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異世界に行く羽目になった死んだフリの天才  作者: ブルータス
成長編
31/68

魔の森に眠る聖銀 1


ズキン


「あー、イライラする。やつあたりがしたい」


家へ帰る途中、足を動かす度に響く衝撃や動く服での擦れで傷痕が疼き、その度に今世で初めての敗北を思い出してミストはストレスを溜めていた。


そんな時、


「ガァァ!」


オーガが目の前に現れた。

さらにミストの黄金龍との戦いで研ぎ澄まされた本能は、その横のしげみに潜むオーガの群れの気配を感じ取りーー


ーー舌舐めずりして邪悪に笑った。


「ああ、やっとこの怒りをぶつけられるな」


ザシュッ


ミストは黄金龍との戦いで減った魔力も傷ついた体も気にせず、目の前のオーガの首をはね、横のしげみに【電動飛翔】を発動して突入した



-------------------------



「ガァア………」


ザシュッ


オーガジェネラルの首が宙を舞う。

そしてオーガジェネラルは地面に散らばる傷だらけの屍の一つと化す。


「あっ!『迷宮』に入れないといけなかったな。まぁいいか、スキルは奪えたし。うわ、魔石も採らないとな」


そしてミストは晴れやかな顔でオーガ達の腹を裂き始めた。



-------------------------



ボロボロの服と傷だらけの体を幻覚で隠して家に入り、書斎に行く。

特に誰かに気づかれる事もなく書斎に着いた。


書斎の本を漁っていると興味深い題名の本があった。


『魔の森に眠る未曾有の聖銀』


この本によると、聖銀は金属が光属性の波動を浴び続ける事で変質してできるらしい。

そして魔の森の中央の黄金龍の寝床は、黄金龍から溢れ出る少なくない光を含んだ金炎の波動を五百年間受け続けたためにその下にある土は大量の聖銀が混ざっている、という内容だった。


これを聞いて俺は地味な、それはもう地味すぎる嫌がらせが目的の大半を占める修行と金稼ぎを思いついた。



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