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異世界に行く羽目になった死んだフリの天才  作者: ブルータス
成長編
15/68

雷神の右腕

長らくお待たせして申し訳ありません。

こんなこと書いて待っている人がいなければ笑えますね(私以外)。

誰か名ゼリフ言って。


例「そんな悲しい事言わないでくださいよ!ミッシェr」

フッ

フッ


オリハルコン・スライムの両脇に現われる二体の俺の幻覚。

俺本体は姿を消した状態で幻覚を「発勁」をする体勢に変える。


「!?」


ヒュンッ

ヒュンッ


オリハルコン・スライムは俺が二人いることに驚き、一瞬遅れて鞭型触手で幻覚をかき消す。


フッ


オリハルコン・スライムが幻覚をかき消したタイミング、つまり隙ができてしまった直後に【単独近距離転移】で背後に現われる俺。


スッ


(はっ)ーー」


「!?」


シュルル


現れた俺に気づいたオリハルコン・スライムは俺に攻撃をしようとするが、既に鞭型触手は違う方向に振るわれている事に気づき、何を考えたのか振るわれた触手を近くの木に巻きつける。


( !?……発勁を流す気か?出来るものならやってみろ!!! )


「ーー(けい)ッッ!!!」


ドッ

ズンッッ


ズズッ


( !?……流された! )


唯一の攻撃手段が受け流された事に俺は驚愕する。

そして、驚愕は(オリハルコン・スライム)にとっての隙になる。


スッ


無防備に晒されたミストガンの腹に手の形の触手を添えるオリハルコン・スライム。


( !?こいつ、発勁を取得しやがった )


その直後にオリハルコン・スライムのステータスに【発勁】が加わっている事に気づくミストガン。


ドッ


ミストガンにオリハルコン・スライムが衝撃を送りこもうとした瞬間、


「セイッ!対象【体術】!」


カッ


突如、ミストガンの足元にサクリファイスが現れ、ミストガンはそれをオリハルコン・スライムに蹴り飛ばす。


キィィン


《対象の破壊に成功しました。一時的にステータスから【体術】が消滅します》


オリハルコン・スライムにサクリファイスが当たった瞬間、レベルアップの時の声がいつもと違う内容を告げる。


「???」


オリハルコン・スライムは突然「発勁」が出来なくなり、疑問の声のようなものを上げる。


フッ


その隙にオリハルコン・スライムから離れる俺。

オリハルコン・スライムから離れる際、俺の【並列思考】の熟練度はすごい勢いで上がっていた。


( 今のは「発勁」やるべきだったか?いや、ヤツが「発勁」を流したのが体術によるものという確証は無い。今のは退いて正解だ。とりあえず「発勁」は封印するとして、どうする?【破壊属性付与】は効いたが、成功する確率が高いとは思えないからステータスを削るには足りない。【破壊(サクリファイス・)咆哮(ゲート)】は100万以上でやると周りの被害が大きすぎる。最悪の場合は「黄金龍」を呼び寄せる事になる。【帯電】は圧倒的に電圧が足りない。どうする?一発かまして逃げるか?………かます事が出来る一発が無えな。「虚飾破壊」の要領で手に魔力集めてみるか?……!?そうだ!【帯電】でそれをやればいいんだ! )


ヒュンッ


【並列思考】を使ってここからどうするかを考える俺にオリハルコン・スライムは鞭型触手を振るう。


《【雷神化】を手に入れました》


パリィィ


しかし、それはミストガンの黄色く輝く右腕によってはたき落される。


それは消費魔力100万の【帯電】を右腕に発動させ、限界まで圧縮させただけのものだった。

しかし、逆に言えば部屋を一つ焼き尽くすような電流を半径10センチ程までに圧縮しているのだ。

その電圧は、何故か10億よりも高い。

先ほどの声が言ったように、雷神の腕と言われても納得できるような迫力である。


「さて、どうする?スライムちゃん」



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