ゴミスキルを極めてみよう!
この物語の過去編を書きました。
知られざる(笑)主人公の設定が知りたい方は是非、「交通事故で死んだフリをして慰謝料をボろうとしたら轢き逃げされた」を読んでください。
あーたーらしーいーあーさがーきたー
きーぼーうーのーあーさーがー
幻覚を使っているわけではない。
自分で歌っている。
兄上が遊びに行ってなかったら絶対にやらなかったと断言出来る行為だ。
そーれー 1、2、3!
ガン◯でやっていた歌を歌い終わると、ダイニングに行き、パンを一枚だけ食べ、母上の部屋に行く。
「母上、遊びに行ってきます!」
「昨日言った事はちゃんと言える?」
「『友達と遊ぶのは日が沈むまで』です!」
「よし、行っていいわよ」
よし!織晴との戦闘で全滅した経験値用魔物の補充と、魔法の練習と………あと磁属性の適正を調べないとな。
魔の森へレッツゴー!
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時間短縮の為に【電動飛翔】を使い、それによって服が破れないように織晴の【変幻自在】(【眷属化】の影響?によって【伸縮自在】が進化したものと思われる)で全身を神鉄の鎧で覆い、昨日織晴と戦った場所に一時間足らずで到着した。
とりあえず、ここで魔法関連の用事を済ませる事にする。
「まずは………磁属性の適正からだな」
(磁力、磁石、磁界……どういうものを想像すればいいのかね。とりあえず、砂鉄が磁石に引き寄せられる感じでやってみよう。砂鉄が磁石に引き寄せられる感じ。砂鉄が磁石に引き寄せられる感じ。砂鉄が磁石に引き寄せられる感じ。砂鉄が磁石に引き寄せられる感じーー )
ミストは何回もこの属性検査をやった事で、目に魔力を集めなくても魔力を知覚出来るようになっていた。
(ーーられる感じ。砂鉄が磁石に引き寄せられる感じ。砂鉄が磁石に引き寄せられる感じ。砂鉄が磁石に引き寄せられる感じ。砂鉄が磁石に引き寄せられる感じ。砂鉄が磁石に引き寄せられる感じ。砂鉄が磁石に…)
ブゥゥン
《【磁魔法】を手に入れました》
お決まりの謎の声が成功を知らせる。
さて、ここからが問題だ。
磁魔法とは何なのか?
磁力を出すのか、それとも砂鉄と一緒に磁力を出すのか。
試してみよう。
「むん!磁魔法!」
ブブブゥゥン
ズズッ
魔力を100消費して普通にやると、砂鉄と思わしき物が作り出され、それらの操作が可能だった。
習得の時に聞こえた音とは別だったので、同じく魔力消費100で次は磁力だけを意識して発動する。
ブゥゥン
習得の時と同じ音が聞こえ、手の平の上に透明のモヤモヤとした物ができる。
このモヤモヤは磁力なようで、魔の森の砂鉄の操作が可能だった。
砂鉄と一緒に作り出す時より操作出来る砂鉄の量が多い事から、この魔法は砂鉄を作る分の魔力が磁力を作る分の魔力に足されているようだ。
ポッ
磁力を【雷神化】の要領で圧縮し、地面に放ってみる。
ズズズッ
放たれた磁力球は、地面に付着し、大量の砂鉄を纏わり付かせて黒い玉に変貌する。
「わぁ、鉄がたくさん!…ってショボッ!!!圧縮という高等技術を使ってこの程度かよっ!!」
だが、ミストはあり余るラノベ知識から、この手のゴミスキルは極めると強い、と直感する。
なので次は消費魔力100万でやってみる。
ブウゥゥン
ポッ
ズッ、グッ
今度は砂鉄が集まる速さも段違いで、集まった後に砂鉄が圧縮されていた。
圧縮された砂鉄の玉をはたいたり、叩いたりしてみると、
ペシペシッ
カンッ、カンッ
金属だった。
ミストは確信した。
(こいつは、当たりだ)
と。
地面にぶつけても意味が無いので、魔物で実験しようと思い、ミストが辺りを見回すと、
「ギギィ、ギィ!」
周りに仲間のいないボッチゴブリンがいた。
え?俺もボッチ?
何言ってんの?織晴がいるだろう。もしかして目ん玉腐ってんの?だったらくり抜いて良いよね?
こちらがあちらを見つけるのとほぼ同じタイミングであちらもこちらに気づき、襲いかかってくる。
「くらえっ!磁力球」
ポッ
放たれた磁力球がボッチゴブリンの右足に命中する。
そして、
ズッ
ボッチゴブリンの右足が砂鉄に覆われ、ボッチゴブリンは歩みを止める。
「ギィ?」
グッ
ボキッ
「グギッ!?ギイィィイイイイイイイ」
砂鉄が圧縮する際に足が締め付けられ、鈍い音と共にボッチゴブリンの絶叫が響き渡る。
「一定時間四肢を封じる上に上手くいけば骨を折れるのか。素晴らしい魔法を作ったな。迷宮」
ボッチゴブリンを「迷宮」に押し込み、次の作業に入る。




