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異世界に行く羽目になった死んだフリの天才  作者: ブルータス
成長編
44/68

vs復讐成り上がり主人公 1

遅れてすいません。

言い訳はしません。

シルバーウィークは台湾に行ってました。

言い訳じゃありません。

竹内真(シン・タケウチ)が「九頭龍の山」を抜けてアステルムに来てから大体2ヶ月が経った。


彼はアルーバル王国が彼を「九頭龍の山」で死んだ事にしているのは知っている。

今でもあの日を思い出すと感情に引きずられて【憂鬱】の【絶望感染】が発動する。

だが、今だに何もできていない。

理由は単純だ。

共に召喚された者達のほとんどはともかく、王宮魔導士長と近衛騎士団長、そして近衛騎士団長を模擬戦で本気ではないとはいえ数秒で倒した玄野(くろの)駿(しゅん)、この3人を確実に倒せる強さにはまだ至ってないからだ。

特に、手の内を見せていない玄野(くろの)には手も足も出ないだろう。


この3人と戦わないようにすれば復讐も出来るだろう。

しかし、彼としてはやはりこの国を滅亡させたい。

ならば、猛者であり100パーセントこの国を守ろうとする王宮魔導士長と近衛騎士団長、それに加えて彼の復讐対象の1人でもある玄野は殺すべきだ、という結論になった。


竹内真があの日から今日までの事を頭の中で再生しようとした。

その時、


ブワッ


「何だッ!?」


突然出現した黒いモヤが真を飲み込む。

真は焦らずに黒いモヤから抜けようとするが、


ピュンッ

ピュンッ


それを阻止するように四方八方から赤黒いオーラを纏った漆黒の剣が次々に飛んでくる。

真はそれらをかつて倒した竜の牙から作られた剣で弾こうとするが、


バキィッ


黒剣と接触した瞬間、竜の牙で作られた剣はアッサリと真ん中からへし折られる。


「竜の牙で作った剣が折れた、だと………ッ!

……出し惜しみしたら死ぬな」


真はそれを見て現在戦っている相手は出会った中で最強であると確信し、出し惜しみをやめる。


「反転!希望之王(ウリエル)、完全顕現ッ!」


真の全身が白く輝く。

白い光は背中と頭部に集まり、翼と輪が形作られる。


パリィィン


光の翼が黒剣を受け流しながら黒いモヤを吹き飛ばす。

しかし、黒いモヤの外にあるのはアステルムにある商店街ではなかった。

黒いモヤの外は、周りを無限に思える数の木に囲まれた広場のような場所だった。

いつの間にか竜の牙で作られた剣は元に戻っている。


「ここは、どこだ………ッ!?」


「魔の森だよ」


答えを求めて言ったわけではなかった。

しかし、答えは返ってきた。

明らかに未成熟な子供の声で。


「馬鹿だねー、元々ゴミみたいな魔力だったのにそれのせいでさらに減ってるよ。魔力循環と魔力自動回復に望み託してんじゃねえ!空間魔法使え!『こいつ、できる……!』とか思ってた俺の期待を返せ!」


子供の続ける言葉が耳を素通りする。

真の頭の中では「こんな子供があれを?いや、この歳で出来る筈が…だが、この状況はそうとしか……」といった自問自答が繰り返されていた。

まさにポルナレ◯状態。


「あっ、本題なんだけど」


真の思考はこの一言で通常運転に戻った。

別に自問自答に答えが出たわけではない。

だが、なんとなくこの怪しい子供が「何か重要なことを言う」気がしたのだ。


「……何だ」


「君の復讐対象は個人?それとも国?

国の場合は死ぬか、俺の下僕になるかの二択だから」


「!?」


何故復讐のことを知っているんだ!?


まさか俺のステータスを見た、のか……?

もうこの子供が先ほどの黒いモヤや黒い剣をやったと言われても納得できる気がする。

この子供は見た目も声も判断材料になりえない。

間違いなく竜を圧倒的に上回る化け物だ。


俺では、勝てない。


どう答えるべきなんだ……!

怪しまれるわけにはいかない。

即答しなければ……!


そして真は口を開いた。


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