三章 家族との時間
今日は久しぶりに白藤と一緒に家に戻った。
今日からしばらくは二人でいる予定だ。
「久々~!!」
黒眼、茶髪ロングヘア、白い服を着てデニムのショートパンツを穿いた女性、岩開 白藤は元気よくそう言いながらリビングに入った。
「お茶淹れようか」
二つのリュックを下ろすグリードリヒは白藤を見て笑みながらそう言った。
「今日は私が淹れるよ」
白藤はキッチンに入りながらそう言った。
「そっか。ありがとう」
グリードリヒは白藤を見て笑みながらそう言うとソファーに座ってテレビをつけた。
普段は仕事をしている時間帯だからこの時間の番組は結構新鮮だ。
まぁ、ニュース番組しかやってないけど。
「何か面白い番組やってる?」
少しフラフラとマグカップを二つ持った白藤はそう言いながらソファーに座った。
「やってない!」
グリードリヒはマグカップを支えながらそう言った。
「ラーフィアの時も思ったけど、なんか災害情報みたいだよね」
白藤はマグカップを一つ渡しながらそう言った。
「まぁ、歩く大災害みたいな存在だからね。暗黒神って」
マグカップを持ったグリードリヒはテレビを見ながらそう言うとお茶を飲んだ。
「"あいつ"と戦った時もこんな災害情報みたいなの出てたのかな」
マグカップを持った白藤はテレビを見ながらそう言うとお茶を飲んだ。
「緊急速報みたいな感じで流れたんじゃない?」
グリードリヒは白藤を見てそう言った。
白藤が言うあいつとは、神護国歴七年、私たち第三期国外調査隊がベラ・ジ・ルル荒野で遭遇した存在だ。
あいつは封じる者・白魔の眷属であり、後に"白炎樹の騎士"と名付けられたラーフィア級の暗黒神だった。
「はぁ・・・私も参加したかったな・・・」
白藤はテレビを見ながらそう言った。
「私は参加したくなかったよ。何もなく引退して何だかんだ楽しい人生だったって思いながら死にたいもん」
グリードリヒはテレビを見ながらそう言った。
「白藤って結構戦闘意欲あるよね」
グリードリヒは白藤を見て笑みながらそう言った。
「そんなことないよ!グリードリヒさんが参加しないなら私も参加しないんだから!」
白藤はグリードリヒを見てそう言った。
「私のことは心配しなくて良い。必ず生きて帰るから」
「生きて帰ってくるだけじゃなダメだよ。無事に帰って来なきゃ」
「わかったよ」
グリードリヒはそう言うとお茶を飲んだ。
「少しゆっくりしたら橙子ちゃんたちに会いに行こうよ」
白藤はグリードリヒを見て笑みながらそう言った。
「うん」
グリードリヒは白藤を見て笑みながらそう言った。
少しゆっくりした私たちは西照雷にある池船共同供養所に行った。
ここには神護国七年から二十年間西方剣士団に所属していた橙子剣士、リーリ剣士、エルタ剣士のお墓がある。
「汚れてるね・・・」
白藤は薄汚れた墓碑を見てそう言った。
「最近来れてなくてごめんな~」
グリードリヒはスポンジで墓碑を磨きながらそう言った。
血を繋げるというのはとても難しいことだ。
色々な不幸で急に途絶えてしまうことだってある。
橙子の墓碑を磨いている時、いつも橙子の声を思い出す。
橙子の声を思い出す度に懐かしさと寂しさが駆け巡って最後には楽しかったと思える。
「ニコさんとリーリのお墓は綺麗だね」
白藤は綺麗な墓碑を見て笑みながらそう言った。
「リナちゃんが来たんだろうね」
グリードリヒは供えられた一輪の花を見て笑みながらそう言った。
「親思いで良い子だね」
「そうだね」
グリードリヒは墓碑を見て笑みながらそう言うと手を合わせた。
リーリの娘、リナ・オーブ・アレキサンドライト=ユーフィ・スタシアはキャリッシュの弟子でありソラと同じで万象教の熱心な信徒だ。
寡黙でどこか儚げだけど、キャリッシュとは別の方向でぶっ飛んでいる。
「リーリってどうして病んでたんですか?」
白藤はグリードリヒを見てそう言った。
「宿幼決戦時、救助部隊の隊員として前線に出てたからね。そりゃ心も壊れるさ」
グリードリヒは墓碑に手を合わせ続けながらそう言った。
エルタのお墓はいつ見ても華やかだ。
「愛されてるんだね~」
白藤は花でいっぱいの墓碑を見て笑みながらそう言った。
「幸せなやつだな。子孫にも好かれてるなんて」
グリードリヒは花でいっぱいの墓碑を見て笑みながらそう言うと手を合わせた。
エルタは子供に恵まれて六人ほど娘がいた。
みんな性格が良くて途轍もなく賢かったって聞く。
剣士団を引退してから関わりがなくなってしまったけど、剣士団にいた時は仲が良かった。
「みんな、これから暗黒神を倒してくるよ。どこかで見ててね」
グリードリヒは墓碑を見て笑みながらそう言った。
次回
四章 見ちゃダメだ・・・




