奥の手×2
オークが襲いかかってくる。
絶体絶命である。
とりあえず、
「放電領域っ!」
バババババッ
かっこよく言っているが、ぶっちゃけ消費魔力100万の【帯電】を全身に使っているだけである。
これは全身に使わないと俺すらも焼き尽くすので、「電動飛翔」を手に入れるまで封印していたのだ。
「「「ブヒヒィ!?」」」
オーク達の先頭から半分ほどが感電死、または麻痺状態になる。
レベルアップの声が連続で聞こえる。
これで後ろのオーク達も怯むかと思われたが、
「ブッヒィィイイイッ!」
オーク・ジェネラルが放電領域を突き進んで斬りかかってくる。
やはりレベルが高かったり、種族が上位だった場合は基礎能力値が高いようだ。
「【剣術】持ちとやり合うのはキツイな。虚飾 降臨ッ!黒装ッ!」
ボゥッ
全身から黒いオーラが噴き出る。
俺はそのオーラを【帯電】と融合させ、「放電領域」を「黒雷領域」へと変え、サクリファイスに黒い電流を纏わせて迎え撃つ。
キィィン
カァァン
「ブヒヒヒッ」
うわっ、【麻痺耐性】とか取得しやがった。
ますますやりにくくなるなー。
「ブヒィッ!」
オーク・ジェネラルの剣を氷が包む。
どうやら【魔装術】とやらを使ったようだ。
こちらも本気で行く事にする。
ナイフを10本幻覚で作り出し、オーク・ジェネラルに向けて飛ばす。
8本は視覚だけ、しかし残りの2本のうち1本は視覚と聴覚、もう1本は視覚、聴覚、嗅覚に認識されるクオリティの高い幻覚。
ヒュッ
「ブッ!」
スカッ
「ブヒッ!?」
オーク・ジェネラルは予想通り、最もクオリティの高い幻覚のナイフを弾こうとしたが、幻覚なので当たらない。
それに驚いたオーク・ジェネラルに黒雷に加えて【破壊属性付与】を使用し、斬りかかるが、
「セイッ!」
ヒュッ
「ブブッ!」
突然、麻痺で倒れていたオークが立ち上がり、オーク・ジェネラルを庇うために立ち塞がる。
ザシュッ
「ブブゥゥウウウッッ!!!」
キィィン
オーク・ジェネラルが悲痛の声を上げながら斬りかかってくる。
「「「ブブブゥゥウウウゥウウウッ!」」」
その声に触発されたのか、麻痺していたオーク達、後ろで怯んでいたオーク達がこちらに突っ込んでくる。
バババババッ
「「「ブ、ブゥゥウ」」」
後ろにいたオーク達は「黒雷領域」によって最初よりも多い割合で感電死するが、3割程が【麻痺耐性】を取得して生き延びる。
「「「ブブブゥゥウウウゥウウウッッ!!!」」」
前列のオークの生き残りも当然ながら【麻痺耐性】を取得し、オーク・ジェネラルを先頭に斬りかかってくる。
「虚飾 不完全顕現ッ!」
噴き出る黒いオーラが右肩で集まり、黒い翼となる。
さらに強力になった黒雷を纏った魔剣で、時に幻覚を使いながらオーク達を斬り伏せていく。
「「「ブヒィィイイイィイイイッッ!!!」」」
後列のオーク達が麻痺から脱し、斬りかかってくる。
俺は自分の幻覚にオーク・ジェネラル達と戦っているフリをさせ、自分は姿を消し、
「破壊の咆哮ッッ!!!」
「「「ブブッ!?」」」
轟ッ
復活した後列のオーク達を【破壊の咆哮】で消し飛ばす。
またもやレベルアップの声が連続で聞こえる。
「「「ブヒィィイイイィイイイッッ!!!」」」
怒り狂ったオーク・ジェネラル達は【破壊の咆哮】を放った俺に向かって斬りかかってくるが、冷静さを失った彼らは徐々に俺に斬られていき…………
「お前で最後だ、オーク・ジェネラル。迷宮!」
オーク・ジェネラルは「迷宮」に閉じ込められ、数ある俺の経験値用魔物の一体となった。
ステータスはそろそろ載せるべきなのか?
感想ください。




