〈麦と花〉の犬妖精
ルリユール<Langue de chat>は、製本及び痛んだ本の修復を致します。店内には素材の見本の他、製本後の本の見本もございます。本の試し読みも出来ますので、詳しくは店員にお訪ね下さい。
ウィルバーがやって来ます。
312〈麦と花〉の犬妖精
エンデュミオンは〈麦と花〉から姿を消したあと、ボリスが双子に残ったパンを幾つか持たせて礼を言って帰し、店を閉めるのを見計らったように戻ってきた。小麦色の北方コボルトを一人連れて。
「ウィルバー!」
「ボリスだよ」
しゅっとボリスの前で右前肢を上げるコボルトに、ボリスも名乗ったもののエンデュミオンを凝視してしまった。本当に連れて来たのかと。
「家事コボルトのウィルバーだ。ハンスにはもう会わせてきたからな」
「早くない!?」
「明日も仕事があるだろうが。さくさく行くぞ」
仕事が早すぎやしないだろうか。
「ウィルバーは今日からここに一緒に暮らして貰う。後で家の中を案内してやってくれ」
「うん」
もうここまで来たら大人しく話を聞く以外ない。
「商業ギルドとハンスに確認して、お茶を売るのは良いそうだ。水筒を持ってきた客にお茶を淹れてやる感じだな。で、これが茶葉だ」
エンデュミオンが取り出した缶の中には、薄い紙で包まれた茶葉が沢山入っていた。
「これは破けにくいが、燃やしたり土に埋めたり、スライムに処理して貰う時に分解しやすい紙なんだ。茶葉は左区の茶屋で買ったものだ。それを錬金術師にティーバッグにして貰ったんだ」
「はあ」
「これを一つ水筒に入れてお湯を注げば良いから。お茶の種類は紅茶と妊婦でも飲める花茶にした」
花茶は子供や妊婦の身体にも負担がないと言われている。エンデュミオンが選んだのは、赤い花が見えるので甘酸っぱい風味の花茶のようだ。
「茶葉がなくなったら違う花茶を買っても良いと思うぞ。お茶屋でもティーバッグを売るようになると思うが、なければ茶葉を持って右区の錬金術師グラッツェルの所に行くように……と言う内容を書いた物がこれだ。費用も書いてある」
エンデュミオンが折り畳んだ紙をボリスに渡す。
「有難う」
「茶屋と錬金術師の家にはウィルバーも一緒に行ってきたから安心しろ。解らなければウィルバーに聞け。では、エンデュミオンは帰る。ウィルバー、困った事があったらエンデュミオンを喚ぶんだぞ?」
「あい!」
ウィルバーがぶんぶん尻尾を振って〈転移〉するエンデュミオンを見送る。
物事がボリスを置いていく。窯にいる筈のルー=フェイは一言も言葉を発しなかった。援護は無さそうだ。文句を行ったら背後から襲われそうなので、文句も言えない。
「ウィルバー?」
「あい!」
白いシャツに刺繍の入った藍色のベスト、黒と藍と青と白の縞柄のズボンを着たコボルトは、上手く焼けたパンのような小麦色だった。おでこの部分が少し色が濃いところなどが特に。
「ええと、家の中を案内するよ。付いてきて」
「あい」
ボリスのあとにちょこちょことウィルバーが付いてくる。
工房からドアを開けると、母屋の一階にあるバスルームの前に出る。
「ここが一階のバスルーム。隣が台所兼食堂で、向かい側が居間。居間の奥に階段があって二階に繋がってる。うちは裏の土地もあって、倉庫と家庭菜園がある。今は雪で埋まってるけど」
「あい」
廊下の端にはうっすら埃が見え、汚れ物はないものの、台所も居間も雑然としていた。二階に至っては、ボリスの部屋は朝起きた時のまま、掛け布団は捲られたままで、パジャマが床に落ちていた。酷い有り様である。
「えーと、暫く片付け出来てなくて。……大丈夫?」
