序章
初投稿となります。まだまだ駆け出しのヒヨッコですがよろしくお願いいたしますm(_ _)m
ダイアモンドで作られたシャンデリアが揺れるたび、角度を変え光を反射しながら輝き、首が痛くなるほど高いドーム状の天井には、澄んだ空に美しい天使や聖女が描かれている。
そして、つるつると滑るくらいピカピカのフローリングでは、疲れの所為でやや崩れかけている作り笑いを浮かべる私と、常時冷静沈着、容姿端麗、頭脳明晰、周囲から完璧だと言われているヴァルシア陛下、ただし現在眉間にしわを寄せていますが…それから陛下の側近達を映していた。
先程からあたりにはただならぬ緊張が走っていた。
――バタン
そんな中、白い観音開きのドアが豪快に開き、数名の騎士が深紅のカーペットを慌ただしく走り入り込んで来た。
「何事だ。玉座の前だぞ。慎め。」
すかさず大臣の一人が言う。
「すみません、しかし」
「おいっ、聞こえなかったのか!」
ちらり、と横を一瞥すれば陛下も側に控える宰相も、うんざりした顔をしていた。陛下の眉間のしわがさらに濃くなった。
「構わない。報告を。」
「ですが、へい……。」
まだ言い淀む大臣は陛下の強い眼差しが向けられ、ようやく自身が機嫌を底なわせていることに気づいた。
陛下は、視線を先頭の騎士に戻し、先を促した。
「はっ、では。オズスペル王国所属騎士第四番隊、同じく第五番隊、現在壊滅状態に陥っています。今は第六番隊が応戦をしておりますが、そちらもいつまで持つかわかりません。被害額は―――」
息が整った騎士の声が天井に吸い込まれる。侍女や護衛達の小さな雑音が立ち込もり、不安そうな目が王を捉える。
たらりと、陛下のこめかみから汗が一雫流れた。
「そうか。」
凛とした、それでいて何か決意した声が響く
そして、
「神官達を集めよ。召還魔法を行う。」
陛下は、玉座からすくっと立ち上がり、その場を去って行った。
読んでいただき、ありがとうございます(≧∇≦)