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銀河の覇権と太陽の艦隊  作者: 生誕祭
序章
6/10

プロローグ1

初めまして!生誕祭といいます。本編に入る前に一言。


本作は言うまでもなくフィクションですが、実在の国家の名前が多く登場します。近年近隣国家との関係がぎくしゃくしており、この手の話に敏感になる方も多いかもしれません。しかしこの話は現実とは全くの無関係であり、作者の思想を反映したものではないと先に主張しておきます。


あくまでただのお話として楽しめる方のみお進みください。

 宇宙暦288年1月30日。

 地球連邦所属、日本国高千穂星系を一隻の軍艦が航行していた。


 青みがかった艦体に塗装された日の丸。その横にペイントされているのはその艦の名前である『天城002』。日本軍が保有する巡洋戦艦だった。


 その内部にある艦長執務室に二人の男がいた。一人は椅子に座り背後の窓から外を眺め、一人はその男のデスクを挟んだ向かい側に立ち、手元の資料を見つめる。


 男たちは若かった。医学の進歩とともに発達したアンチエイジング技術の恩恵で、50歳前後でもかつての20代の若さを保てるようになった現代。寿命は150歳まで伸び、40代でも『若者』と呼ばれる世の中で30歳にすら満たない彼らはまだまだ青年の域である。しかし彼らの社会的地位が持つ重みは年齢から受ける印象に比例しない。


 椅子に座った男は『第2外洋艦隊提督、立花恭介日本宇宙軍准将』。


 立っている男は『第2外洋艦隊提督補佐、高橋拓朗日本宇宙軍少佐』。


 それが彼らの肩書だった。




 拓郎が入室したとき、恭介は本国から送信された電子新聞に目を通していた。モニターに映るその文面は、地球連邦、特にアメリカとセレノア解放同盟の関係が悪化の一途をたどっていることを伝えている。


「もう民間レベルですら隠せないところまで来ちゃったみたいだね」


 拓郎の少し気の抜けた声。それが意識して出されたものだということを、恭介は長年の付き合いから理解していた。


「ここまで明確に強硬姿勢を示されたんじゃな。あちらさんに隠す気がないとしか思えないよ。で、アメリカの調査艦隊は見つかったか?」


「……ああ、座標2998・32・445宙域で残骸が確認されたよ。全滅だ」


「そうか。……残念だ」


 恭介の質問に帰ってきたのは、彼ら二人が事前に予想し、かつ外れることを願ったものその通りの答え。


「恭介、大和から本日付で通達がきた。『立花准将は第2外洋艦隊を率いアメリカ領ニューカリフォルニア星系へ急行、地球連邦艦隊と合流せよ』。北条総理と山県幕僚長の連名だ」


「……つまり」


「ああ。連邦政府は、セレノア解放同盟に対し宣戦布告する」


 当初の予定より幾分早い宣戦布告。


 しかしそれもまた、二人が予想していたものだった。


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