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柊兄妹の異世界四重奏  作者: ライトニング
Guild Tournament
44/61

Kiri , Finals Start

 ◆◆◆


 俺達は最後の爆魔水晶の音を聞き俺達の拠点へ戻ることにした。

 拠点に着くと炎魔の連中が燃えていたが、楓が何かしたのだろうと思い気にしないことにした。

 楓も馬車に戻っている様で俺達も馬車に乗り込むと案の定俺達以外の全員がお茶を飲んで寛いでいた。


「……寛ぎ過ぎじゃない?」


「いいのよ、することなかったし。それにしてもお疲れ。まさか本当に四人で勝っちゃうなんてね」


「え?じゃあ、最後のギルドは誰がやったんですか?」


「なんでも自爆らしいよ。温存の為だってさ」


「成る程ねぇ」


「さ、帰りましょ」




 全員が馬車に乗り込み座ると馬車はゆっくりと動き出す。

 帰りも行きと同じ様に十五分掛けて闘技場まで戻ってきた。

 控え室に入り、映像が写し出されている闘技場中央を見ると、もう既にBブロックの試合が始まっていた。


「やっぱり魔神が強いですね」


「そうね。準決で当たるのはやっぱりここね」


 もう次の試合は勝った気でいるらしい。


「そういえば桜、何時までそれ連れてるんだ?」


 そう、桜はサバイバル中に捕まえてきた妖精をまだ籠に入れて持っているのだ。

 というかこの妖精達は“森の民”のメンバーなのだろう。


「あっ、忘れてました。でももう直ぐ魔法も解けると思います」


 そんなことを言っていると妖精を入れていた鉄の籠がパッと消えてしまった。

 勿論籠の中でグッタリしていた妖精達は急に籠が消えたことによりそのまま落ちる。


「ふぎゅっ」


「大丈夫ですか?」


「……大丈夫な訳ないでしょ!此方は長い間閉じ込められてたんだから!」


「甘い物をあげるので許してほしいです」


 そう言って桜はマスター達が馬車の中でお茶をしていた時に食べていたクッキーを二枚差し出す。

 なんでもこれは今朝クレアさんと一緒に焼いた物らしい。


「クッキー!……まぁ、どうしてもって言うんだったら、許さない事もないけど……」


「じゃあ、いいです」


「あ~ん、許すからクッキー頂戴!」


 妖精達は自分の三分の一程もあるクッキーにしがみつく。


「じゃあ、桜を許して下さいね?」


「うん、許す許す。……貴女はサクラっていうのね」


「はい。貴女は?」


「私はリィ。此方は妹のミィよ。ミィは基本喋らないから気を悪くしないでね」


「はい、よろしくです」


 ミィと呼ばれたもう一ぴ、一人の妖精はクッキーに齧じり付いたままペコリと頭を下げる。

 リィも自分のクッキーを必死に食べている。


「じゃあね、サクラ」


 暫く経つとクッキーを完食した妖精達は自分のギルドへ帰っていった。

 かなり自由な娘達だったな。

 その後は俺達も控え室でゆっくりお茶をしなが他の試合を観戦した。





『さぁ、今日のサバイバル予選。最初から波乱万丈でしが如何だったでしょうか?』


『何処も見応えのある試合でしたね』


『さて、明日の本選に進出したのはこの八ギルド!』


 1A“戦乙女の茶会”


 2A“真実の瞳”


 1B“魔神の加護”


 2B“風”


 1C“黒龍の息吹”


 2C“和”


 1D“武神の加護”


 2D“獣王の雄叫び”


『この様になりました!』


『対戦表にするとこうですね』


 第一試合

 “戦乙女の茶会”対“獣王の雄叫び”


 第二試合

 “魔神の加護”対“和”


 第三試合

 “黒龍の息吹”対“風”


 第四試合

 “武神の加護”対“真実の瞳”


『明日のトーナメントのルールを説明しますと……各対戦毎に一対一を三試合、二対二を二試合、三対三を一試合の計六試合行います。そして勝利数が多い方が勝ち上がります。六試合を終えて三勝ずつの場合はマスターを抜いた九対九の総力戦となります』


『マスターを抜くのは何故ですか?』


『マスターの指揮力を見るために戦場外からの指示のみ許されています』


『成る程』


『因みにどの試合に出るかは此方がランダムで選ばさせて頂きます』


『明日が楽しみですね』


『そうですね』


『それではまた明日~』




「やっぱり最有力候補のギルドが何処も一位通過でしたね」


「まぁ、予想通りよね」


 俺達はギルドに戻ってきて皆で夕食を採っている。

 今日はクレアさんが一人で作ってくれたらしい。


「今日は明日に備えてゆっくり休むんだぞー」


「と言っても~、働いたのは四人だけだけどね~」


「いいの!明日は全員でるんだから!」


「四戦連取したら出番無い可能性があるけどね」


「揚げ足取るなー!」


 今日のマスターは祝だと言ってお酒を飲んでいる。

 普段はあまり飲まない人らしく、飲んだら暫く幼児退行するらしい。

 らしいというか、もう既にしてるねこれは。


「マスターの方が先に寝た方がいいんじゃないですか?」


「私はマスターじゃない!セレーネちゃんだ!」


「はいはい、じゃあセレーネちゃんは早く寝ましょうねぇ」


「うぇ~、まだ飲むぅ」


「ハイハイ」


 そんなやり取りを見せながらミレーナさんはマスターを連れて二階の自室に連れていってあげる。

 こう見ると親友同士と言うよりは親子の方が近い気がする。


「お姉様がご迷惑をお掛けします」


 それを見たルナがペコリと頭を下げる。


「そういえば明日の対戦、フレイアさん以外あまり強そうに見えないですけど……」


「それは君達が私達が闘う姿を見たことが無いからだろう。……まぁ、明日になれば分かるさ。付け加えて言うならランクに相応しい程の実力はあるとだけ言っておこう」


 俺達は此処の人達がどれ位の強さでどんな闘い方をするのかも知らない。

 明日の本選でいきなりペアになって闘えと言われても結構難しいだろう。


 まぁ、取り敢えずはフレイアさんの言ってる事を信じてみようかな。




 そして次の日。

 本選一日目。


「皆、何時でも行けるように準備しておいてよ。ランダムで選ばれるみたいだから」


 昨日あれだけ酔っていたマスターも二日酔い等の影響は無さそうだ。

 アルコールに強いのか弱いのかよく分からない人だ。


「そもそも何でランダムなんでしょうか?」


 クレアさんの疑問は俺も思った事だ。

 何処に誰を出すか決めるのもマスターの采配力が分かると思うのに……。


「それに九対九の試合になった時にマスターが出場出来ないっていうのも変だよな」


「ホラッ、グチグチ言ってても仕方無いでしょ!気合い入れて気合い」


『会場の皆さん、今日も楽しんでいきましょー!それでは本選第一試合“戦乙女の茶会”対“獣王の雄叫び”!』


『第一戦目は“戦乙女の茶会”キリ・ヒイラギ選手対“獣王の雄叫び”モォーン・バッファ選手です』


 ん?いきなり俺か。


「兄さん頑張って下さい!」


「……ガンバ」


「お兄ちゃんファイトです!」


「おぅ」


「キリ君、負けたら承知しないぞっ☆」

 そ

 え?マスターまだ酔ってるのか?


「キリ、お姉様は放っておいていいから……頑張って」


「……あぁ、いっちょやりますか!」


 ◆◆◆

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