十八章 懐かしき温もり
「・・・」
モニークが体についたとても浅い切り傷を見たその瞬間、モニークが液状神気を吐いた。
「ア、アァッ・・・」
モニークは悶えながら沸騰する液状神気を吐き続ける。
「・・・」
アイリアは力なく倒れると共に陶器のように砕けた。
「キエェェェェアァァ!!!!」
沸騰する液状神気を吐き続けるモニークは悲鳴を上げながら爆散した。
「・・・」
キャリッシュとソラはその場に崩れるように座り込んだ。
「総長・・・!総長・・・」
包帯で剣と手に巻き付けた傷だらけの東方剣士団の副総長は包帯を解いて剣を落としながらヒルデガルトに駆け寄った。
「・・・母さん・・・」
傷だらけの東方剣士団の副総長はそう言いながらヒルデガルトの傍で倒れた。
「・・・」
ヒルデガルトは東方剣士団の副総長を見て笑んだ。
「母さん・・・」
東方剣士団の副総長は静かにヒルデガルトに泣きついた。
「立て!!奴はまだ死んでないぞ!!」
グリードリヒはモニークが爆散した場所に漂う気化した神気を見て大声でそう言った。
その瞬間、気化した神気が漂う地面に掠れた謎の文様が現れると共に気化した神気が集まってモニークになった。
「これが不死の力か・・・」
グリードリヒはそう言いながら最上大業物朝陽輝霧を握った。
「エクスカリナ・・・やはりお前も魔女の仲間なんだな」
グリードリヒは悲しそうに言いながら最上大業物朝陽輝霧を構えた。
その瞬間、音もなく放たれた黒い斬撃波が私たちを斬りつけた。
体が軽い・・・もう朝じゃないか・・・どれだけ時間が経ったんだ・・・
「グリードリヒさん」
川を挟んだ対岸でそう言いながら手を振る三人の人影は、とても懐かしいものだった。
「橙子・・・リーリ!エルタ!」
グリードリヒは人影を見て嬉しそうに言いながら川に向かって進む。
「グリードリヒさん」
懐かしい人影がそう言うと私は蔓草に足を取られて転んだ。
「・・・」
私は這いずりながら起き上がって懐かしい人影を見る。
「下」
私は懐かしい人影の声に反応して下を見た。
「・・・」
ポップコーンマシンを指さす橙子はグリードリヒを見て笑みながらそう言った。
「・・・」
グリードリヒはポップコーンマシンを見て笑みながらそう言った。
「・・・」
橙子はグリードリヒを見てそう言った。
「・・・」
橙子は服屋を見て笑みながらそう言った。
「・・・」
橙子はそう言いながら店に走っていく。
「・・・」
グリードリヒは橙子を見て笑みながらそう言った。
「・・・」
グリードリヒは無反応でホラー映画を見つめる。
「・・・」
リーリはグリードリヒの腕を掴んで怯えながらホラー映画を見る。
「・・・」
リーリは少し不貞腐れながらそう言った。
「・・・」
グリードリヒはリーリを見て笑みながらそう言った。
「・・・」
リーリは蔑んだ目でグリードリヒを見てそう言った。
「・・・」
グリードリヒは笑いながらそう言った。
「・・・」
ティーポットを持ったグリードリヒはミッケを見てそう言った。
「・・・」
エルタの両親はグリードリヒを見て驚きながらそう言った。
「・・・」
ミッケはエルタから離れながらそう言った。
「・・・」
グリードリヒはエルタの向かいに座ってティーポットを置いた。
「・・・」
グリードリヒは少し乱雑にお茶を注ぎながらそう言った。
「・・・」
紅潮するエルタはグリードリヒを見てそう言った。
「副総長・・・しばらくの間、手を貸してもらってもいいですか?」
瞳が銀色に変色した白藤は笑みながらそう言った。
「お前、目が・・・」
グリードリヒは白藤の瞳を見てそう言うと最上大業物朝陽輝霧を黒鞘に納めた。
「副作用です・・・あの技を使うとしばらく目が見えなくなるんです」
白藤はグリードリヒに支えられながら立ち上がった。
「白藤、その力はもう使うな。人が使っていいものじゃない」
