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異世界に行く羽目になった死んだフリの天才  作者: ブルータス
成長編
32/68

魔の森に眠る聖銀 2

ゴロン


ズキンッ


「いっ、たぁああ!」


寝返りを打った際に全身に走った激痛で目が覚めた。

隣のベッドには誰もいない。

何で兄上(ジャクソン)はこんなに早起きなのかを考えていると、子ども部屋の外から使用人の声が聞こえた。

【感覚強化】で聴覚を強化して聞き耳をたてる。


「旦那様はジャクソン坊ちゃんだけに家庭教師をつけてるらしいわよ」


「そうらしいわね。ジャクソン坊ちゃんは最近お腹が出てきて旦那様に似てきてるから贔屓してるのでしょうね」


「旦那様のせいでジャクソン坊ちゃんまで平民を見下すようになってしまったわ」


「はぁ、シャテンドゥ伯爵領はお先真っ暗ね。飢饉になったら間違いなく反乱が起きるわね」


「飢饉にならなくても反乱が起きるわよ、旦那様に娘や奥さんを奪われた人多いし」


「唯一の希望はミスト坊ちゃんね。虐げられて育った子供はまともに育つらしいし」


「そうね」


残念ながら既に人格が出来上がってるから過程は関係ないな。

正直こんな家継ぐ気なんか全く無いから、精々いつの間にか醜く育っていた兄上(ジャクソン)にプレッシャーを与えまくって出奔だな。

いや、もういっそ何の思い入れも無いから潰すか。10歳から学校行くらしいし王族とかに不敬な事しまくるか。

うん、俺人の下につくのも見下されるの大っ嫌いだからそういうの素でいけそうだな。


その使用人が通り過ぎたのを確認してからダイニングに行き、水でパンを喉に流し込んで母の部屋に行く。


「行ってきます」と言ってで今日も魔の森へ出発した。



-------------------------



【究極偽装】で気配を消して走る。

今走ってる場所は魔の森中央部。

中央部にはそれ以外のエリアでボスだった奴らと同等の魔物が闊歩しているらしいので、戦うのは帰りにして黄金龍の寝床のある場所に向かう。



「……あれか」


魔の森中央部を30分程走り回り、登った木の上から眠っている黄金龍を発見する。

その安らかな寝顔が歪む日を思うと、少し体の痛みが引いた気がした。


とりあえず頑張って【単独近距離転移】の効果の及ぶ範囲まで近づく。

【単独近距離転移】は自分から半径15メートル以内の場所であれば知覚していなくても転移できる。

故にミストは頑張って黄金龍から15メートルの所まで近づき、転移を発動した。


黄金龍の真下の土の中に。




ヒュッ


何も見えない上に呼吸もできず、身動きも取れない。

割と死ぬ気で【土魔法】が発動するように念じ続ける。


(土魔法!土魔法ぉぉおおッ!)


ボゴッ


しばらくして【土魔法】が発動し、周りの土が押しやられて洞窟のような空洞(空気穴あり)ができる。


「ゲホッ!ゲホッ、ゲホッ、ゲッホッッ!!!」


少し口に入った土で盛大にむせながら周りの土壁を【鑑定】する。



________________________________


ミスリルを多分に含んだ土壁


普通の土 50%、ミスリル 48%、金属 2%の土壁


________________________________



普通どのくらいの割合かは知らないが、名称から本に書いてあった事が本当だとわかる。


錬金術を土壁に使い、聖銀(ミスリル)だけを抽出してみる。


ボトッ


金属光沢を持った青白い塊が地面に転がり落ちた。


(思ったよりもデカい……!)


ミストはその塊と抽出後の土を【空間収納】に入れてドンドン土壁から聖銀を抜き取っていく。



次回は2年後です。

注)投稿の方じゃありませんよ!

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