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異世界に行く羽目になった死んだフリの天才  作者: ブルータス
成長編
61/68

西の憑き神 1

メシア聖国。

神が実在し、彼らが自分たちに恵みなど与えない事が分かりきったこの世界には宗教など無く、一部の信心深い者たちが自分にとっての神を崇めるだけだった。

しかし、九百年前に「神の子」を称する少年が現れ、その少年は次々に奇跡を起こして人を救っていった。

それによって多くの人々は彼を神より上位の存在であると考えるようになり、彼を唯一の崇める存在とした「メシア教」が誕生した。

そして終わらない戦争に絶望していた各国の民もそれに希望を見出すようになり、当時大国だったアルーバル王国の西部は彼を教皇とした「メシア聖国」として独立した。

その後、百年経っても彼が老いない事や人々に危害を加える神が彼と枢機卿によって討伐された事によってメシア教は世界に広まり、この世界で唯一の宗教となった。



「教皇様、三位枢機司教 エイトゥルー・アス様から報告です」


自分の補佐をしている女性の声を聞いて、イスに座って考え事をしていた彼は顔を上げる。


「どうぞ」


プルルルルッ

カシャッ


女性が渡した通信の魔道具を手に取ってボタンになっている部分を押すと、そこから野太い男の声が聞こえてくる。


『こちら三位枢機司教 エイトゥルー・アス。

ファステバル・アルーバルの国境付近で戦闘中の憑き神二名を感知した。

片方は魔力量100億程、もう片方は340…いや350億程だ。

戦闘になった場合俺一人には手に余るので、司教を一人か司祭を二人送ってもらいたい』


それを聞き、彼は多少悩んでから魔道具に魔力を流す。


『話は聞いた。

マーキングは付けているな?』


『ああ』


『そちらにシャーカスとエンジを送る。

……枢機卿を三人動かすんだ、失敗は許されんぞ』


『六位と十二位か、十分だ』

『カシャッ』


野太い声が途切れる。

彼は魔道具を補佐の女性に渡し、二人の枢機卿を説得すべく重々しくイスから立ち上がる。



-------------------------



パアァッン


もはや金属同士がぶつかって出る音はなく、まるで花火が打ち上げられたかのような炸裂音が響き渡る。


戦っている二人は共に【実幻】と"巻き戻し"によって無傷だが、その下の凸凹になった地面が戦いの激しさを物語っていた。


「紅白剣舞!」


ミストが叫ぶ。


ポッポッポッポッポッポ


ボボボボボボボボッッ


ミストの周りにポツポツと霧が集まっていき、無数の「破壊の魔剣(サクリファイス)」と「破邪の王剣」となり、ミストの作った幻覚の通りに赤黒いオーラと青白いオーラを纏って無規則に軌道を曲げながら玄野に向かう。


極鎌(キワミノカマ)、無限漆黒斬ッッ!!!」


ヒュッ


対して玄野は鎌を一振りする。


パパパパパパパッ


ドドドドドドーーーンッッ


すると鎌から無数の黒い斬撃が飛び出し、紅白の剣と激突する。


ヒュンッ


「やっぱ厨二だろお前ぇぇええええええッッ!!!」


無数の剣と斬撃がぶつかり合う中、ミストが玄野の目の前に転移して叫びながら「破邪の王剣(本物)」を振り下ろす。


「うるせぇぇえええええええッッ!!!」


パアァン


叫びながら玄野が鎌を振り上げた事で再び剣と鎌が激突し、炸裂音が響き渡る。


「お前こそさっきから名前つけてんじゃ…「トトンッ」」


玄野が叫びながら斬りかかろう…としたところで何者かがその場に着地する。

そして少し遅れて、


ドォォオオオンッッ


爆音を撒き散らしながら大男が同じく着地した。


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