「やりがいある! お掃除するよ!」
むふーとウィルバーが鼻から息を出す。
「お洗濯するもの以外で床に落ちているものは、机の上に上げておいていい?」
「うん、頼むよ。俺は明日の分の仕込みしてるから」
「あーい」
ウィルバーは〈時空鞄〉から、肩口にフリルの付いたエプロンを取り出して身に付けた。尻尾を振りながら床に落ちているパジャマを拾い出す。
その姿を見て、ボリスは工房に戻った。
「よし、仕込み終わりっ」
「発酵に適した室温にしておいてやろう。ルー=フェイは一度戻るぞ」
「うん。ゆっくりしてきて」
ルー=フェイは夕食の時間は主の元へ顔を出しに行くのだ。ビシバシ仕込まれたものの、怖いだけではないといい加減ボリスも気付いたので、普通に話せるようになって来た。
ボリスは工房の光鉱石ランプを一つだけ残し、母屋へのドアを開けた。
「いい匂い……」
ドアを開けた途端、料理の匂いがボリスの鼻を直撃した。ぐう、と腹が鳴る。今日は食事以外の軽食を食べ損ねていたので、腹も減る。
「ウィルバー?」
「お帰りなさい」
覗き込んだ台所では、ウィルバーが椅子の上に立ってスープボウルをテーブルの上に並べているところだった。
「なんか……綺麗になった?」
鉱石ランプの明かりで見ても、台所がピカピカしている。テーブルの上に置かれている、くすみがあった筈の鍋も光輝いていた。
「ボリス、オーブンの中にあるおかず出して」
「うん」
オーブンの扉を開ける。中にはじゅうじゅう音を立てる四角い耐熱皿があった。この耐熱皿は、母親が生きていた頃に見た記憶がある。何処から見付け出したのだろう。
耐熱皿にはぎっしりと大きめに切られた馬鈴薯と人参、玉葱、ビーツ、腸詰肉が詰め込んであった。
「香草塩とオリーブ油を絡めて焼いたの。こっちは玉蜀黍の卵スープ」
鍋の蓋をウィルバーが持ち上げる。湯気の立つコンソメスープに黄色い玉蜀黍とふわふわのかき卵が浮かんでいた。
パンは今日の残りの黒パンを切る。コボルト兄弟のお陰でパンは殆ど残らなかった。
「あれ、その椅子あったんだ」
「物置にあったから、出してきた。良かった?」
ウィルバーはボリスが子供の頃に使っていた子供用の椅子を発見していた。確かに人族用の椅子はコボルトには大きすぎる。
「うん、ウィルバーが使っていいよ」
誰も使う人はいないのだ。それよりも、ボリスは台所に材料があったのかどうかを失念していた。このところ買った記憶がない。
「ごめん、材料まともになかったんじゃないか?」
「大丈夫。ケットシーの里で沢山収穫出来たからって、ここに来る前にエンデュミオンに持たされた。腸詰肉は冷凍の方の保冷庫にあったやつ」
最近まともに食べていなかったボリスの生活を、まるでエンデュミオンは見ているかのようである。
「ここのお買い物、どうするの?」
ウィルバーがスープボウルにたっぷりスープを注いで、ボリスに差し出した。受け取りながらボリスが答える。
「有難う。えーとね、注文して持ってきて貰うんだよ。この紙に書いて、八百屋や肉屋に精霊便を午前中迄に出すんだ」
テーブルの横の食器棚の引き出しから、ボリスは左区の八百屋と肉屋の宛名書きがある紙を一枚ずつ取り出した。
「おー、ウィルバー覚えた」
「文字書ける?」
「大丈夫。読める字は書ける」
それから二人でまだ熱々の夕食を食べた。とても美味しかった。久し振りにまともな食事をした気がする。
「明日、ウィルバーが起きるのは六時前で良いからね」
「あい」
どう見ても、ウィルバーはまだ若いコボルトだった。返事の仕方が子供っぽいのだ。
