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Tsubaki , in the Restaurant

 ◆◇◇


 はぁ、何だったのかしらあのオッサンは?

 今日の予定が全て狂ってしまったわ。

 あそこで待ってれば兄さんに会えたも知れないのに……。


 まぁ、取り敢えず今日の寝床を探すことにしよう。

 幸い、お金もたくさん手に入ったし。


 あっ、この服可愛い。あっ、この指輪も可愛い。

 よしっ、今度兄さんと来て買ってもらおう。

 あっ、これもいいわねぇ。


『なぁ、聞いたか?』


『何を?』


『クルーミルっていう料理屋にめちゃくちゃ可愛い娘が入ったらしいぜ。しかも料理もめちゃくちゃ美味しいんだってよ』


『へぇ』


『今度行ってみようぜ!』


『そうだな』


 グーッ

 ……………お腹空いたわね。

 ちょうどいいから、その“クルーミル”っていう所に行ってみましょうかしら。


 自己主張の激しいお腹を撫でつつ歩くこと三分 。

 数人の行列が出来ているところを発見。


 外見は至って普通のレストランっぽい造りになっていて、周りとの調和を崩さぬようにこの建物もレンガ造りになっている。


「ここね」


 まぁ、四、五人なら並んでもいいかな。

 待つこと十五分。

 漸く私の番がきた。


「いらっしゃいませ!御一人様ですか?」


「えぇ」


「では、カウンター席へどうぞ」


 四十歳くらいの優しそうな女性店員に案内され、窓側のカウンター席に着く。

 店内をぐるっと見渡すとカウンター席が私の場所を含め七席、テーブル席が十席とそこそこの広さがあるが、店先に行列が出来ていた通り満席になっている。


 それなのに店員は先程私を案内してくれた女性店員だけで他にホールに出ているものはいない。

 さすがに厨房までこの人が回しているということはないだろうから最低二人でこの店を回してるのだろう。


 メニューを開くと前の世界でも見たことのある普通の定食や、逆に見たことも聞いたこともない料理名の物。

 普通だと唐揚げ定食。珍しいものだとドラコンの兜焼き。それって美味しいのかしら?


 とまぁ、こんな感じに外見は洋食屋っぽいが、中身は和食風。

 中身はと言ってもメニューだけで、インテリアは洋風。

 そんな中、豊富なサイドメニューの中のデザートの欄に私の興味を引く物がある。


 DXパフェ。


 よくありそうな名前のパフェだが、値段が飛び抜けている。

 普通の定食の値段が大体五百コルン、大銅貨五枚程度。

 高くても千コルンちょっと、銀貨一枚と大銅貨数枚。


 ここから察するに百コルン、大銅貨一枚が百円程度で、千コルン、銀貨一枚が千円程度だろう。


 だがこのパフェは七千コルン。つまり、七千円程度のパフェということだ。

 よしっ、これにしましょう。


「すいませーん。DXパフェ一つ」


 周りがざわつく。

 そんなにすごいパフェが来るのかしら?楽しみね。

 そして待つこと十分。


「お待たせしました。DXパフェです」


 来たパフェはビールの大ジョッキに、さらに大ジョッキ1つ分足した高さのパフェ。


 うーん、予想より小さいわね。

 見た目は普通のパフェね。

 確かによく見ると見たことのない果物?も入っている。

 これのどれかが高級な食材なのかしら?


「いただきま~す」


 パクッと一口。お、美味しいわ。

 この私の舌を唸らせるレベルなんて…………。

 こんなレベルの味、桜以来ね。

 ということで、十五分で完食。


「すいませーん。もう一つDXパフェお願いしまーす」


 さらにざわつく店内。

 そしてもう一つもペロッと完食してお会計。

 もちろん大銀貨一枚と銀貨四枚。

 あっ、消費税無いんだ。


「ありがとうございました」


 ふぅ、なかなか美味しいかったわね。今度は兄さんと来ましょう。もちろん兄さんの奢りで。

 それにしてもあのオッサン結構お金持ってるわね。まだ大銀貨が十六枚あるわ。

 十六枚ってことは十六万円持ってるってこと?

 銀貨や銅貨も結構入ってるし、ちゃんと仕事してたのかしら?


 まぁ、いいわ。もう、私には関係の無いことね。

 さて、今度こそ宿を探しましょうか。もう日が沈み始めてる。

 …………あっ、この服可愛い。



 あっ、図書館だ。この世界の情報は得られるかもしれないが兄さんの情報は手に入らないだろうし寄らなくていっか。


 楓好きそうな場所ね。


 私の優先順位は一に兄さん、二に兄さん三、四も兄さんで五が楓と桜。

 前も言ったが楓と桜との仲は良い。もちろん二人のことも嫌いなはずもなく好きだが、兄さんには遠く及ばない。


 あぁ、早く会いたいわ兄さん。

 兄さん兄さん兄さん兄さん兄さん兄さん兄さん兄さん兄さん兄さん兄さん兄さん。

 ついでに楓と桜。



 結局宿“小鳥の羽休め亭”を見つけ、着いたのは日が完全に沈み辺りが真っ暗になった時間。


 あの後も何回か絡まれたり絡まれそうになったりと面倒だった。

 回避できたのは無視してきたが、出来なかったのは徹底的に沈めてきた。


 色々見ながらフラフラ歩き過ぎたみたいね。

 でも、そのおかげで結構いい服とか買えちゃったわ。この今の服装だと逆に目立つし、服は必要よね。

 同じ服何日も着たくないし、ちょうどいいでしょ。


 生活用品も買えたし、鞄も買った。それでもお金は結構残っている。


 ふぅ、これからどうしよっかな。

 シャワーはもう浴びちゃったし、ご飯は………いっか。

 なんかまだお腹にパフェ残ってる感じするし………。


 まだ完全に日が沈んでないけど、もう寝よっかな。

 今日はいろんな事があって疲れたわ。

 でも流石に早いかな。まっ、偶にはいいわよね。

 明日は真剣に兄さんを探しましょう。ついでに楓と桜も……。


 そうねぇ、明日はまずギルドに行って今度こそしっかり登録して何か情報を聞きましょう。

 そしたら少しブラブラしながら街を見て回ろうかしら。

 お昼になったら今日行った“クルーミル”だっけ?そこに行ってまたパフェを食べに行きましょう。


 幸いお金はまだたくさん残ってるし、明日ギルドに行って登録をすれば、何かしらの仕事も見つかるだろうし。


 ……兄さん達もちゃんとこっちに来てるわよね?来てると信じましょ。

 はぁ、早く兄さんに会いたい。

 兄さんパワーが足りなくて調子が全然上がらないわ。

 今日はやっぱり明日のためにもう寝ましょう。


 ◆◇◇

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