不幸な政治家 1
この政治家は短編に出てきた、主人公の「当たり屋被害者」の1人目です。
俺は「魔の森」という場所の東北東部のゴブリンを統括しているゴブリンキングだ。
そんな俺には前世の記憶がある。
この世界にとっては異世界の記憶だ。
前世では俺は日本という国の政治家だった。
俺は四十代まで順調に出世していったが、五十代で交通事故を起こしてしまい、それによって優勢になった敵の派閥は、俺の部下を裏切らせ、賄賂、脅迫などの罪で俺は警察に捕まった。あの手際の良さは間違いなく「当たり屋」のような者を雇っていたんだろうが、残念ながら予想でしかない上に証明のしようが無い。
そんな俺は刑務所で過ごし、仮釈放の日にヤケ酒を飲んだ。
そして「急性アルコール中毒」で死んだ。
後半だけ不幸が連続しすぎな人生だった。
( ああ、せめて当たり屋と裏切った部下と糸を引いていた政治家に復讐したかったな )
と思いながら意識を失った時、声が聞こえたのだ。
その声はこう言った。
『お前の言う当たり屋は2年前に、部下の方は最近死に、異世界に転生したぞ』
と。
私は驚き、自分もその世界に行けるか聞くと、『まぁ、僕もそのつもりで声かけたしね。で、転生する?』と返ってきたので「是非!」と言った瞬間、居酒屋の店主の驚いた顔が視界に入った直後、俺は死んだ。
その後は銀髪の美人に会い、何故か「ぜーったいに壊すなよ!」と厳命されながらタブレットを渡され、彼(神?)の転生者の特権の説明を受け、タブレットの項目から「ちーと」とやらを選び、異世界に転生した。
最後に彼から、
『部下はともかく、当たり屋の方は気をつけた方がいいよ。なんたってかm…』
と忠告された。
ヤツが一体何をしたのかは気になるが、俺の選んだ「ちーと」である【強欲】は転生者以外からも「すきる」を奪えるらしいので、現地の者から「すきる」を奪ってからなら大丈夫だろう。
そう思いながらいつの間にか閉じていた目を開けると、緑色の肌の醜悪な顔の人間(?)がいた。
注意)してやられた展開はありません。
神の言いたかったセリフを当ててみましょう!(答え合わせアリ)




