと気付いてしまった。
それは王家の罪である。
決して大魔法使いを本人の希望しない場所に繋いではならない。
薬草を貰って満足したのか、ジルヴィアがころんと床に転がった。竜達がすかさずジルヴィアのふわふわの毛に登って丸くなる。
「気持ち良さそうだな」
「バロメッツの毛で毛布を作ってやろうか? 軽くて暖かいぞ」
「それは有難いな」
全てをバロメッツの毛で作られた毛布は高級品である。森にバロメッツが沢山居るケットシーやコボルトだからこそ作れる品だろう。
ジルヴィアの鼻先を撫でるモーリッツとツヴァイクを眺めながら、フィリップがフンと鼻を鳴らす。
「マクシミリアンも坊やと同じ、この國に囚われた者だろう。〈柱〉も王も業が深いな」
「言ってくれるな」
はっとローデリヒが息を飲む音が聞こえたが、マクシミリアンは視線を向けなかった。
〈柱〉王も逃げる訳にはいかず、國を守る為に立ち続けなければならない。
〈柱〉も王も國の贄だ。王の場合、唯一寛げるこの居間と王の庭こそが檻である。そして、この檻の中で唯一王が手放さなくて良いものがツヴァイクである。
「覚えておけローデリヒ。この世界の國は神の理に背けば簡単に沈む。黒森之國の場合、月の女神シルヴァーナに認められないものが王になれば、國は傾く」
女神の啓示は神託で行われる事もあれば、大災害として示される事もある。その大災害を未然に防げるとすれば〈柱〉だが、過去の神殿戦争で残った〈柱〉は一柱だけだった。
数百年前にその〈柱〉が代替わりした時、王家はやっきになって新しい〈柱〉を捜した。あらゆる先見師を強制的に動員し、エンデュミオンを見付け出し魔法使いの塔に封じたのだ。
王家は隷属させたエンデュミオンの寿命が尽きるまで、災害の兆候があれば潰させていた。内乱があれば敵対する勢力を倒すために利用すらした。
王宮に残る記録を改めて読み返したマクシミリアンは、己の血の罪深さにその晩熱を出した程だ。エンデュミオンが王家を嫌う訳である。
「レオンハルトが間違えそうになった時はお前が止めろ、ローデリヒ。でなければ國が沈むぞ」
「はい、陛下」
「ツヴァイクや妖精しか周りにいない時は父と呼べ」
「……はい、父上」
聖約した者がツヴァイクになるとはいえ、王に意見出来る側近は必要だ。マクシミリアンの場合は、ツヴァイクをはじめ執事のフィデリオやリグハーヴス公爵アルフォンスとその側近クラウスが遠慮なく物申すので救われている。
「お茶のお代わりを淹れましょうか」
「有難う」
ツヴァイクに空になったティーカップを渡し、フィリップが縞々の尻尾をゆらりと振った。
「晴れた日にこの庭を散歩したいな」
「いつでも遊びに来るといい。事前に手紙をくれると助かるが」
〈転移〉で来るのだろうから、マクシミリアンやツヴァイクは驚かなくても、執事やメイドが驚きそうだ。
「そうしよう」
一つ頷いてフィリップは中心が緑色をした金色の瞳で、いまだに灰色の空から細い雨が落ちている庭をじっと見詰める。
「美しい庭だ」
王の為の庭であり、王の為の檻である。
「いつか坊やも呼んでやれ」
「そう、だな」
エンデュミオンが毎回現れるのは執務室だった。歴代の王も、エンデュミオンを後宮へは呼ばなかったようだ。来た事のない場所には、危ないので迂闊に〈転移〉しないのだと聞いている。
エンデュミオンはこの庭を見て、何と言うだろうか。そもそも泉に張り出した部屋に、水が苦手なエンデュミオンは正気かと言いそうだ。
ジルヴィアを枕に昼寝を始めたモーリッツの寝息が聞こえる。こちらはかなり自由な性格のようだ。
声を立てずに笑い、マクシミリアンは暫し雨粒で揺れる睡蓮を眺めるのだった。
エンデュミオンを自由にさせておいた方が、勝手に災害を防いでくれたりします。
それにマクシミリアンだけが気付いてしまいました(ツヴァイクにも教えています)。
アルフォンスとクラウスも、薄々気が付いています。なので小言を言いつつ領内で放置しています。
マクシミリアンは妃の宮に通う形で、自分の宮にはツヴァイクとゼクレスと暮らしています。
一般的にはツヴァイク→エレオノーラ→三人の側妃といった寵の順番だと、王宮関係者には思われています。王にとってツヴァイクは別格です。