二人で食器を洗い、ピカピカのバスルームで共に風呂に入り、いい匂いのする敷布が敷かれたベッドで寝た。ウィルバーは当然のように、ボリスのベッドで一緒に寝た。
まだ暗い早朝三時にボリスは起き出す。それがパン屋なのだ。
(なんか腹の上が暖かくて、もふもふしてる)
「……」
目を開けたボリスの目の前に、小麦色の三角耳があった。腹の上にウィルバーが俯せで寝ていた。
すぴょすぴょと寝息を立てるコボルトはどうしたものか、ボリスの上に移動したらしい。最初は隣で寝ていた筈なのだが。
起こさないようにそっとウィルバーを横にずらしてベッドから出る。ウィルバーに掛け布団を掛け直し、ボリスはバスルームで顔を洗って歯を磨き、髪をとかして仕事着に着替えた。染みが残っていた気がする仕事着は、真っ白になっていた。
台所でお茶を淹れようと薬缶でお湯を沸かしながら、お茶がある棚の扉を開ける。新しい缶があったので中を確認したら花茶だった。ウィルバーは家用の花茶も手に入れていたらしい。
「お茶のお金どうしたんだろう」
ウィルバーが立て替えていたら、お金を返さなくては。
沸いたお湯で魔法瓶を温めてから花茶のティーバッグを一つ入れ、お湯を注ぐ。甘酸っぱい香りがふわっと立った。
マグカップと小鉢と魔法瓶を持って工房に行く。
「ルー=フェイ居るか?」
「居るぞ」
窯を開けて、ボリスは小鉢に魔法瓶の花茶を注いでやった。
「昨日の花茶、味見してなかったから」
「これは〈Langue de chat〉の花茶だな。独自の調合の筈だから、特別に使わせてくれたんだろう」
ペロリと花茶を舐め、ルー=フェイがそんな事を言うので、マグカップを傾けていたボリスは噎せた。
「そうなのか!?」
茶屋では客の好みに合わせて茶葉を調合もしてくれるが、それを他の客には売らないものなのだ。
「これは赤い花の他にも色々混ぜてある。ほんのり甘いのは氷砂糖が入っているからだな」
「へえ」
「ま、どこの調合なのかは秘密にしておけ。エンデュミオンが許可を出したのなら、他の〈Langue de chat〉の調合も使わせてくれるだろう。茶屋に行けば出してくれる筈だ」
「はあ」
花茶は癖があるものも多いのだが、とても飲みやすい調合だった。これは人気が出るかもしれない。
お茶を飲んだ後は、せっせとパンを焼く。窯の温度をルー=フェイに習いながら、焼き時間も勉強させて貰う。
「ルー=フェイ、そろそろ?」
「あと五分だ」
ボリスの見極めは、まだまだのようだ。
粗熱が取れたパンを籠に入れて棚に並べたあと、ボリスは窓口の下に木箱を並べた。椅子だと危なっかしいので、昨日倉庫から空いていた木箱を出してきたのだ。
「近いうちにちゃんとした台作った方が良いかな。一寸がたがたするな」
手を払いながら呟いたボリスに、ルー=フェイのお呼びが掛かる。
「焼けたぞー」
「はーい」
慌ただしく朝の準備が進む。ハンスはカルネオールと、良く二人だけでやっていたものだ。
うっすらと窓の外が明るくなってきた頃、ウィルバーが工房にやって来た。
「おはよー」
「おはよう、ウィルバー」
「スープ持ってきた」
ウィルバーが昨日の残りのスープを、鍋ごと〈時空鞄〉から作業台の上に出す。マグカップにお玉で掬って注ぎ、スプーンを挿す。
「あれ、昨日のと一寸違う?」
「お米入れて煮て、チーズ入れたの」
パンは焼き上がっていたので、ルー=フェイにもマグカップを渡す。
「うむ、美味いな」
熱さは関係ない火蜥蜴なので、直接とろみのあるスープに口を突っ込みルー=フェイが舌鼓を打つ。
