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Sakura , in the Castle Town

 ◇◇◆


 結局あれからツバ姉はパフェを二杯も食べやがったです。

 こっちは忙しいというのに、あんな面倒なパフェを頼むなんてひどいです。

 一時間程でピークも過ぎ、こちらもたいぶ落ち着いてきました。


「お疲れ、嬢ちゃん。上がっていいぞ」


「お疲れ様です」


「お疲れ様、サクラちゃん。はい、これ今日のお給金よ」


「わぁ、ありがとうございます。でもこれ多すぎませんか?」


「いいの、いいの。それくらいの働きはしてくれてるわ」


 桜が貰ったのは大銀貨一枚。

 時給一万円で出勤自由とかどんなホワイト企業てすか?


「じゃあ、遠慮なく貰っちゃいますね」


「おぅ、また何時でも来てくれよ」


「はい。必ず」


 挨拶を済ませて外に出ると、既に会計を終えたツバ姉が辺りをボーっと観察しながら待っていてくれた。


「お待たせしました」


「お疲れ様。もう宿に戻る?」


「うーん、桜は少しお洋服とか見たいですね。あと、生活用品とか」


「私が昨日回った所だったら案内出来るわよ」


「本当ですか?お願いします」


「はいはい。じゃあ、最初に洋服から見ていこうか」


「はい」




「そういえば私、魔眼を手に入れたわ」


 少し歩いたところでツバ姉が急にそんなことを言ってきました。

 ツバ姉……。


「ツバ姉……異世界に影響されて再発しちゃったんですか?」


「ち、違うわよ!今度は本物。って言ってもこの世界の魔眼は相手を石にしたりとか、幻見せたりとかは出来なくて、ただ魔力が見えるだけらしいんだけどね」


「へぇー。でもすごいじゃないですか。夢が叶いましたね」


「ゆ、夢なんかじゃないわよ。あれはそう……夢を見てただけよ……」


 なんかツバ姉が遠い目をしています。


「あっ、ここよここ」


「へぇー。結構色んな服が在りますね」


 ここで少しツバ姉とは離れてそれぞれ自分の服を探す。

 桜はここである意味感動した。

 前の世界では大人服売り場ではサイズがなくて絶対に買えず、子供服しか買ったことがなかったが、この世界では大人服売り場に桜にピッタリなサイズが売っている。


 ドワーフサイズとか書いてある気がするが関係無い。

 この服は誰がなんと言おうと大人服なのだ。


「桜、決まった?」


「はい!この大人(・ ・)服にします!」


「そんなに大人を強調しなくていいわよ。買ってあげるわ」


「本当ですか?ありがとうございます。……でもツバ姉はどうやって稼いだんですか?」


「…………知りたい?」


「やっぱいいです」


 服を買った後も生活用品なんかもツバ姉が全て買ってくれました。

 結構なお金を持っているようで入手経路は聞かなくてもツバ姉の事です、だいたい解る。


「さて、そろそろ宿に戻ろうか?」


「そうですね」


「楽しみだわ。もうすぐ兄さんに会える」


「カエ姉の心配もしてあげて下さい」


「大丈夫よ。兄さんがきっと見つけてるわ」


「そうですね」


「……あれ?そうすると私が最後……」


 ツバ姉が自分で言っといてイライラしてきてる。

 本当にお兄ちゃんの事になると見境がないです。


「まぁ、いいわ。私は兄さんにプレゼント買ったんですもの」


「プレゼント?」


「そうよ。桜の話を聞く限りじゃ兄さんも替えの服を持ってないだろうし、楓ね」


 何だかんたでツバ姉は家族にはとても優しいです。


 太陽が既に沈みかけている中をツバ姉と二人で宿に向かって歩いている。

 まだ宿までは結構ある。

 この時間になるとやはり人がかなり少なくなってきている。

 街のざわめきも小さくなってきた頃。


 事件は起きた。


 ドォーーン


『な、何だ!?』


『爆発したぞ!!』


『誰か警備騎士団を呼んでこい!!』


 建物の一つがいきなり爆発しました。

 静かになってきた街がまたざわつき始めます。


 爆発した部屋の窓は通りの方に散らばり、炎がごうごうと噴き出します。

 周囲の建物の窓もその衝撃で窓が次々に割れていきます。


「桜大丈夫?」


「はい。ツバ姉は?」


「私も大丈夫よ」


 すごい衝撃で尻餅をついてしまったが怪我はありません。

 ツバ姉も無事のようです。


 野次馬がどんどん増えるなか、少し経つと警備騎士団と呼ばれる人達が次々と集まり、魔法を使って火を消していきます。

 初めて魔法を見ました。

 病気が再発したツバ姉もニヤニヤしてます。


「桜、この事件に兄さんが関わってる気がしない?」


「え?まぁ向こうの世界では、身近な事件の中心には大抵お兄ちゃんがいましたけど……ここにまで来て事件起こしますか?」


「きっと兄さんならやってくれるわ」


 何の期待ですかと心の中で突っ込む。


「きっとあそこに兄さんはいるわ」


「燃えちゃってますけどね」


「さぁ行くわよ桜」


 そう言ってツバ姉は野次馬というか事件現場に向かって走り出しました。

 一つ言いますが、身近な事件の中心にお兄ちゃんがいましたが、いつもお兄ちゃんの隣にいたツバ姉も事件の中心にいましたよ。


「おぅ桜、何やってんだ?今走って行ったの椿か?」


「……お兄ちゃん」


 お兄ちゃんが後ろから声を掛けてきました。

 隣にはもう一人の姉、カエ姉がいます。


「カエ姉!」


「……よっ」


「よっ、じゃありませんよ!」


「……むぅ、にぃと、同じ反応」


「まぁ、それしかないだろ。……で、あれ椿か?」


「あっ、そうです。ツバ姉です」


「そっか。一時はどうなるかと思ったけど何とか全員集合だな。椿のところに行くか?」


「……ん!」


「はい!」


 桜も心配でしたが無事に柊家全員集合です。


 ◇◇◆

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