モノクロ世界 「黒」
現実なのか。
夢なのか。
区別がつかない。
そして、私がいた。
二人の私。
目の前には、壁がある。
透明の壁。
壁の向こうに、もう一人の私。
白く輝き 笑っていた。
それに対し…私は…!
闇に埋もれて、真っ黒だ。
ああ、この世界から抜けたい。
あの、白く輝いている世界に行きたい。
…でも、どんなに叫んだりしたって
誰も助けては、くれない。
物語みたく〝happy end〟には、終わらせてくれない。
どうしたら、あの世界にいけるの?
「…?」
もう一人の私が手招きをしている。
声が聞こえる。 今まで、聞こえなかったのに。
「大丈夫だよ。」
「!?」
〝大丈夫だよ〟…?
「明るい世界に連れて行ってあげる。」
「…!!」
本当に!?
「私たちが、力を合わせたらここじゃない不思議な世界に行くの。
明るくて、楽しくて、笑顔になれるトコロ。
…ダメかな?」
「ううん!ダメじゃないよ。
私、行きたい!! そんな場所に行ってみたい!!
でも、これじゃ…。」
私は、服や靴や心や…。
真っ黒に染まっている。嫌だなぁ。
「大丈夫!! 私たち、一心同体になるの。
こうやって…!」
「うわっ!!!」
透明の壁から、手が出てきた。
「さあ! 掴んでっ!!」
「…。」
「早く!!」
「…怖いよぉ。」
「自分を、信じてっ!
私を、信じて!!」
「…うん!」
〝ガシッ〟
何度も、響いた。
ずっと、目をつぶっていた。
だんだん、眩しくなってきた。
目を開けると、いつもの風景がみえた。
でも、今日はなんだか違った。
違う風景がみえた。
嬉しくなる。
「今日は、なにしよっかな♪」
〝end〟
かいてみたかった作品です。
見て戴きありがとうございました。