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異世界に行く羽目になった死んだフリの天才  作者: ブルータス
成長編
34/68

冒険者ギルド 1

「おい、お嬢ちゃん!」


「ヒッ!ぼ、僕に何か用ですか!?」


女の子は怯えたような反応をする。

外からでは【究極偽装】で絶対にわからないが、ミストも内心大興奮だった。


(ボクっ娘キターーーッッ!!!

これ絶対、女に転生したから"俺"から"僕"に一人称変えたやつだ!

よし、もう直球でいこう!)


「お前、"転性者"だろ。俺は"転生者"なんだがーー


ーー俺の下僕(ケンゾク)になるか、長所(チート)奪われるか、どっちがいいか今すぐ決めてくれ」


直球で一気に言うと、案の定女の子は軽いパニックになっていた。


「……えっ!?下僕!?というか君も転生者!?え?あれ?どうやって転性者ってわかったの!?意味g…」


チャキッ


女の子の首に幻覚の刃が添えられる。


「ギャーギャーやかましい、今すぐ選べ。下僕になったら衣食住を確約するし俺についての説明もしてやる」


「…………………………………なります」


女の子はかなり悩んだ末に俺の下僕(ケンゾク)となった。


《「狐獣人」個体名『ララ』が眷属になりました》


「えぇっ、何今の!?説明してくれるんだよね!」


意外に簡単だったな。


「説m…」


やかましい!



-------------------------



女の子の質問に答えた後に女の子の事を聞いた。

女の子、ララは5歳で、つい最近親に捨てられたらしい。

どうも生まれてすぐに[先祖返り]による銀色の髪の毛のせいで母親が不貞を疑われ、彼女の5歳の誕生日の日にキレた父親に家を追い出され、チートがあるから大丈夫、と思ってたら戦闘手段が無くてあっという間にスラム街の住民らしい。


ついでに前世は中三らしい。

ぶっちゃけ前世については全く興味が無かったからそれ以外忘れた。


「ミス…ご、ご主人様は貴族なの?」


「そうだ。父と兄が豚そっくりで、父の方は領民から税金を絞りまくって恨まれまくってるらしい。あと敬語で話せ」


「は、はいっ!そ、それで領民のために当主にn…」


「なる訳ないだろ」


「うわぁ(……絶対そうだと思った)」


ベシンッ


「痛っ!お父さんにも打たれた事なかったのに!………無関心すぎて」


軽蔑の視線を向けてくる生意気な下僕を幻覚の鞭でぶっ叩くとなんか暗い事を言い始めたが、スルーしてスラム街の出口に向かって歩き出す。


「えっ、無視するの!?あっ、待って!出るんですか?どこ行くんですか?」


「冒険者ギルドだ。お前の分も登録する。お前の戦闘力がゴミなのは知ってるが、後で魔法を使えるようにしてやるから安心してついて来い」


「よ、よかった。もう素手でスライムを触らなくて済む」


何があった。




しばらくして、ミストとララは冒険者ギルドに着いた。


中に入って見ると、冒険者ギルドは予想通りの酒場的な場所だった。


俺とララが冒険者ギルドに入ると冒険者の、特に酒を飲んでる者たちの視線が俺たちに集中した。


「あわわわっ」


「ほら行くぞ」


『ベシッ』


「い、痛いです!」


ビビりまくってるララを【単幻覚】の鞭で叩いて受け付けに向かう。



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