魔法使いになろう(30歳まで独身なのとは関係ないよ)
もう魔法とか我流でいいかな、とか思ってました。
ちゃうけど。
手に取った本には『これで貴方も魔法使い』と書いてあった。
なんで「あなた」ではなく漢字を使った「貴方」なのか疑問だったが、著者であるファリク・イステリアという人物を【鑑定】してみると、若い頃は読者を貶すような文章が多かったらしいが、四十手前で高位貴族の怒りを買い、片目を潰され、それ以後は出来るだけ敬語で書くようになったようだ。
貴族メッチャ横暴だな。
…………平民じゃなくてよかったと心底思ったよ。
ミスト(以後愛称)は知らない。
そのファリク・イステリアの目を潰す要因となった高位貴族の中には彼の先祖が含まれる事を。
ペラペラペラッ
なぜか文字が日本語である事をスルーし、目次から魔法属性について書いてあるページを見つけ、そのページを開く。
『魔法属性は種類が多く、今も稀に新しい属性が見つかる事があるが、その中でも所有者が多い属性は4種、それよりもすこし少ないのが2種存在します。
4種の方は火、水、風、土の四属性であり、それらの組み合わせで作られる属性がある事から「基礎四属性」と呼ばれます。
2種の方は光、闇の2属性であり、「基礎四属性」に組み合わせて属性を作ることが出来、その2つは組み合わせることが出来ない事から「対二属性」と呼ばれます。
これらの属性を自分が持っているか確かめるには、自分の中の魔力を感じ、その属性の事を強く思うことが肝心です。
「基礎四属性」「対二属性」でなくとも上記のようにします。
それらを行い、ステータスに「◯◯魔法(熟練度 ◯◯)」と書いてあれば、貴方はその属性に適性を持ってます。
魔法属性が一つだけしかなくても、その属性が進化し、新たな属性を手に入れる可能性があるので、魔法属性が一つしかない方も落胆する必要はありません。
また、魔法属性が有る方はもちろん、無い方も魔力を用いた「身体強化」「感覚強化」「魔装術」があるので安心です。』
やり方は凄まじく簡易で誰にでも思いつきそうなものだった。
魔力は感じれるようになってるし色々試してみればよかったなぁ。
「空間はもう持ってるし、雷は隠しスキルで確定しているからどういう感覚か憶える為にまず雷魔法をやってみよう」
まずは魔力を感じる為に「虚飾破壊」をする時と同じようにする。
ギュゥン
目の方向に行きかけた"魔力"と思わしきものを上下左右前後に動かして見失わないようにする。
クイッ、クイッ、クイッ
次に、【帯電】を使 った時に見ている電流をイメージする。
…………。
…………。
ススッ
感じていた魔力が動きを見せる。
( あとちょっと………… )
パリリリッ
《【雷魔法】を手に入れました》
指先から少し静電気のようなものができたのを感じるとお決まりの声が魔法の習得を告げる。
「………意外に時間かかるな」
次は何にするか。
……………………………
………………………
…………………
……………
………
…
結局、俺の魔法属性はわかる限りで空間、雷、土である事がわかった。
ファリク・イステリアによると、雷属性と土属性を組み合わせた磁属性というものがあるらしいので、明日はそれをする事にする。
注意)ファリクというキャラは使い捨てなのでもう出す予定はありません。




