手のひらの上の戦い
足止め→捨て駒→道連れ
「地獄の門をたt…下僕になったお祝いに魔法を持たないお前に魔具をやろう、どれがいい?」
ミストと玄野の間にある【実幻】によって作られた机の上にズラリと並ぶ魔具の数々。
中には〈天鎖の指輪〉や〈西風の腕輪〉などの「神具」の次に性能の高い「宝具」もある。
玄野はミストの言葉に微妙な顔になりながらも、その役割を担っていた相棒を失った事でかつての部下に同じ条件で敗北したので、机の上の魔具を黙々と物色する。
「……この腕輪血が付いてんだけど」
玄野がこれにしようと思って手に取った物には生暖かい血がべっとりと付いていた。
それに対してミストは笑顔で答える。
「ああ。
それさっき獲ったヤツだからだろうな、右腕切り落としたし」
それを聞いて玄野は少し悩む。
ミストは内心、自分の父親の一物を切り落とした武器を死ぬまで使ってた癖に何を悩むんだろうな、と思いながらそれを見ていた。
「そういえば足止めの…ニュクスの能力のヤツは回収しなくていいのか?
というかお前の相手はどうなったんだ?」
ふと、「さっき」という言葉から玄野はそんなことを聞いた。
ミストは真が3564された相手に忘れられてるのを同情…しなかった。「ブホッ」と笑っただけだった。果たしてどっちの方がひどいのか。
「ん〜、1人はソレのやつで右腕切り落として心臓抉り取って死亡。
これね、魔石になってた」
「うおっ!?」
そう言って拳大のとてつもなく澄んだ魔石を出すミスト。
"憑き神"という神を上回る膨大な魔力の持ち主故に通常の魔石とは一線を画す純度とサイズである。
玄野は「心臓抉り取る」の部分で若干引いていた。
「2人目はブチ切れて隙だらけだったから…【王之牢獄】って知ってる?」
「ああ、【神之回廊】の劣化版か」
「その表現ウザいな。
で、それに閉じ込めた」
それを聞いて玄野は少し眉をしかめる。
「……まだ生きてるのか?」
「まぁ、上手くいけば脱出した直後に「イクリプス」で死ぬけどな」
「いや、「イクリプス」ってなんだよ」
「「イクリプス」っていうのは……
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「ガァァアアアアアッッ!!!」
【重力之王】とエイトゥルーの膨大な魔力の組み合わせによる超重力で身動きができず、ただ吼える真。
その目には怒りしかなく、理性を感じ取ることは全くできない。
その目を覗き見て若干同情するも、エイトゥルーは「任務失敗の代わりにこいつを連れて帰るか」と転移の魔道具を取り出した。
直後、
「アァアアッアアアァアあ、あァッ!くろのころす、あまのころす、全っ員、殺すゥウウウウウウッッッ!!!!
はんてん、反転ッッ!!!
「ガガガッッ」
………"闇蝕"」
カッッ
ズゾォッッ
さらなる二度の【反転】により真の纏う闇色のオーラは巨大化し、発動した技によりジワジワと真の周りにある地面が、空気が、草木が「夜の闇」と化していく。
"闇蝕"で「夜の闇」と化した物に触れたものも「夜の闇」となり、それは近くにいて油断しきっていたエイトゥルーにも影響を及ぼした。
ズズッ
ドスンッ
「ッッ!!?
ガァッ!う、でがぁぁあアアアアッッ!!!」
「夜の闇」と接触したエイトゥルーの右肩が「夜の闇」となり、右腕が音を立てて地面に落ちる。
ズズッ
真の意思か、「夜の闇」は静かにアルーバル陣営に向かい始める。
それを見ている二つの目を知らず……。
伏線入れてみた。