ボリスとウィルバーはふうふう冷ましながらスープを食べた。
「そういえば、お茶って何処で淹れるんだ?」
「〈熱〉の魔法陣縫った鍋敷きに、小さいヤカン乗せておく。火を使わないから安全」
「火傷に気を付けてな」
「あい」
空になった鍋とマグカップは、ボリスが洗う事にする。そろそろ客が来る頃だ。
「ほい」
木箱の上にウィルバーを乗せてやる。ウィルバーが〈時空鞄〉からフリルエプロンを取り出して身に着ける。
客が来るまで、ついボリスは死角からウィルバーを覗いてしまった。
コンコンと窓が叩かれ、ウィルバーがカウンターに身を乗り出して窓を開ける。
「いらっしゃーい」
やって来たのは、通いの職人風の青年だった。
「あれ? 昨日と違う子か?」
どうやら、昨日も来た客のようだ。
「違うよ、ウィルバーだよ。昨日はクヌートとクーデルカだよ」
「毛色も違うもんな。サンドウィッチくれないか。今日の具は?」
「ディル入りのクリームチーズと鮭、ハムとチーズ、あとジャム。水筒あったらお茶淹れるよ。銅貨二枚掛かるけど」
「へえ、昨日聞いたばっかなのに」
飲み物がないのかと聞いた客でもあったらしい。
「現場でお茶でも貰おうかと水筒持ってる」
「紅茶と花茶があるよ。赤い甘酸っぱい花茶だよ」
「じゃあ、お茶は花茶で。サンドウィッチはクリームチーズと鮭、ハムとチーズで、パンは任せる」
「はーい」
水筒を受け取り、お湯で温めて花茶のティーバッグを一つ入れ、お湯を注いで蓋をする。
「まず水筒ね」
水筒を青年に渡す。それからウィルバーは水の精霊魔法で手を洗い、黒パンでハムとチーズ、ライ麦パンでクリームチーズとスモークサーモンのサンドウィッチを手際よく作り、蝋紙で包む。
「はい、どうぞ」
「有難う。ほい、代金」
「有難う。いってらっしゃーい」
ウィルバーが前肢を振って客の男を見送る。
「……」
本当にコボルトは、何処から客あしらいを覚えてくるのか。兎に角、ウィルバーに任せても大丈夫そうだ。
「何見てるんだ?」
背後からルー=フェイが、ボリスに呆れた声を掛けて来る。
「いや、対応が上手いなと」
「ああ、ウィルバーは北方コボルトだが、北方コボルトにもお喋りな個体は稀に居るぞ。家事コボルトは器用で可愛らしいから、子供のお守りに付けられたりするんだ」
「へえ」
北方コボルトは無口な個体が多いと聞くのだが、ウィルバーみたいに人懐こい個体もいるらしい。
ボリスは鍋とマグカップを洗いに台所に行き、戻ってきてからウィルバーの元にパンを補充した。
午後になり、客足が穏やかになった頃、鼻筋が白い北方コボルトを抱いた客がひょっこりと現れた。
「頑張ってるね、ウィルバー」とウィルバーの頭を撫で耳の付け根を掻く男の手付きが慣れている。
「ウィルバー、お店の人はいるかい?」
「あい! ボリス!」
くるりとウィルバーが振り向いて、ボリスを呼んだ。
「どうかなさいましたか?」
窓口に出ていったボリスに、コボルトを抱いた男が人好きのする温厚そうな笑みを向けた。ボリスより歳上だ。
「俺は右区の大工クルト。こっちはメテオール。エンデュミオンに頼まれた物を持ってきたんだよ」
「えっ、何か頼んだんですか!?」
「ウィルバーの使う台だね。昨日うちに寄った時にウィルバーの身長は測らせて貰ってたんだけど、台の高さはクヌートに測って貰ったんだよ」
いつの間に測っていたのやら。頼もうと思っていた物とはいえ、やっぱり色々早すぎる。
「あの、代金はお幾らに?」
「端材だから要らない。うちの見習いに鉋掛けさせてもらったしね。うちの見習いはエンデュミオンの弟なんだよ。だから見習いが練習で作った物って事で」
