表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界に行く羽目になった死んだフリの天才  作者: ブルータス
成長編
52/68

vs切り札バレ済み神 3


ギシギシッ


物が軋む音がミストの鼓膜を震わす。


「くっ、身体を、動かせない……!!」


石の上に座っているミストの視線の先には、上半身を大木に呑み込まれ、下半身は木の蔓で雁字搦(がんじがら)めにされたアンドロメダが足掻いている姿。


シュゥゥウ……


ミストが石の上に座っていた理由である腹部の傷の再生が終わる。

傷のあった場所を見てからミストはおもむろに立ち上がってアンドロメダのいる場所まで歩いていく。

アンドロメダが自分の方に歩いてくるミストを睨みつける。


「私をどうするつもりですか」


威嚇しながら尋ねる彼女にミストは余裕を崩さずに対応する。


「そうだなぁ。やるとしたら洗脳か経験値用魔m…じゃなくて神、簡単に言えば幻覚で殺し続けるのどっちかだな」


「……神に洗脳など効くと思ってるのですか?」


「ああ、状態異常云々ってヤツ?一回では無理かもしれないけどせっかく拘束してあるんだから精々じわじわやらせてもらうよ。楽しみだなぁ、その日が」


確かに一度の状態異常であれば難なく防げるが、無限に状態異常を受け続けるのであれば心が折れてしまってその状態異常を受け入れてしまう事もあり得る。

アンドロメダは目の前の少年が自分が屈することを確信していると悟った。


「……仕方がありません。

これだけは使いたくなかったのですが………」


その不穏な言葉にミストの頭の中にある考えが浮かぶ。


(このセリフは……!

大海之怪鯨(ティアマト)を使う気だ!)


「させるか!」


ヒュッ


咄嗟(とっさ)に左手の破壊の魔剣(サクリファイス)で斬りかかるが、


「遅いです。

天鎖の星姫(アンドロメダ)大海之怪鯨(ティアマト)、完全顕現!」


ゴォオオオッ


突如、アンドロメダの周囲から大量の水が溢れ出し、ミストを押しのけ、アンドロメダを捕らえていた大木や蔓が弾け飛ぶ。


シュゴォオオオ


ジャラララララララッッ


大量の水はアンドロメダを中心に尾やヒレに鎖を巻きつかせた巨大な鯨になる。

巨大な鯨が魔の森の中にいる様は、まるで鯨が森の中を泳いでいる風に見える。


それを見てミストはため息を吐く。


「ハァ、しまったな。破壊の魔剣(サクリファイス)でスキルを一通り破壊しておけばよかった」




「……完全制御」


シュルルルル


突然、鯨が小さくなり始める。


やがて、両脇に水のヒレ、後ろに水の尾のある、全身に鎖を巻きつけたアンドロメダが姿を現わす。


ミストはその小さな体が放つ、とてつもない威圧感に思わず息を飲む。

ミストが転移する前に戦っていた場所をチラッと見ると、


(うわっ、復讐成り上がり主人公いなくなってる。(おとり)にしようと思ったのに……)


ミストと本気の神の戦いが始まった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