美女と野生の豚(猪?)
ステータスどうしましょうか?
「ミスト!こんな遅くまで外にいちゃダメでしょっ!!」
ミストというのは俺の愛称である。
現在の状況を説明すると、織晴を腕輪の形にして手首に付け【全幻覚】で見えないようにした状態で、【雷神化】を贅沢に使った身体強化で魔の森を駆け抜け、体感で6時半頃、枝葉によって服がボロボロな状態で家に帰ると、母上がホッとしたような顔で玄関で仁王立ちしていた。………鎧の代わりにシルクっぽい白い服を着た贅肉たっぷりの豚人将軍の横で。
ええっ!もしかして、あれですか?それが俺のちt…
「まったくっ!この私を次男の分際で待たせるとは何事だッッ!!!ミリア!今度からこのようなくだらない事で私を呼ぶなッ!」
「す、すみません。あなた」
豚人将軍亜種が怒鳴った。
豚人将軍に謝る母上。
ドシドシと音を立てて屋敷から出ていく豚人将軍。
………うん。
よくあるよね、転生先の父親がロクデナシって。
今まで一回も会ったことがなかったから知らなかったよ。
見た目的に似てないから俺は母さん似だな。ああ、よかった、マジで。
うわぁ、こんな豚の血を引いていると思うと自分の血を一滴残らず絞り尽くしたくなるわ。
あと、絶対こいつ仕事してねえな。腹の辺りに「虚飾破壊」使ったらキスマークがいっぱいあったし。………こんな豚にキスをするなんて気の毒。弱み、脅迫、商売、性奴隷のどれかなのは確定だろう。
にしても母上はなんでこんな豚のところに嫁がなければならなかったんだろう?愛されても嬉しくないだろうが、浮気までされるとは母上が気の毒すぎる。
( とりあえず、こいつを事故に見せかけて殺すのは確定だ。………風呂場で転んで頭を打つとかこいつにピッタリだな。候補に入れておこう )
「母上。ごめんなさい、心配をかけて」
「これからはお友達と遊ぶのは日が沈むまでにするようにね」
( それだと季節によって時間が違いそうだけどいいのかね )
「はい」
心の中で口答えしながら表面上いい子ぶって返事をし、子供部屋に駆け込む、という幻覚を見せて主のいない書斎に向かう。
今までは一度も父親を見なかったので、書斎で仕事をしているのでは?と思っていたが、仕事せずに遊んでる豚とわかったので安心して色々な本を読めそうである。
タッタッタッタッタ
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豚の部屋、すなわちブタ小屋なのでエロ本ばっかだろうな、とあまり期待していなかったが、魔法の本やら薬草の本やら色々あった。
ちゃんと書斎のようだ。
とりあえず、完全版ノーリスク破壊神降臨の為に体を外から動かせる可能性がある魔法を使えるようになるべく魔法の本を開く。
父親は死んでる設定にしようか悩みましたが、身近にざまぁ対象が欲しかったのと、劣悪な環境でどうするかというサバイバル的なものが好きなのでクズ設定にしました。