グリードリヒは白藤を見てそう言った。
「でも・・・私はこれがないと戦えないんです。あの力はないと何も倒せない・・・」
白藤は手を引かれながらそう言った。
「梨々香陛下は言いました。戦いとは、剣を交えるだけにあらず・・・と」
白藤の手を引くグリードリヒは車両に戻りながらそう言った。
「・・・」
白藤は後方に座った。
「旭日の勇者の役割はシールダー。盾を駆使して攻撃を防ぐんだ」
グリードリヒは白藤を見てそう言った。
「でも・・・師匠は色々な敵を倒してます。師匠みたいにならないと七陽の勇者にはなれない・・・」
白藤はグリードリヒの方を向いてそう言った。
「そんな戦い方してちゃヒルデガルトみたいになる前に戦えなくなるよ?」
「・・・」
白藤はハッとして黙った。
「それに、家族になるかもしれない人が盲目になるなんてこと、私は受け入れられない」
「・・・ごめんなさい・・・」
白藤はグリードリヒを見てそう言った。
「一緒に強くなろう。ね?」
グリードリヒは白藤を見て笑みながらそう言った。
「・・・はい!」
白藤はグリードリヒを見て笑みながらそう言った。
「また"五人"で会いましょうね」
茶眼、黒髪ミディアムボブヘア、白いカッターシャツを着て黒いミニスカートを穿いた女性、藤崎 橙子はグリードリヒを見て微笑みながらそう言った。
「うん」
グリードリヒは橙子たちを見て笑みながらそう言った。
「・・・」
橙子たちに背を向けたグリードリヒはゆっくりと歩みを進める。
コンテニューだ。白藤に会うために、家に帰るために、あの場所を護るために。
「・・・」
グリードリヒは断崖絶壁に向かって歩みを進める。
切り立った断崖と全てを呑み込むような暗闇が私の体をこわばらせる。
脚が重たい・・・全身が拒否しているみたいに重たい。
その時、たくさんの小さな手が私の背中を押した。
その手は忌々しくも懐かしく、冷たくて温かかった。
「頑張れ」
「頑張れ」
「頑張れ」
「頑張れ」
「頑張るよ!」
グリードリヒは笑みながらそう言うと崖から飛び降りた。
「・・・」
最上大業物朝陽輝霧を握った血塗れのグリードリヒは音もなく立ち上がる。
「・・・」
モニークと鍔迫り合いをするキャリッシュはグリードリヒに気付いて驚きを押し殺す。
「グリードリヒさん・・・」
少し離れた場所で治療を受けるソラはグリードリヒを見て驚きながらそう言った。
「嘘だろ!?」
ソラを治療するヒルデガルトはグリードリヒを見て驚きながらそう言った。
「モニークッ!!」
グリードリヒは怒鳴りながら最上大業物朝陽輝霧を振り上げた。
「ッ!!」
鍔迫り合いをするモニークは驚きながら背後を見る。
「・・・」
モニークは咄嗟にグリードリヒを蹴るもグリードリヒは霧になって消えた。
「何ッ!?」
モニークが少し焦ったその瞬間、キャリッシュが攻勢に出た。
「ウオォォォォォォォォ!!!!」
最上折業物金輪爆を握ったキャリッシュは叫びながらモニークを押し返す。
「・・・」
お互いが離れたその瞬間、霧がグリードリヒになった。
「霧か!?本体か!?」
グリードリヒを見たモニークは一瞬の逡巡の後グリードリヒに向かって黄金騎士剣を振った。
「反撃!」
最上大業物朝陽輝霧が黄金騎士剣を弾き返す瞬間、自分の判断が間違っていたことにモニークは気が付く。
「し、しまったッ!!!!」
黄金騎士剣を握ったモニークは不可避の速度で迫る切先を見て冷や汗を垂らす。
「飛燕大刺突ッ!!」
グリードリヒが握る最上大業物朝陽輝霧はモニークの胸を貫いた。
「小娘・・・小娘ッ・・・」
最上大業物朝陽輝霧が胸に刺さったモニークは目を見開いて怒筋を浮かべ、冷や汗をボタボタと垂らす。
もクークの過去、そして、黄金の英雄の正体・・・
次回
十九章 頭を巡る過去 其一




