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異世界に行く羽目になった死んだフリの天才  作者: ブルータス
成長編
26/68

都合よく人質にできそうな少女に遭遇するのは罠なので気をつけましょう。


ブワッ


ゴブリンキングが無数の凶悪な腕に包み込まれる。

しかし、


グググッ


ゴブリンキングはいつか(そういえば昨日だった 笑)の織晴のように二枚の翼で牢獄のような形状のそれをこじ開ける。


「……質はあちらが上で量はこちらが圧倒的、ただし時間制限アリ、か」


押し寄せる三百を超える凶腕に、最初はゴブリンキングも張り合えていたが、やがて押されていく。


「ギィィイイイッ!」


ゴブリンキングが叫ぶと、両手に持つ二振りの剣が黒い炎を纏い、「黒雷神の千手」の一本が切り裂かれる。


(!!!そういえば魔法とか大量に持ってたな。このままじゃ勝つ時には織晴がボロボロになってそうだ。うーん、……ゴブリンって知能低いしいけるかな?)


ブォンッ


ミストは一本だけゴブリンキングに振るい、それを全ての腕が襲いかかってくる風に幻覚を見せる。


「ギッ!?」


ゴブリンキングは想像通り、剣と翼で全力でガードしようとする。


「アホが!喰らえッ!」


ブォォオンッ


ゴブリンキングの無防備な脇腹に陽動の一本以外の全ての腕が襲いかかる。


「!?ギ、ィイイッッ!!!」


ガッ

ドーーーンッ


とっさにゴブリンキングは翼を一枚だけ間に挟み、ダメージを和らげるのに成功するが、三百十数の腕に殴り飛ばされ、ミストが入った入り口と逆の方向に吹っ飛ぶ。




-------------------------



ドッッ


ゴブリンキングは体術を使って衝撃を受けないように着地する事に成功する。

ゴブリンキングが追いかけてきたミストを迎え撃つべく立ち上がろうとした時、


ガランッ


「う、うーん」


「ギ!?」


近くにあった大きな建物の残骸が崩れ、中から生きているボロボロの服を着た少女が現れる。

ゴブリンキングはそれを見て………自分の幸運に感謝した。


「ギィ!」


ガシッ


「な、何!?」


ゴブリンキングは少女を羽交い締めにし、追いついてきたミストの前に出す。

ゴブリンキングは少女を人質にして逃走する気だった。

その意思を示すべく、声を張り上げようとした時、


「ギ…」


「ダークネス ボルトッ!」


ミストの【黒装】を使われた【雷魔法】が、人質の少女ごとゴブリンキングに炸裂する。

それを受けた事により、腕の中にいた少女が霧散する。


「バカか、お前は。なんで他のゴブリンは全滅してるのに、"たまたま"着地した場所の近くで生存している人間がいるとか信じれるんだよ。都合よすぎだろ」


そう。大きな建物が崩れるところから、ゴブリンキングが見ていたのはミストによって作り出された幻覚だったのだ。


カツンッ、コツンッ


ミストはゆったりとゴブリンキングに向かって歩いていく。

ゴブリンキングは「ダークネス ボルト」で身体が痺れて動けない。


『ブチンッ』


ゴブリンキングの首が「黒雷神の腕」でねじり切られる。


《[転生者]による[転生者]の殺害を確認しまs…エラー エラー エラー》


初めて聴く謎の声が途中で(さえぎ)られる。


「幻覚では途中までしか騙せない、か」


「???ギィ?」


いつの間にか自分の首が再びくっついていた事に困惑を覚えるゴブリンキング。


「はぁ。もったいない」


「ギィ?ギ「ブチンッ」」


疑問の声を繰り返すゴブリンキングを無視してミストは現実で首をねじり切る。


《[転生者]による[転生者]の殺害を確認しました。大量の経験値とゴブリンキングの「チート」【強欲】を取得しました》


《経験値が《経験値g《経験値《経験《経k《経k《経k…


……ん?

あれ?何で退化してんの?

もしかして貰った時の状態でしか取得できないの?

うわぁ、損した気分だわ……



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