「鉋掛け放題でグラッフェンが喜んでたな」
メテオールも面白そうに、くふくふと笑う。
弟が喜んだから無料でいいのか。それで良いのかエンデュミオン。実際はボリスが負担に思わないように、頼んでくれたのだろう。
工房にある勝手口からクルトとメテオールに入ってもらう。
「今、木箱避けます」
「大丈夫大丈夫」
クルトの腕から床に降りたメテオールが木箱の前に立つ。
「え」
メテオールの横に大きな黒い空間が現れ、しゅるっと木箱が消える。
「よいしょ」
メテオールが前肢を黒い空間に差し入れ、木箱の代わりに組み立てられた台を引っ張り出す。
「この台は折り畳み式で、ここの留め具を起こしておけばガタつかないから。畳む時は留め具を倒せば良いよ」
クルトが説明して、大きな縁台のような台を窓口の下にすっぽりと納めた。台の手前に、メテオールが階段式の踏み台を置く。
「ウィルバー、乗ってみて」
「あい」
階段から台に上り、ウィルバーがとことこ歩き回る。
「いい感じー」
「良かった。あと、エンデュミオンからもう一つ預かってる物があって。メテオール出してくれる?」
「うん」
メテオールが黒い空間から木箱を取り出した。メテオールが両前肢でぎりぎり持てる大きさの木箱で、蓋に麦の穂と花の彫刻がある。
「これは〈保冷魔法箱〉。飲み物を売るようになるなら、夏には冷たいものを売るだろうからって。エンデュミオンの付与なら劣化しないから、いくらかは作り置けるよ。牛乳やバターも保存しておけるから」
「〈保冷魔法箱〉が幾らすると思ってるんですか、あのケットシー……」
「これも代金は要らないよ。箱を作ったのがメテオールだけど、これは彫刻の習作なんだ。付与したのはエンデュミオンだしね。仕事でしていないから、代金は貰えないって言ってたよ」
クルトが苦笑いしている。習作と言ってもきちんとした彫刻で綺麗だ。
「ウィルバーはまだ子供だから、エンデュミオンも気にしているんだろうね。でもウィルバーが嬉しそうだし良いんじゃないか?」
「わうー」
ウィルバーが〈保冷魔法箱〉に頬擦りしている。尻尾を振っているので気に入ったのだろう。
「木箱はどこに戻す? メテオールが持って行くよ」
「いいの? 裏庭の倉庫なんだけど」
メテオールは重いからと、木箱を倉庫に戻してくれた。〈時空鞄〉ではなく〈時空庫〉持ちらしく、大きなものでも大量にしまえるのだと言う。重い粉袋を運ぶパン屋としては、一寸羨ましい。
「そうそうその〈保冷魔法箱〉、エンデュミオンが盗難防止の魔法陣を付けてたから盗まれないぞ」
帰り際、クルトがそんな事を言い残していったが、普通のパン屋に金庫並みの〈保冷魔法箱〉は必要なのか。もういっそ、金庫代わりにしてもいいかもしれない。エンデュミオンの盗難防止魔法を超えられる魔法使いなどいないだろう。ハンスと相談して、売り上げをウィルバーに〈保冷魔法箱〉にしまって貰おうか。
規格外のエンデュミオンに目を付けられたが最後、慣れるしかないのかもしれない。
帰って来たハンスが驚きすぎて倒れたらどうしようかと、今から心配になるボリスだった。
本当にコボルトを連れて来たエンデュミオンです。
家事コボルトのウィルバー。双子コボルトとあまり変わらない年齢です。
妖精のお仕事の中には「可愛がられること」も含まれるので、当然お風呂やベッドは一緒です。
エンデュミオンが心配性なのと、実はウィルバーの保護者に頼まれているので、色々としています。
鉋かけ放題でグラッフェンは大喜びでした。現在のところ、鉋掛けだけがやたらと上手いんです。