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異世界に行く羽目になった死んだフリの天才  作者: ブルータス
成長編
10/68

奥の手×2

オークが襲いかかってくる。


絶体絶命である。


とりあえず、


放電領域(ライトニングフィールド)っ!」


バババババッ


かっこよく言っているが、ぶっちゃけ消費魔力100万の【帯電】を全身に使っているだけである。

これは全身に使わないと俺すらも焼き尽くすので、「電動飛翔」を手に入れるまで封印していたのだ。


「「「ブヒヒィ!?」」」


オーク達の先頭から半分ほどが感電死、または麻痺状態になる。

レベルアップの声が連続で聞こえる。

これで後ろのオーク達も怯むかと思われたが、


「ブッヒィィイイイッ!」


オーク・ジェネラルが放電領域を突き進んで斬りかかってくる。

やはりレベルが高かったり、種族が上位だった場合は基礎能力値が高いようだ。


「【剣術】持ちとやり合うのはキツイな。虚飾 降臨ッ!黒装ッ!」


ボゥッ


全身から黒いオーラが噴き出る。

俺はそのオーラを【帯電】と融合させ、「放電領域」を「黒雷領域(ブラックサンダーフィールド)」へと変え、サクリファイスに黒い電流を纏わせて迎え撃つ。


キィィン


カァァン


「ブヒヒヒッ」


うわっ、【麻痺耐性】とか取得しやがった。

ますますやりにくくなるなー。


「ブヒィッ!」


オーク・ジェネラルの剣を氷が包む。

どうやら【魔装術】とやらを使ったようだ。


こちらも本気で行く事にする。

ナイフを10本幻覚で作り出し、オーク・ジェネラルに向けて飛ばす。

8本は視覚だけ、しかし残りの2本のうち1本は視覚と聴覚、もう1本は視覚、聴覚、嗅覚に認識されるクオリティの高い幻覚。


ヒュッ


「ブッ!」


スカッ


「ブヒッ!?」


オーク・ジェネラルは予想通り、最もクオリティの高い幻覚のナイフを弾こうとしたが、幻覚なので当たらない。

それに驚いたオーク・ジェネラルに黒雷に加えて【破壊属性付与】を使用し、斬りかかるが、


「セイッ!」


ヒュッ


「ブブッ!」


突然、麻痺で倒れていたオークが立ち上がり、オーク・ジェネラルを庇うために立ち塞がる。


ザシュッ


「ブブゥゥウウウッッ!!!」


キィィン


オーク・ジェネラルが悲痛の声を上げながら斬りかかってくる。


「「「ブブブゥゥウウウゥウウウッ!」」」


その声に触発されたのか、麻痺していたオーク達、後ろで怯んでいたオーク達がこちらに突っ込んでくる。


バババババッ


「「「ブ、ブゥゥウ」」」


後ろにいたオーク達は「黒雷領域」によって最初よりも多い割合で感電死するが、3割程が【麻痺耐性】を取得して生き延びる。


「「「ブブブゥゥウウウゥウウウッッ!!!」」」


前列のオークの生き残りも当然ながら【麻痺耐性】を取得し、オーク・ジェネラルを先頭に斬りかかってくる。


「虚飾 不完全顕現ッ!」


噴き出る黒いオーラが右肩で集まり、黒い翼となる。

さらに強力になった黒雷を纏った魔剣で、時に幻覚を使いながらオーク達を斬り伏せていく。


「「「ブヒィィイイイィイイイッッ!!!」」」


後列のオーク達が麻痺から脱し、斬りかかってくる。

俺は自分の幻覚にオーク・ジェネラル達と戦っているフリをさせ、自分は姿を消し、


破壊(サクリファイス・)咆哮(ゲート)ッッ!!!」


「「「ブブッ!?」」」


轟ッ


復活した後列のオーク達を【破壊の咆哮】で消し飛ばす。

またもやレベルアップの声が連続で聞こえる。


「「「ブヒィィイイイィイイイッッ!!!」」」


怒り狂ったオーク・ジェネラル達は【破壊の咆哮】を放った俺に向かって斬りかかってくるが、冷静さを失った彼らは徐々に俺に斬られていき…………



「お前で最後だ、オーク・ジェネラル。迷宮(ラビリンス)!」


オーク・ジェネラルは「迷宮」に閉じ込められ、数ある俺の経験値用魔物の一体となった。


ステータスはそろそろ載せるべきなのか?

感想ください。

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