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二十一章 頭を巡る過去 其三

私が十六歳になった頃、祖国ヴェルノーレから遠く離れたヴォルカッツォ火山が噴火したことで大陸全土に火山灰が降り注いで世界的な不作が発生した。

そして、その年の九月に父上が肺炎でこの世を去った。

十月には貯蔵していた小麦が底をつき、王国内に居る家畜が全て食肉にされることになった。

骨や皮、臓物に至るまで全てが王国に回収されて食事は一日一度の配給制となった。

しかし、そこまでして必死に用意された食料も半年と持たず餓死者が出るに至った。

そして、貴族層による食料品の囲い込みが始まったことで国民が抱える不平・不満が大きくなり、祖国ヴェルノーレは崩壊の危機を迎えた。

そんな祖国ヴェルノーレを救ったのは無法地帯の住民が愛する食べ物、マルポネート・ポテトだった。

クラウスは王国の危機に立ち上がり、王と賢者たちに知恵と食料を与えた。

どこでも大量に栽培できる芋と国内の塩湖から採れる塩だけで簡単に作れるマルポネート・ポテトは祖国ヴェルノーレを救い、ヴェルノーレ王国の国民食になった。

年が変わる頃、大量の食料があるという話を聞きつけた隣国オムナーズ王国が祖国ヴェルノーレに侵攻を開始して戦争が始まった。


私が十七歳になった年の八月、戦況が悪化してついに私も前線に駆り出された。

私たちは様々な策を駆使して奮戦するも動く要塞を前にはどうしようもできなかった。

絶望的な戦況を前に思考する時間だけが長くなった。

そんな時、前線に来るはずがない援軍が来た。

無法地帯の住民たちで構成された義勇軍だった。

この練度も何もない部隊を率いていたのはクラウスだった。

何の変哲もない鉄剣を握ったクラウスは黄金の剣技で動く要塞をいとも簡単に破壊し、約十六万人の敵を一分経たずに一掃してしまった。

次回

二十二章 黄金の英雄

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