十二章 勇者石のネックレス
同年、十月二十五日。
剣神モニークが大陸南東に界創空間を展開したと同時に白神俗世の神気量が大幅に減っているという知らせがフィトミア博士から届いた。
まだ特訓は半ば・・・しかし、このまま神気が減り続ければ神護国や白神俗世の将来に大きな影響をもたらす可能性がある。
剣神モニークとの決戦に臨まなければならない時が来た。
私たちが大陸南東部に向かう飛行船に乗り込む時、フィトミア博士が来た。
「これ、陛下と殿下から。あなたに渡せって」
シゼルはそれぞれお守りと手紙を渡した。
「・・・なんでネックレス・・・?」
グリードリヒはネックレスを見て首を傾げながら言った。
「めちゃくちゃ綺麗だね。私は腕輪だったよ」
アイリアはネックレスを見て笑みながらそう言った。
「私は髪留めでした!」
ソラは髪留めを見せながら嬉しそうに言った。
「私は耳飾り」
カスミは耳飾りを見て笑みながらそう言った。
「私も」
ミッケは耳飾りを見て笑みながらそう言った。
「ブローチ・・・なんか御所のファングッズみたい・・・」
ヒルデガルトはブローチを見て呆れたように笑みながらそう言った。
私たちは静かに手紙を読みながらイクイノックスを離れる。
私たちは大陸南東部に向かう飛行船の中で食事をしながら話し始めた。
「大陸南東の神気濃度は+域-域共に減少しているようです」
ソラはタブレット端末を見ながらそう言った。
「剣神モニークの神気とエクスカリナの神気が凄まじい勢いで衝突しているってことか・・・」
ミッケは前を向いたままそう言った。
「またエクスカリナが横やりを入れてこなければ良いけどな・・・」
キャリッシュはピタサンドを食べながらそう言った。
話をする中で私はグリードリヒのネックレスの宝石が変化していることに気が付いた。
「なんか・・・宝石の色違くない?」
ピタサンドを持ったカスミはソラのネックレスを見てそう言った。
ブルーグリーンだった宝石が赤紫色になっている。
アイリアたちも宝石の変化を見て驚いている。
「・・・なんだろうね」
アイリアは宝石を見て不思議そうに言った。
「神気に反応してるとか?」
キャリッシュはカスミを見てそう言った。
「神気でこういう色になる宝石があるなんて聞いたことないけど・・・」
カスミはキャリッシュを見てそう言った。
「・・・もしかして!!」
宝石を見たまま考え込んでいたヒルデガルトは大声でそう言った。
「びっくりした・・・」
カスミとキャリッシュはヒルデガルトを見て驚きながらそう言った。
「勇者石だ!勇者石だよこれ!!」
ヒルデガルトは色が変化する宝石、勇者石を見て嬉しそうに言った。
「勇者石?」
ソラはヒルデガルトを見てそう言った。
「初代烏輪の勇者の故郷で採れた超希少な宝石だって献上された時に見たことがある」
ヒルデガルトはソラを見て笑みながらそうに言った。
「それ、本当に超希少だったの?」
ミッケはヒルデガルトを見て訝しみながらそう言った。
「初代烏輪の勇者の故郷はとうの昔になくなっていたし、当時は海底掘削技術なんてなかったから本当に超がつくほど希少だったんだよ」
ヒルデガルトはミッケを見て笑みながらそう言った。
「陛下の故郷って泣代文化に近い場所だったと思っていたけど、これを見る限り結構レムフィト文化寄りなんだね」
カスミはネックレスを見て興味深そうに言った。
「まぁ、葉っぱの形を模したジュエリーなんてどの文化にもあるでしょ」
アイリアはカスミを見てそう言った。
「ね?」
アイリアはヒルデガルトを見てそう言った。
「ん~・・・こういうものは梨々香の故郷になかったと思う」
ヒルデガルトはネックレスを見ながらそう言った。
「じゃあ・・・どこでこれを?」
グリードリヒはネックレスを見てそう言った。
「友人知人からの貰い物じゃないかな」
ヒルデガルトはカスミたちを見てそう言った。
「貴重なものですね・・・大切にできますか?グリードリヒさんってちょっとガサツなところあるから心配です!」
ソラはグリードリヒを見て心配そうに言った。
「おいおい、言うようになったな」
グリードリヒはソラを見て笑いながらそう言った。
「良いぞーもって言ってやれ」
カスミはソラを見て笑みながらそう言った。
「・・・」
グリードリヒは黙ってネックレスを見た。
ついに始まる七陽の勇者対剣神モニークの決戦・・・
次回
十三章 絶望の血戦、開幕




